1905年、アメリカ中西部に位置するアメリカ・ミネソタ州の人口3万人の小さな街、レッド・ウィング・シティで産声を上げたレッド・ウィング。上質なレザーを用いたその堅牢なブーツは、瞬く間に労働者の間に広まり、ワークブーツメーカーとしての地位を確立していった。
第二次世界大戦が終結し、未曽有の好景気に沸く1950年、レッド・ウィングにハンティングブーツの商品ライン「アイリッシュセッター」が加わることに。中でも水の浸入を防ぐアッパーのパターンとクッションクレープソール(現在のトラクショントレッドソール)を備えた8インチ丈の「877」は、その耐久性と優れた履き心地で、ハンティングというジャンルを超え様々なアウトドアユースで人気を博すことになった。
いまこの記事を開いているあなたは、おそらく高い確率でレッド・ウィングのブーツを1足以上持っている人、もしくはかつて履いたことのある人、もしかしたら、ずっと気になっていて、これからレッド・ウィングを履いてみようという人もいるのかもしれない。
アメリカのアウトドアやワークシーンを支えたレッド・ウィングをファッションアイテムに昇華させた日本の功績はとても大きく、「877」やその派生型である6インチ丈の「875」、エンジニアやペコスなど、レッド・ウィングはいつもストリートファッションの中心であり続けた。
そんなファッションアイテムとして愛されてきたレッド・ウィング人気モデルの紹介から、コーディネイト、メンテナンスまで、レッド・ウィングにまつわるあらゆる情報をお届けする。まずは、レッド・ウィングの定番の人気モデルを紹介しよう。
【レッド・ウィング定番1】ペコスブーツ
1953年に誕生した「ペコスブーツ」は、脱ぎ着が簡単なプルオンブーツということで人気のモデル。もともとファーマーのために生まれたブーツで、牛を誘導するときの乗馬に適した高いヒール、鞍にブーツを引っ掛けないための、シューレースが省かれたデザインを有し、当時からワークギアとして高い完成度を誇っていた。9インチと11インチで展開されている。
【レッド・ウィング定番2】ベックマンブーツ
創業者の名を冠した「ベックマンブーツ」。ワークブーツのイメージの強いレッド・ウィングにあって、ドレスシューズとして人気を集めているモデル。ベックマン氏が活躍していた1910年を彷彿とさせる、クラシカルな雰囲気が魅力。高品質なフェザーストーンレザーもこのモデルのみに作られるのが特徴となっており、キレイ目なファッションとの相性も◎。
【レッド・ウィング定番3】ポストマンシューズ
レッド・ウィングがポストマンとポリスマンのために開発し、1954年に発売。毎日何マイルも歩くポストマンにとって、クッション性の高いソールの「101」は頼もしい存在だった。その後一度姿を消したが、現在は復刻され、レッド・ウィングの疲れない短靴として認知されている。
【レッド・ウィング定番4】エンジニアブーツ
鉄道機関士のために誕生した「エンジニアブーツ」は、アンクルを確実にホールドする極太のベルト、レッド・ウィングが採用し急速に普及した衝撃から足元を守る肉厚のスティール・トゥ、そしてフィールドに合わせて選択可能なソールが特徴。その無骨なフォルムとタフさでバイカーなどからも熱い支持を集めている人気モデルのひとつだ。
【レッド・ウィング定番5】アイリッシュセッター「875」
数あるアイリッシュセッターのモデルの中で最初期に誕生し、今もなおロングセラーとなっている「875」。1990年代に日本でアメカジが大流行したとき火がつき、ブームとなったことでご存じの方も多いだろう。キングオブワークブーツと謳われるワークブーツの代名詞は、今もなおアメカジにはなくてはならない存在となっている。
レッド・ウィングの短靴も気になる!
ここまでで紹介した人気定番モデルの多くがブーツであるように、レッド・ウィング=ブーツという認識の人も多いかもしれない。が、しかし。ここ最近、レッド・ウィングの短靴が歩きやすく、カッコイイと注目されている。特に注目したい、デニムに合う人気短靴3モデルは要チェックだ。
レッド・ウィングのブーツ、サイズってどう選べばいい?
