CO2を除去する機械仕掛けの木
Carbon Collect社が開発している機械仕掛けの木は、一見、円柱型の黒いかたまりに見えます。
しかし実際は、複数の円盤から成り立っています。
化学樹脂でコーティングされた直径3mの円盤を、5cmの隙間をあけて積み重ねているのです。
ちょうどタワー型CDラックのような構造だと言えるでしょう。
そしてその隙間を風(空気)が吹き抜けることで、それぞれの円盤がCO2を吸収。
20分ほどで円盤はCO2でいっぱいになります。
その後円盤は「機械仕掛けの木」の下部にいったん収納され、水や水蒸気が追加されます。
素材の性質によりCO2が放出されるので、大気からCO2だけを抽出したことになるのです。
では、この仕組みで取り出したCO2はどうなるのでしょうか?
ラックナー氏は、「CO2を鉱物化させる」ことを提案しています。
抽出したCO2とカルシウムを多く含む鉱物を反応させることで、固体の炭酸塩を形成させるのです。
これにより「ほぼ無限に近い量の炭素を永久保存できる」とのこと。
また、「回収したCO2を再利用する」方法も提案しています。
回収したCO2と水素を混合して合成燃料を作るのです。
CO2を再利用し続けるなら、空気中のCO2増加を防げるでしょう。
とはいえ、この機械仕掛けの木が1本あるだけでは、空気中のCO2量はほとんど変わりません。
そのためCarbon Collect社は、大規模なプロジェクトを進行させています。