ガソリン価格が1リットル170円を上回り、政府は価格をおさえるために石油元売りに補助金を出すことを決めました。他方で政府は、脱炭素化で化石燃料の消費を減らす方針です。これはいったいどうなってるんでしょうか。
Q1. 脱炭素化って何ですか?
これは炭素を減らすことではなく、CO2(二酸化炭素)を減らすことです。具体的には、燃やすとCO2の出る化石燃料の消費を減らし、CO2が出ないようにすることです。
Q2. 化石燃料って何ですか?
遺跡を発掘して出てくる化石と同じように、地球に昔くらしていた生物が分解されて地下に沈み、圧縮されたり熱で温められたりして、燃えやすい成分に変化したのが化石燃料です。そのうち石油は微生物が圧縮されて液体になったものです。これを精製してガソリンや重油や灯油などをつくるので、ガソリンも化石燃料です。
Q3. 化石燃料の排出を減らすにはどうすればいいんですか?
いろんな方法がありますが、いちばん簡単なのは、化石燃料に税金をかける炭素税(カーボンプライス)です。たとえばガソリンに100%の炭素税をかければ、値段は2倍になるので、ドライバーのみなさんがガソリンを使わなくなってCO2の排出が減るわけです。タバコをなくすためにタバコ税を上げるのと同じです。
しかし増税は政治的に人気がないので、日本政府は石炭火力やガソリン車の禁止などの裁量的規制でCO2を減らそうとしています。これはコストがかからないようにみえますが、日本から製造業が逃げ出して雇用が失われ、国民はもっと大きなコストを負担することになります。