カリスマ栄養士のシンプル食事術

40代になると、疲れと同時にメタボを気にして食べる量を減らしたり、糖質制限をしたり、食事に制限を設けている人も多いだろう。しかし、「40代こそ、しっかり食べて代謝を上げるべき」と話すのは、ビジネスパーソンの食事改善に実績を持つ管理栄養士の柏原ゆきよ氏だ。曰く、「ごはんとみそ汁」中心の食事こそが、疲れにくい身体を作るという。詳しくうかがった。(取材・構成=塚田有香)

「太るから食べない」は逆効果だった!

私はこれまで4万人以上の食事改善や食生活のアドバイスをしてきました。その経験から明らかになったのは、疲れやすい人の共通点は「食事量が不足している」という事実です。

日本人の1日当たりのカロリー摂取量は高度成長期をピークに年々減少し、近年では戦前より低くなっています。にも関わらず、生活習慣病やメタボが増えている理由は、しっかり食べていないからです。

「メタボになりたくないから食事量を減らす」と考える人が多いのですが、それは大きな誤解。実は、「食事量を必要以上に減らすから太る」のです。

人間は食べたものからエネルギーを作り出し、それを使って活動したり、脳や臓器を動かしたり、体温を生み出したりします。このエネルギーを作り出すシステムが「代謝」です。なかでも、臓器の活動や体温の維持など人間が生きるために必要な「基礎代謝」で消費されるエネルギー量は、食事から摂るエネルギー量によって自動的にコントロールされます。つまり、食べる量が減ればエネルギーの消費量が減って、太りやすくなる。反対に、しっかり食べればエネルギーの消費量が増えて、太りにくくなります。

食べる量を減らすと身体の機能が低下する

それだけではありません。基礎代謝が下がると、人間は疲れやすくなります。

体内に入ってくるエネルギー量が少ないと、身体は自動的に消費量を減らして省エネモードになり、体温が低下したり、臓器の動きを抑えてしまうため機能低下が起こります。これが疲れの原因です。特に肝臓と腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物が溜まってだるさを感じます。

また、太りたくないからと主食を極端に減らすと、脳のエネルギー源であるブドウ糖が補給されず、脳の機能が低下して集中力や思考力も落ちます。

身体の機能低下とは、すなわち「老化」です。ただでさえ、40歳を過ぎると基礎代謝は急速に低下します。そのうえ、食事量まで減らしてしまうと、さらに基礎代謝が低下して老化が加速し、生活習慣病を始めとする様々な病気にもかかりやすくなります。

ご飯と味噌汁を中心におかずは控えめにする

身体の機能低下を食い止める方法はただ一つ、しっかり食べて基礎代謝を上げることです。まずは「1日3食」を習慣にしてください。食べる内容は「ご飯と味噌汁」を基本とし、おかずは控えめにします。最近はダイエットのためにご飯を減らす人が多いようですが、1日に2合、茶碗に5杯弱は食べること。2合食べてもカロリーは1200キロカロリー以下。40代男性なら1日に2500キロカロリーは必要ですから、太る心配はありません。

「ご飯を食べると太る」という人は、実はおかずを食べ過ぎていることがほとんど。しかも油物や動物性たんぱく質を多く摂ると胃腸に負担がかかり、腸内環境も乱れて免疫力が低下し、疲れを感じやすくなります。

ですから、主食の中でも消化が良いご飯をしっかり食べて、その分おかずはぐっと減らしてOK。「栄養が不足するのでは?」と思うかもしれませんが、お米はたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維など、あらゆる 栄養素を含んだマルチ食材なので心配いりません。さらに味噌汁をつければお米に足りないアミノ酸を補えるので、おかずは少なめでも大丈夫なのです。

おにぎり屋や朝定食をうまく活用しよう

朝は食事の支度をする時間がないという人は、出勤途中におにぎり屋さんや牛丼店などの朝定食を利用しましょう。それも難しいなら、コンビニでおにぎりとカップ入り味噌汁を買ってもいいでしょう。ランチは、「ご飯+味噌汁」の定食メニューをチョイス。

仕事で夕食が遅くなったときも、「夜は太りそうだからサラダだけ」などと言わず、ご飯と味噌汁を食べましょう。寝ている間も脳や臓器は活動、新しい細胞を作る新陳代謝が活発になるので、エネルギーを必要としています。消化に時間がかかる油物や動物性たんぱく質、冷たい生野菜サラダなどは、翌朝胃がもたれる原因であり、太りやすい食事です。朝は食欲がないという人こそ、夜はおかずを減らしてご飯と味噌汁中心にすれば、次の朝はスッキリ目覚められます。

まずは1週間、「ご飯と味噌汁+おかず控えめ」を1日3食続けてみてください。身体が驚くほど軽く感じられるはずです。

柏原ゆきよ(かしわばら・ゆきよ)
(一社)日本健康食育協会代表理事(一社)日本健康食育協会代表理事  (一社)食アスリート協会副代表理
4万人以上の食事サポートの経験を通じて、お腹からやせる食事方法を開発。医療機関での栄養コンサルタント、トップアスリートへの食サポート、一般ビジネスパーソンや経営者やモデルなどへの食のアドバイスなどに携わっている。著書に『食べて飲んでおなかからやせる』(かんき出版)、『お腹からやせる食べかた』(講談社)など。(『THE21オンライン』2019年5月号より)

文・塚田有香/提供元・THE21オンライン

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