温泉はあくまで「趣味」でいたい

少年B:
永井さんは現在、メディアに寄稿されたり、本を出版されたりしていますよね。趣味で発信していた「温泉オタク」活動が仕事になったのはなぜですか?

永井:
じゃらんやYahoo!ニュースにいたので、周りに編集者の友達がけっこういたんですよ。Twitterに温泉のことをアップしてたら、友達経由で「温泉のこと書いてみない?」って言われることが多くて。そういう意味ではありがたい環境だったのかもしれません。

少年B:
そうするとだんだん副業の割合が大きくなっていって……?

「趣味だから、やりたい仕事を選んで受ける」温泉オタクの仕事スタンス
(画像=じきるう、『Workship MAGAZINE』より引用)

永井:
いえ、大きくなっているという感覚はないんです。もちろん、本が出たってことはありがたいんですけど、基本的には会社員なので。温泉の活動はやれるときにやる、っていう感じで、あくまで趣味として続けていくつもりです。

少年B:
「好きなことで生きていく」みたいな考えかたもありますが、本業にしたいという思いはないんですか?

永井:
「仕事にする」ってなると嫌いになっちゃうような気がして。自分がいいと思ったものだけを書ける、いまの環境がいいですね。本業の仕事を侵食しない程度に、楽しみながらやりたいです。

少年B:
なるほど……。

「趣味だから、やりたい仕事を選んで受ける」温泉オタクの仕事スタンス
(画像=じきるう、『Workship MAGAZINE』より引用)

永井:
あと、オタクなので、「自分で稼いだお金を推しの温泉に課金したい」って気持ちがあるんですよ。だから、本業はやめないと思います。

少年B:
まさしく正しいオタクのお金の使い方……! めちゃめちゃわかる気がしますね……!

永井:
だから私の「温泉オタク」活動の収支って、じつはめちゃくちゃ赤字なんです。この連載に出て大丈夫かなと不安なんですけど(笑)

永井さんの考える温泉の魅力とは?

少年B:
そんな温泉オタクの永井さんが考える、「温泉の魅力」とは何ですか?

永井:
「知らなかったものに出会える」ってのは大きいですよね。たとえば青森県の古遠部(ふるとおべ)温泉なんかは湯船からお湯が川みたいに流れていて、「こんなとこある???」って思いますし。

「趣味だから、やりたい仕事を選んで受ける」温泉オタクの仕事スタンス
(画像=▲古遠部温泉の湯船(永井さん提供)、じきるう、『Workship MAGAZINE』より引用)

永井:
他にもその町で大事にされている古くからの温泉があったり、泥みたいな温泉なんだけどこれがツルツルでめちゃくちゃ気持ちいいとか、なんかそういう冒険感とか、一つ一つの温泉って違うので、いろんなところに行って知識が溜まっていくところとか。コレクションに近いかもしれないですね。

少年B:
ああ、すごくわかります。だから1ヶ所じゃなくて、いろんなところを巡りたくなるというか。行ったところをメモして、個人的なお気に入り度をつけたり……。

永井:
私もエクセルでまとめたシートがあります! これは見せられないんですけど、そのシート見て紹介する場所を決めたりしますね。

少年B:
永井さんも! これ、温泉オタクあるあるなのかも……? 永井さんの「推し」の温泉はどこですか?

「趣味だから、やりたい仕事を選んで受ける」温泉オタクの仕事スタンス
(画像=▲永井さんの推し温泉のひとつ、蔦温泉(永井さん提供)、じきるう、『Workship MAGAZINE』より引用)

永井:
出版した本の最初にも載せてるんですが、蔦(つた)温泉とか、湯川内(ゆがわち)温泉とか好きですね。ぬるくて足元から湧いてる温泉が好きなんです。

少年B:
足元から湧いた温泉、お湯が新鮮でいいんですよね。蔦温泉は行ったことがあります! 湯川内温泉は行けてないんですが、すごく評判がいいところですよね……!

「趣味だから、やりたい仕事を選んで受ける」温泉オタクの仕事スタンス
(画像=▲蔦温泉の湯船。浴槽の床からお湯が湧いている(永井さん提供)、じきるう、『Workship MAGAZINE』より引用)