現在、世界各国が地球温暖化の原因であるCO2問題に頭を悩ませています。

そこで、アメリカ・アリゾナ州立大学(ASU)と提携して設立された会社「Carbon Collect(カーボン・コレクト)」は、「CO2を減らす機械の木」を開発することにしました。

世界中に機械仕掛けの木を設置することで、空気中のCO2を回収して保管・変換できるというのです。

この大規模なプロジェクトについて、Carbon Collect社の科学顧問であるクラウス・ラックナー氏が解説しています。

目次

空気中のCO2除去が必要
CO2を除去する機械仕掛けの木
世界中に機械仕掛けの森をつくるプロジェクト

空気中のCO2除去が必要

「機械仕掛けの木」でCO2を除去するプロジェクト
(画像=大気中のCO2を除去する取り組みが必要 / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

人類が化石燃料を使用してきた結果、CO2による地球温暖化が進みました。

そのため世界各国は、CO2排出量を削減しようとしています。

しかしラックナー氏によると、「現在の取り組みだけでは、地球温暖化を止めることはできない」ようです。

大気中には大量のCO2が存在しているため、排出量を減らすだけでなく、「大気中から除去しなければいけない」のです。

では、どのようにして大気中のCO2を除去できるのでしょうか?

以前からいくつかの方法は見つかっていましたが、どれもエネルギー消費が激しく現実的ではありませんでした。

そこでCarbon Collect社が目を付けたのが、乾燥するとCO2を吸収し、濡れると放出する素材です。

開発チームは、素材に風を当てるだけでCO2が蓄積されることに気づきました。

この性質を利用するなら、エネルギー消費を抑えつつ、空気中からCO2を除去できるかもしれません。

そしてCarbon Collect社は、このシステムを組み込んだ「機械仕掛けの木」を開発することで、世界からCO2を除去するという壮大なプロジェクトを立ち上げました。