さて、ブーツ選びはサイズが大事というのは皆さんご存じのことと思うが、レッド・ウィングならではのサイズ選びも気になるところ。実は直営店ではモデルによってワイズも選ぶことが可能なのを知っているだろうか? この直営店で可能となったワイズセレクトを利用して最高のフィット感を得るのもいいだろうし、ネット派ならば、自分で正確なサイズを測ってみるのもいいだろう。ブーツ選びはとにかく「フィット感」これに限る。店舗でも自分でも構わないので、とにかく正確なサイズを知るべし。
レッド・ウィング、どんなコーディネイトがカッコいい?
レッド・ウィングが主役、脇役になったコーディネイトを紹介! このモデルのブーツなら、こんなコーディネイトが合うな、なんて考えてみるのも面白い。こだわりのブーツやシューズに、どんなこだわりを持ってファッションを合わせるか、参考にしてみてはいかがだろうか?
1.#875 アイリッシュセッター×「ベルベルジン」ディレクター 藤原裕さん
ヴィンテージショップの名店で知られるベルベルジンのディレクターであり、自身でもヴィンテージ本の監修を行なうなど幅広い活躍を見せる藤原さん。ジーンズと同じく、永遠の定番だと言わしめるレッド・ウィングは、#875、エンジニア、ポストマンなどスタイルに応じて履き分けているという。いずれも彼らしくオールドのものをチョイスしている。
2.11”エンジニア ブーツ×「ミスターブラザーズカットクラブ」ヘアスタイリスト 城間健士さん
白シャツ×グラッドハンドの太めのデニムパンツという無骨なアメカジに良く似合うエンジニアブーツ。ワンサイズオーバーのデニムパンツは、ブーツのフォルムをきれいに見せるためにロールアップはしない主義。履き込まれたエンジニアブーツに血がこびりついてしまったのも味だ。
3.ポストマンシューズ×「hallela」オーナー 加瀬敬孝さん
東京・中目黒にあるアパレル、雑貨などライフスタイルを提案する「hallela」を営む加瀬さん。ベージュを中心にアースカラーのみで作られた、ラフでありながらも、ワントーンで統一されたリラックス感のあるコーディネイトが目を惹く。「Postman Chukka」着用。
4.ベックマンブーツ×ショップオーナー 高橋優太さん
ラフ、リラックスといったスタイルを好む高橋さん。頑張りすぎないことがこだわりだとか。この日、カモフラージュのアウター以外、トップス、パンツをブラックで統一したシックなスタイルに合わせたのはシンプルなベックマン「9014」。
5.ペコスブーツ×「ウエアハウス」プレス 藤木将己さん
藤木さんが愛用するレッド・ウィングは、ヴィンテージ店で見つけたアジが出まくったペコスブーツ「9”Pecos/Cushion-sole」。「シャフトが太いブーツには、テイパードのない裾幅のデニムパンツを選ぶと、きれいなシルエットになります」
もっと見たい方は、各シューズの紹介ページをご覧ください!
レッド・ウィングの気になるお手入れ、簡単にできる?
一生モノのレッド・ウィングだからこそ、きちんとした手入れが必要になってくる。レザーによって使うオイルなど変わってくるが、基本となるプロセスはほぼ同じ。まず最初に、オイルの入れすぎによる変色の心配が少ないで初心者でも手入れしやすい「875」を例にとってマスターしてみるといいだろう。使用するクリームも「オールナチュラル・レザーコンディショナー」は失敗が少ないので、初心者にオススメ。
気になるブーツを体験しに、レッド・ウィングの直営店舗へ行ってみよう!
レッド・ウィングの直営店は現在、東京・大阪・仙台の3店舗展開されている。直営店の魅力はサイズについての記事でもふれたが、ワイズセレクトができることと、細かくサイズを見てもらえることだろう。これは直営店ならではのサービスとなっており、特に履いてみてから選びたいブーツにあっては、訪れる価値はあるだろう。サイズ選びに不安な人はぜひ訪れてみてほしい。
お問合せ先/www.redwingshoe.co.jp
※情報は雑誌掲載時のものとなり、現在品番変更、後継モデル、終売の場合があります。
(出典:別冊2nd「ザ・レッド・ウィング・ブック」、別冊Lightning「RED WING BIBLE」)
Lightning編集部
モヒカン小川
幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい
提供元・FUNQ/Lightning
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