何もできないなら、何もしなきゃいい
少年B:
高岩さんのこれからの仕事の展望や夢があれば教えてください。
高岩:
演出をやってみたいですね。キャリアを積んでくると監督から指導されることも減って、「高岩さんにおまかせします」になってくるんです。すると、そこに自分なりの演出が入ってくる。カメラアングルがこうだから、こうやってみようとか。
だから、演出としてひと作品作ってみたいなと思ってます。舞台でもテレビでもいいけど、欲を言えば、仮面ライダーを撮ってみたい。胃に穴があくかもしれないけど(笑)

少年B:
高岩さんの演出する仮面ライダー、見てみたいですね。では最後に、自分の個性が見つからない、専門性を身につけたいと悩んでいる人に一言お願いします。
高岩:
うーん……。自分のキャリアはたまたまだと思ってます。先のことは考えず「真田広之さんみたいになりてぇ」だけでこの世界に入ったので、やりたいことをやっただけ。だから、やりたいことをやるのがいいんじゃないかな。
ただ、スーツアクターの仕事は最初は嫌だったけど、続けていくうちに好きになっていった。いま思うと、「あれは食わず嫌いだったんだな」とも思うんです。だから、「これ不味そうだな」と思っても、一口かじってみるのも大切だよね。意外とうまいかもしれないよ。

少年B:
何がやりたいか見つからない人はどうすればいいでしょう。
高岩:
ああ、うちの息子もそうでした。でも、その時は「じゃあ何もしなければいいんじゃないの?」って言った気がします。
少年B:
えっ!? 何もしなくてもいいんですか???
高岩:
だって、それは「何もしない」ということをしているじゃないですか。それに、死ぬまで何もない人なんていないですよ。遅かれ早かれ、何かしらは絶対見つかる。
だから、「何もしてない、何もできてない」って焦る必要はないし、周りが煽っても仕方ない。待つしかない。周りがせわしないと、どうしても焦っちゃうけど、そこに囚われないようにするしかないです。行く人には先に行ってもらって、止まってる人はしばらく止まっていてもいいんですよ。

【記事のまとめ】
- 後先考えず、「アクション俳優になりたい」という想いを貫いた結果、今がある
- 演技のなかの違和感に気付いたことで唯一無二の存在に
- 食わず嫌いせず、嫌だなと思っていてもやってみたら楽しいかもしれない
- 「何もできていない」は悪じゃない。自分のペースで進めばいい
(執筆:少年B 編集:泉 撮影:じきるう)
【関連記事】
・フリーランスで爆死しないためのリスクマネジメント ?独立、その前に!?
・仕事の名義、正解ってあるの? ~フリーランス、名義をどうするか問題~
・フリーランスの名刺論 ?それ、覚えてもらえる名刺ですか?~
・"祈られない" 営業方法 ~提案の正解、たぶんこれです~
・フリーランスのアンガーマネジメント ~ちょっと待て、その一言がブタのもと~