2019年8月にレクサスRXのマイナーチェンジが行なわれ、ハイブリッドモデル2機種に試乗してきたのでお伝えしよう。

スポーツらしくなった

最初に試乗したのはRX450h F SPORTで3.5L(2GR-FXS)・V型6気筒のハイブリッドでE-Fourを搭載しリヤ駆動するモデル。装着タイヤは235/55-20でFスポーツ専用アルミホイールを履いていた。

試乗エリアはいつもの箱根と高速道路で、日常使いの中でもワインディングが走行できたので、性格は掴みやすかった。

高級車らしくフワッとしている部分があり、高級感があるのだがフラフラしない。こうした柔らかな印象のモデルはコーナー入り口の初動でゆったりと動き、ロールが大きくなっていくというのが一般的で、特にSUV、クロスオーバーなどの車高の高いモデルだと、その傾向はより顕著に現れてくる。

しかし試乗しているFスポーツは、しっかり減衰されていて車体が安定するのだ。そこからステアリングを切り込んでいくと回頭性の高さにも驚かされる。「変わったなぁ~RX」という印象を受けた。

 
アルファロメオのステルヴィオ やBMW X3などハンドリングの歯切れの良さが際立ってきているミッドサイズのSUVが増えてきている中、「Fスポーツ」を名乗るだけにこれまで以上にスポーティに仕上げてきたというのがマイナーチェンジのポイントになるだろう。
 

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RX450hL versionLにも試乗。F SPORTとの違いはより明確になった(画像=AUTO PROVE)

ラグジュアリーを強化

一方で、同じパワーユニットの3.5LエンジンのAWDモデル「バージョンL」では、そうしたスポーティさは影を潜め、高級感を追求した仕様になっていた。

全体にゆったりとし豪華な印象を受ける乗り心地だ。ボディ剛性が上がって全体のしっかり感が増した新型RXは、その使い道をスポーツとラグジュアリーに使い分けてきたという印象だ。ワインディングを走るとFスポーツとは明確に性格が異なっていることがわかる。

先にFスポーツに試乗してしまうと「もう少ししっかりしたほうがええんちゃう?」という印象になるし、逆の試乗順であれば「レクサスにはこのゆったりとした豪華さが似合うなぁ」という印象に変わるだろう。特に乗り心地でも初期のダンパーフリクションがなく、サスペンションのしなやかさが印象に残るのだ。だから当然Fスポーツよりはロールが大きくなる。
 

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スピンドルグリルの細かな造形も変更し、よりプレミアム感をますように意匠変更している(画像=AUTO PROVE)

レクサスブランドとは

試乗の前にプレゼンテーションがあり、レクサスブランド全体に共通する性能追求の話があった。そこではレクサスはノイズ、振動、乗り心地に優れた初代LSをオマージュしつつ、ノイズを除去したエンジンサウンドが楽しめ、かつ違和感のないボディの動きが気持ちのいい走りにつながり、この2つの要素で「運転していて楽しい」クルマづくりを目指している、ということだ。

また、モータースポーツにも言及し、クルマを鍛えること、対話できるクルマを造ること目指すためにも重要な位置づけになると。さらに電動化では、メカ駆動では実現できない新しい次世代のダイレクトでリニアな走行感覚を持つ新たなクルマ造りに挑戦中だとも付け加えていた。

RXの目指した改良

ラグジュアリーSUVのパイオニア、新しい市場開拓など新しい価値を提供できたと自負しているというRX。このマイナーチェンジでは、現在持っている強みをさらに進化させることでより洗練されたモデルにしていくことだという。

 
主な改良点はデザインと動力性能、そしてナビの進化という3つのポイントを挙げていた。
 

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ナビモニターの位置を変更し、手が届きタッチ操作ができるように変更した(画像=AUTO PROVE)

エクステリアデザインでは、エレガントさを強調し全体を洗練することに注力したという。ヘッドライトは3眼ランプにし、スピンドルグリルは細やかな形やサイズ、フォグランプの位置など全て見直しをしている。リヤのテールランプもL字をモチーフにした新意匠に変更した。またインテリアでは、ナビの変更に伴い、USBの数を増やしたり、細かな改良を加えている。

