大手うどんチェーンといえば、多くの人が「丸亀製麺」と「はなまるうどん」を挙げるだろう。両者は「味」を競っているのはもちろんだが、「売上」や「店舗数」でも真剣勝負を繰り広げている。その視点で両チェーンの現状を紹介していこう。
「丸亀製麺」の売上高・店舗数の推移は?
丸亀製麺の現状から分析していこう。丸亀製麺を展開しているのは、外食大手のトリドールホールディングス。同社が展開する飲食店で店舗数が最も多いのは丸亀製麺だ。
トリドールホールディングスは上場しているため、丸亀製麺セグメントの売上高を会計年度ごとに公表する有価証券報告書や四半期ごとに発表する決算短信で明らかにしている。
過去の会計年度ごとに発表された丸亀製麺セグメントの売上高と店舗数の推移は以下のとおりだ。
会計年度 | 売上高 | 店舗数 |
---|---|---|
2021年3月期 | 809億9,500万円 | 855店舗 |
2020年3月期 | 956億4,100万円 | 845店舗 |
2019年3月期 | 899億4,400万円 | 817店舗 |
2018年3月期 | 903億7,900万円 | 792店舗 |
2017年3月期 | 855億9,800万円 | 778店舗 |
2016年3月期 | 824億2,300万円 | 775店舗 |
2015年3月期 | 771億8,300万円 | 779店舗 |
2014年3月期 | 708億5,000万円 | 774店舗 |
2013年3月期 | 646億3,000万円 | 690店舗 |
2012年3月期 | 550億9,900万円 | 561店舗 |
「2021年3月期」とは「2020年4月〜2021年3月」のことで、売上高は同期間のもの、店舗数は期末(2021年3月末)時点のものだ。
コロナ禍の影響を受けた2021年3月期は前期から大きく売上高を落としているが、過去10年間の売上高を振り返ると、基本的には右肩上がりだ。コロナ禍がなければ、丸亀製麺単独で売上高1,000億円を達成していたかもしれない。
店舗数も2016年3月期を除いて増え続けており、10年間で561店舗から855店舗へと294店舗も増やしている。
「はなまるうどん」の売上高・店舗数の推移は?
一方、はなまるうどんの売上高と店舗数の推移はどうだろうか。
はなまるうどんを展開しているのは「株式会社はなまる」で、2012年12月に吉野家ホールディングスの完全子会社となった。そのため、業績は吉野家ホールディングスからも、株式会社はなまるからも発表されている。売上高と店舗数の推移は以下のとおり。
会計年度 | 売上高 | 店舗数 |
---|---|---|
2021年2月期 | 203億6,200万円 | 490店舗 |
2020年2月期 | 308億9,300万円 | 522店舗 |
2019年2月期 | 290億600万円 | 512店舗 |
2018年2月期 | 270億5,700万円 | 479店舗 |
2017年2月期 | 238億8,000万円 | 432店舗 |
2016年2月期 | 215億1,000万円 | 390店舗 |
2015年2月期 | 201億7,500万円 | 371店舗 |
2014年2月期 | 181億4,400万円 | 341店舗 |
2013年2月期 | 192億7,900万円 | 327店舗 |
2012年2月期 | 155億7,300万円 | 312店舗 |
はなまるうどんの売上高と店舗数も、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2021年2月期(2020年3月〜2021年2月)を除けば、基本的には右肩上がりだ。
丸亀製麺とはなまるうどんを4項目で比較すると……
直近の会計年度の売上高と店舗数、さらに10年間での伸び率を算出して比較すると、以下のようになる。
チェーン | 売上高 | 10年間の伸び率 | 店舗数 | 10年間の伸び率 |
---|---|---|---|---|
丸亀製麺 | 809億9,500万円 | 46.9%増 | 855店舗 | 52.4%増 |
はなまるうどん | 203億6,200万円 | 30.7%増 | 490店舗 | 57.0%増 |
丸亀製麺は「売上高」「売上高の10年間の伸び率」「店舗数」ではなまるうどんに勝っているが、「店舗数の10年間での伸び率」だけは、はなまるうどんに軍配が上がる。丸亀製麺の3勝1敗という結果だ。
今後の両チェーンの業績に注目
結果的に丸亀製麺の優位性が際立ったが、はなまるうどんも天ぷらをお得に食べられる「天ぷら定期券」などの施策を実施し、ファンの獲得に余念がない。
今後両うどんチェーンの業績がどのように変化していくか、引き続き注目したい。
文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。
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