バーチャルオフィスを選ぶときのポイント

東京都内だけで100件近くものバーチャルオフィスがあり、全国となると……正直、数が把握しきれません。また、一口にバーチャルオフィスと言っても、提供されているサービスや値段はバラバラです。

調べだすと永遠に時間が溶けていくとため、吟味する前に確認しておきたいポイントをご紹介します。

ポイント1. 横の繋がりは作れるか

一般的なバーチャルオフィスは住所を借りるほかにも、一部秘書業務を代行してもらえますが、実際の業務はバーチャルオフィス以外の場所で行う側面が強いです。そのため、コワーキングスペースのような色んな人がいる空間で仕事をするイメージではありません。

横のつながりが欲しい、会員同士の交流に参加したいという方は、コワーキングスペース等の運営会社が提供しているバーチャルオフィスがおすすめ。副次的にコワーキングスペースも使えたり、交流会に参加できるケースがあります。

ポイント2. 料金とプランは目的に合っているか

バーチャルオフィスは運営会社によって月額料金もサービスもバラバラです。そのため、目的を明確にして探すと、自分にぴったりのバーチャルオフィスを見つけることができます。

格安バーチャルオフィスは安い反面、住所貸し以外のサービスを利用するには別途料金が発生したりします。逆に一等地にあってレンタルオフィスも運営しているお洒落なバーチャルオフィスは、高額になりがちです。

つまり、何を重視するか、目的や予算を明確にすることで利用予定のプランと料金は自分に合っているかわかるのです。

バーチャルオフィスの契約前に考えたいポイント
値段重視 ・住所のみ借りると格安になるケースあり
住所重視 ・一等地や高層ビルの住所を借りたいか
・貸会議室を借りやすい場所か
サービス重視 ・郵便物の転送、電話応対、電話転送など秘書的業務のサービスを依頼したいか
・オプションやプランは豊富か
見た目重視 ・住所を検索されて表示されるビルは立派なビルが良いか
・綺麗な内装が良いか
・貸会議室でセミナーを開いても見栄えするか
スペース重視 ・共有スペースやビジネスラウンジ、専用デスクを使いたいか

ポイント3. バーチャルオフィスを利用しているとバレるか

HPや請求書などにオフィス住所としてバーチャルオフィスの住所を記載できます。その時気になるのが、バーチャルオフィスを使っているってバレるの?という点です。

結論は簡単で、住所を検索したらすぐにバレます。

ネットで住所検索をすると、その住所を公開しているバーチャルオフィスのHPが1ページ目に表示されるケースが多いのです。

しかし、創業初期にメガバンクから融資を受けるといった必要がなければ、バーチャルオフィスでなんらかの不利益を被ることはあまりありません。ただし、法人口座の開設や許認可の申請では難しいケースがあります。

ポイント4. 自宅住所は本当にバレないか

自宅住所を伏せたいといった理由でバーチャルオフィスを借りることは珍しくありません。実際、専門家に確認を取るなどしっかり準備をすれば、取引先に開示する住所はバーチャルオフィスで済むケースが大半です。あくまでも事前準備をしっかりすれば、自宅住所がバレることはそれほど心配しなくても良いはずです。

ただし、登記となると話は別です。本店所在地はバーチャルオフィスでも登記できますが、代表取締役や代表者印など法人の代表は住民票上の住所、つまり自宅住所も一緒に登記します。登記簿は600円ほど支払えば誰でも取得できるので、法人の代表となると自宅住所は登記簿からバレます。

ポイント5. 居住地から離れたバーチャルオフィスは契約可能か

自宅付近にバーチャルオフィスがあるにも関わらず、そこから離れた街や都道府県でバーチャルオフィスを契約するにはそれ相応の理由がないと厳しい可能性があります。

バーチャルオフィスは犯罪防止のため、契約前には入居審査があります。そのため「怪しい」と思われたら契約できないことがあるのです。

しかし、支店展開など事業拡大で自宅から離れた場所にバーチャルオフィスを構えるといったケースでは、遠距離でも契約ができることがあります。あくまでもケースバイケースなので、遠距離で契約する際は事前に問い合わせを入れるとよいでしょう。

ポイント6. 入居審査は厳しいか

バーチャルオフィスの入居審査の厳しさは会社により異なります。面談が必須のところもあれば、非対面で必要書類を提出すれば契約できることもあります。

よくある審査は事業内容の資料を免許証と保険証など身分証明書のコピーと共に提出し、反社チェックをする方法です。

また、面談ときくと審査が厳しいのかとドキドキしてしまうかもしれませんが、しっかり審査をしてくれるということは、利用者の信用につながります。バーチャルオフィスが犯罪に使われる可能性が低くなるため、他の利用者も安心してバーチャルオフィスを利用できますね。

ポイント7. 無料で借りられるか

バーチャルオフィスを無料で借りられないかと考えるケースもありますが、これはほぼムリです。どれほど格安でもバーチャルオフィスを借りるには費用がかかります。住所をレンタルしているのですから当然と言えば当然です。

また、無料で使えるからと友人宅住所をビジネスに使おうとするケースもありますが、こちらはおすすめしません。ネットショップに友人宅を登録してトラブルになったり、賃貸物件の又貸しは契約違反というケースもあります。トラブル回避のためにもバーチャルオフィスを契約しておくと安心です。

まとめ

バーチャルオフィスは秘書業務を依頼できるほか、住所を使えるのでプライバシーに配慮しながら仕事ができます。もちろん経費に計上できますし、法人化する際は本店所在地としても使えます。

国内のバーチャルオフィスの歴史はまだ浅いですが、需要が増えるに連れ大手企業も参入するなど市場も成熟しつつあります。

東京都内を始め全国にたくさんのバーチャルオフィスがありますので、目的にあったバーチャルオフィスを見つけましょう。

(執筆:特急太郎 編集:少年B)

提供元・Workship MAGAZINE

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