Q4. 炭素税はどれぐらいかかるんですか?
2050年にCO2の排出を実質ゼロにするという政府の目標を実現するには、ガソリンが170円になる程度では足りません。IEA(国際エネルギー機関)は、化石燃料への投資をゼロにして、その消費を90%減らさないといけないと試算しています。
ガソリンの消費を90%減らすには1リットル300円以上にし、ガソリンエンジンの自家用車は廃止するしかありません。電気代は2倍以上になります。再エネ100%にすると、電気代は4倍になります。
Q5. それなのに170円になったら補助金を出すのはどうしてですか?
世界的に資源価格が上がっているので、石油元売りの赤字を補填して卸値を下げる一時しのぎですが、資源価格が上がるのは一時的な現象ではありません。その原因は国連の「化石燃料への投資をゼロにする」という方針ですから、これが変わらない限り資源インフレは続きます。
ガソリンは原油を精製してつくるので、石油精製工場が減ると、ガソリンの供給が減って値段が上がるのです。脱炭素化とかカーボンプライスとか、わかりにくいことばを使っているから、岸田首相にも脱炭素化で家計負担が激増することが実感としてわからないのでしょう。
Q6. ガソリンが値上がりしたら、生活は苦しくなりますね?
でもそれが脱炭素化です。CO2を急激に減らすと、家計負担とのトレードオフ(あちら立てればこちらが立たず)がおこるのです。岸田さんは気候変動対策で「環境と経済成長の好循環」が起こるといっていますが、どういう好循環が起こるのか、具体的に示したことがありません。