目次
資産寿命の延命策①「収入を増やす」
資産寿命の延命策②「支出を減らす」
資産寿命の延命策①「収入を増やす」
前章では、ゆとりある老後生活を営むためには、資産寿命を意識せざるを得ないこと、一つの目安としてリタイアするまでに2,000万円の金融資産を準備する必要があることを解説しました。
資産寿命の延命のためにできることは、3つしかありません。
それは、「収入を増やすこと」「支出を減らすこと」「資産運用すること」です。
定年延長、再雇用の流れが加速
資産寿命を延命させるためにまず考えられることは、定年の延長や定年後再雇用制度によって、無収入期間を短くする、もしくはなくすということです。
少子高齢社会となった日本では、この定年延長・再雇用の流れが強まっています。
ただ、雇用する企業側の負担が大きいという問題や現役世代と仕事を奪い合うことになる問題など調整が必要な部分も存在します。
サラリーマンの昇給はより困難に
現在勤めている会社で、給料の大幅な増額を実現できれば話は簡単です。
しかし、日本企業を取り巻く状況を鑑みると、困難だと言わざるを得ません。
事実、日本のサラリーマン・OLの給料は思うように増えていないのが現状です。
それどころか、OECD(経済協力開発機構)加盟諸国の統計によりますと、1994年と2018年の名目賃金を比較した上昇率は、主要13ヶ国中日本だけが-4.54%とマイナスになっています。
「戦後最長の好景気」と言われていても、この数字なのです。
今後、特に成長が芳しくない産業分野の企業では、大幅な昇給はより難しくなっていくでしょう。
給料の良い職種・企業への転職
収入を増やすために考えられるのは、給料の高い職種や企業への転職です。
勉強して資格を取ったり、スキルアップしたりすることでより高収入を得ることが可能な職種・企業で活躍するということです。
自己投資は、ご自身の未来を輝かせるためには大切なことです。
ただ、新型コロナウイルスによる影響で、ここ最近の雇用環境は悪化しつつあります。
緩やかな景気回復の中で、しばらく続いた雇用者の「売り手市場」が一変したかのようです。
転職活動をご検討の方は、転職時期の判断も必要になるでしょう。
副業に挑戦
本業をしつつ、副業を始めるという方法もあります。政府も副業を推奨していることもあり、近年では副業がブームとなっているようです。
ただし、副業とはいえ事業であることに変わりはありませんので、リスクが伴います。
また、当然ながら副業するための時間、専門的知識、資金が必要になります。
資産寿命の延命策②「支出を減らす」
収入を増やすことよりも確実にできることがあります。それは月々の支出を減らすことです。
そうは言っても、今の生活水準を下げたくないですよね。
生活の質は維持しつつ、合理的に支出を減らす方法を探っていきましょう。
ポイントとしては、毎月必ず出ていく固定費を見直すという点です。
住宅ローンの見直し
持ち家を所有されている方の多くは、毎月住宅ローンを支払っているのではないでしょうか。
この住宅ローンが家計の出費の中で一番重い支出になっている場合が多いので、見直す価値は大いにあるでしょう。
近年、多くの金融機関から住宅ローン商品が提供されており、史上最低レベルの低金利状態が続いています。商品によっては年利0.5%以下のものあるようです。
住宅ローンは融資金額が大きいので、金利が少し下がるだけでも月々の返済額が大きく変わります。
現在支払っている住宅ローンの金利と比べて良い条件があれば、住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。
家賃の見直し
持ち家でなく賃貸住宅に住んでいるのであれば、月々支払っている家賃を見直してみましょう。
SUUMOやHOME’Sなどの賃貸情報サイトで自分が住んでいる物件の家賃相場を調べて、オーナーに家賃交渉をしてみましょう。
一般的に賃貸物件は、築年数が古くなるにしたがって家賃は下がります。
同じ部屋に何年間か住んでいる場合、新しい入居者はより安い家賃で入居している可能性があります。
また、間取りや駅からの距離など、利便性が変わらないのに家賃や管理料の安い物件があるかもしれません。
その際には、引っ越しを検討するのもよいでしょう。
保険の見直し
意外と見落とされがちなのが各種保険料です。
深く考えず言われるがままに加入しており、月々の保険料が家計を圧迫していた、などという話をよく聞きます。
たとえば生命保険(死亡保険)ですが、貯蓄型や外貨建てなど投資とセットになっている保険商品の中には、コストパフォーマンスが悪いものがあります。
医療保険も本当に必要なのか検討しましょう。
日本は公的医療保険が充実していますので、実は保険をかけすぎていたということもありえます。
火災保険はWebサイトの一括見積もりサービスを利用して、各社から見積もりを取ってみましょう。
より保険料の安い火災保険を見つけることができたなら、契約変更を検討するとよいでしょう。
自動車保険は、他社の保険への乗り換え検討や車両保険などのオプションを見直ししてみましょう。
ただし、解約や乗り換えを行う際、保険期間中に事故があった場合など、割引率が下がってしまうケースもあるので注意しましょう。
携帯電話の見直し
大手キャリアを利用されている方は、格安スマートフォンや格安SIMヘ切り替えると大幅に節約できる可能性があります。
各社から様々なサービスが提供されていますので、じっくり比較することをおすすめします。