東京オリンピック開催にあたり、東京周辺の地価の上昇を期待して、個人投資家が投資用マンションを持つケースが増加傾向にあります。

そんな中、所有している不動産を売却して利益を得たいと考えているものの、「いつが売り時か分からない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、投資用マンションの売却にベストなタイミングと、売却時の流れ・費用・税金などについて解説します。

目次
投資用マンションは今、売却すべき?
住宅地価格は景気の影響を受けにくい

投資用マンションは今、売却すべき?

投資用マンションは今、売却すべきタイミング?必要な費用も解説!
(画像=『レイビー』より引用)

昨今、新型コロナウイルスの影響により実体経済がダメージを受けており、「今後のマンション価格は大丈夫?」と不安を抱えている方も多いことでしょう。

今はマンションを売却する時期として妥当なのでしょうか?

住宅地価格は景気の影響を受けにくい

コロナショックによる不動産価格への影響を考える際、参考になるのは2008年に発生した「リーマンショック」です。

投資用マンションは今、売却すべきタイミング?必要な費用も解説!
(画像=『レイビー』より引用)

出典:経済産業省「通商白書2019」

リーマンショックは世界経済に深刻な打撃を与え、当時の世界経済成長率は過去60年間で初のマイナス成長を記録しました。

不動産も大きなダメージを受けましたが、住宅地へのダメージは商業地より軽微で、住宅地価格は大きく下がらず、新築・中古ともに1年程度で元の水準にまで回復しました。

投資用マンションは今、売却すべきタイミング?必要な費用も解説!
(画像=『レイビー』より引用)
投資用マンションは今、売却すべきタイミング?必要な費用も解説!
(画像=『レイビー』より引用)

出典:国土交通省「地価公示」

東京の地価公示価格を例に挙げると、住宅地は2009年マイナス4.4%、2010年マイナス4.9%のところ、商業地は2008年マイナス6.1%、2010年マイナス7.3%と住宅地よりも商業地のダメージが大きかったのです。

また、新築マンション1㎡あたりの分譲価格をみると、東京圏はマイナス1.2%、東京都区部はマイナス6.4%だったものの、1年後にはプラスに転じています。

参考:株式会社グローバル・リンク・マネジメント|コロナショックが東京の不動産に与える影響

上記のデータから考えられることとして、もし今回のコロナショックがリーマンショック程度のダメージで収まるなら、マンション価格が下落しても1~2年で回復する可能性があることが予想されます。

低金利によって不動産取得の意欲は増している

2013年4月にアベノミクスの1つとして始まった「異次元の金融緩和」によって、住宅ローンや投資用ローンは空前の低金利となりました。

今もなお低金利状態が継続しているため、不動産取得には絶好のタイミングであり、実は売却する側にとっても好機なのです。

オリンピックと投資用マンションの関係は?

投資用マンションの売却について気になることの1つに「東京オリンピック後にマンション価格はどうなるのか」ということが挙げられるでしょう。

オリンピック開催後に不動産価格は下がってしまうのでしょうか?

過去30年間に夏季オリンピックを開催した国のGDP成長率をみると、オリンピック開催後に成長率がマイナスになったのは1992年のバルセロナ五輪だけです。

バルセロナについてはヨーロッパ通貨危機による欧州全体の景気低迷が主要因であり、オリンピックの終了が原因ではないとの考察もなされています。

投資用マンションは今、売却すべきタイミング?必要な費用も解説!
(画像=『レイビー』より引用)

引用:株式会社グローバル・リンク・マネジメント|グローバル都市不動産研究所 調査・研究 第三弾

2020年に開催予定だった東京オリンピックは、新型コロナウイルスの影響により2021年に延期されました。

しかし、2021年1月現在、新型コロナ「第3波」が日本を直撃しており、1月7日には東京都の新規感染者数が2,400人超と過去最高を更新しています。

このような事情から「中止すべき」という意見が根強く残っており、不動産価格については、一時期上昇ムードも期待されましたが、現況を踏まえるならば、一転下落の懸念も払拭できない状況と言えるでしょう。

とはいえ、2021年1月22日時点においては、政府は2021年開催の意向を示しているほか、国際オリンピック委員会も開催するという意向です。

予断を許さない状況が続きますが、東京オリンピックが開催されるとなれば、上記オリンピックのデータの結果から、不動産価格への影響の度合いはそこまで大きくないと推測できるでしょう。