Q7. 「男系の皇統」というのはあるんですか?
天皇家を男系と定めたのも明治時代です。皇室典範で天皇を「男系男子」と定めたことから、それまでの天皇の系図をさかのぼって、つじつまをあわせたのです。
日本書紀以降の天皇が原則として男系で継承されたことは事実ですが、14世紀の南北朝で分裂し、江戸時代には「おくりな」もなくなりました。そういう実態のない天皇家の系図を明治政府が再編成し、万世一系とか男系男子という「皇統」をつくったのです。
Q8. 女系天皇はいなかったんですか?
持統天皇や推古天皇などの女帝はいました。これは例外的な「男系天皇のつなぎ」とされていますが、その系図は疑問です。古事記では、女帝は異例の出来事という扱いではありません。日本の家系は古代には女系だったと考えられています。
ヒミコは女性だったし、天照大神(神話上の天皇の祖先)が女神だったことも、初期の天皇家が女系だったことを暗示しています。平安時代の天皇の多くは藤原家のむこだったので、実質的には女系で継承されていました。