動力性能のポイントではパワートレーンの変更ではなく、ダイナミック性能においてよりアグレッシブに豪華になるようにサスペンションとボディ剛性の変更がポイントになるだろう。

リニアな応答性能と上質な乗り心地が改良のポイントで、構造用接着剤とスポット溶接を追加している。サスペンションのハブベアリングのプリロードを高めるなど剛性向上を狙い、ロール剛性もアップさせている。

アッパーボディでは接着長を2.3m長くし、アンダーボディでも1.9m追加している。さらにスポット溶接では14箇所追加し、ボディ全体の剛性をあげ、ダンパー、スプリングなどのサスペンションの可動域がより有効となるようにしている。

特にダンパーではフリクションコントロールダンパーを採用し、微低速域での抵抗感をなくすダンパーが採用されていた。またFスポーツではABS制御の見直しも行い、VDCなどの稼働範囲がよりドライバーの意図に近づくように変更されている。

ハイビームで走行しよう

これから順次レクサスのモデルに搭載されていく新しいヘッドライトユニットも紹介された。ヘッドライトのハイビームが通常の走行ビームで、ロービームは対向車などがきた時の防眩用というのが本来の使い方だが、実際は交通量の多さからロービームが走行ビームになっている。

そうしたことから、ハイビームを通常走行時でも使えるように近年各社工夫してきているが、RXに搭載するヘッドランプから性能が向上したタイプが搭載された。
 

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新しいAHSを搭載したヘッドランプ。ハイビームが走行ビームとなるように工夫された(画像=AUTO PROVE)

ブレードスキャン方式というのがその新タイプのヘッドランプで「AHS=オートマチックヘッドランプシステム」となった。

従来はAHBでオートマチックハイビームだったが作動率は20%程度だったという。新タイプのAHSでの作動率は85%まで向上するという。

 
このAHSはシャッター式から2015年にLEDの点滅式になり、AHSでは点滅速度が50マイクロ秒、つまり0,00005秒の速度で点滅する。RXには3眼のLEDのさらに内側にLEDを設置し、これがハイビーム用のヘッドランプになっている。3眼はじつはロービーム用で使われているのだ。

これまでの進化の歴史を辿ると、2012年LS搭載のヘッドランプは3分割のシャッター式。15年のRXでLED点滅式になり22分割になった。17年のLSで上下に分割した48分割まで進化し、そして今回19年のRXでは400分割にし、片側12個のLEDを使用して対応する。

そして照射範囲をマスクする方法だが、判別はカメラと車速センサー、舵角センサーのデータをECUで演算し、照射範囲を決めている。車速は15km/hから対応が可能ということで、85%の作動率からも走行中は常にハイビームで走行できそうだ。

残念ながら試乗は昼間の時間帯なので、実際の走行テストはできていないが、夜間の歩行者の発見がいち早くできるようになったということだ。
 

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versionLのリヤビュー。20インチを装着しブラックに見えるがブロンズカラーの切削光輝ホイールを履く(画像=AUTO PROVE)

ディスプレイオーディオ

インテリアではディスプレイオーディオの搭載のほか、細かな変更が行なわれている。ナビはタッッチ操作ができるように、ドライバー側へ前進しタッチ操作が可能になった。もちろんAndroid Auto Apple car playの利用が可能となった。この変更にともない、スマホの置く場所を追加し、USBも追加されている。

 
RX450hLにキャプテンシートをオプション設定し広々した室内、カップホルダー、アームレスト、スライド&リクライニング機構を設定し快適性を高めている。そしてサードシートに2種類のシートポジションを設け、荷室重視の状況に対応できるように変更していた。<レポート:高橋明/Akita Takahashi>

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(画像=AUTO PROVE)

*10%消費税がリリースされておらず、8%消費税で掲載しています。ご注意ください

提供元・AUTO PROVE

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