ガイドブックには載っていない『柳川よかとこ案内』

2019.8.4
RELATIONSHIP
(画像=Fledge)
(画像=Fledge)
みなさん、こんにちは。福岡を中心に多拠点生活をしている阿部昭彦です。
今回は私の大好きな柳川について語らせてください。
 
阿部昭彦(あべあきひこ)

1963年2月 神奈川県横浜市出身。在学したすべての学校に「横浜」がつくのが自慢。大学卒業後は東京の私立中高で国語科専任教諭として29年間勤務し50歳を機に退職。日本橋から三条大橋まで東海道を歩く道中で、これからの人生は地方を元気にする活動に取り組むと決心。福岡県柳川市の地域おこし協力隊として商店街活性化を担当。現在は現役協力隊のサポートと並行してSDGsの普及活動を展開。多拠点生活者。演奏歴40年のベテランベーシスト。好きな言葉は「イエスアンド」。

うなぎのせいろ蒸し&川下りの柳川

福岡の街で「柳川を知っていますか?」と尋ねると、ほぼ間違いなく「うなぎが美味しいよね」または「川下りでしょ」と返ってきます。
そうです。うなぎと川下り、それが柳川です。
 
うなぎはうなぎでも、柳川では『せいろ蒸し』でいただきます。
うなぎを割いて蒲焼にしたら、白いご飯の上に載せて秘伝のタレをかけ、最後はせいろで蒸しあげます。仕上げは錦糸卵をあしらって。
うなぎの脂とタレが一体となって染み込んだご飯とうなぎを頬張ると、思わず笑顔がこぼれます。
 
柳川は日本有数の水の都。市内をめぐる掘割のゆったりとした流れに乗って『どんこ舟』で堀をめぐるのが柳川の川下り。

動力はまったく使用せず、船頭さんの竿さばきのみなので、静かな中に水の音、まちの音が浮かび上がってきます。
歩くよりは少し早く、自転車よりはゆっくりした速度で舟は進みます。
水を渡るを風を肌に感じながらの小一時間は、日常の隣にある非日常の時間です。

これが福岡随一の観光地・柳川です。
でも、こんなことは「◯るぶ」にも「じゃ◯ん」にも大きく載っています。

私が伝えたいのはこんな柳川ではありません。
都会からやってきた移住者が惚れ込んだのはどんな柳川なのでしょうか。
それをみなさんにお伝えしましょう。

どこまでもどこまでも真っ平ら!

柳川に移住してまず最初にドキュン♥したのがこの眺めです。
見渡す限りさえぎるものもなく広がる干拓平野ならではの田園風景。
背の高い建物は農協のカントリーだけ。

鳥の声が遠く響いて、稲穂を揺らす風が見えます。
これまで暮らしていた街では決して見ることのできない風景。
夜には満天の星空に包まれます。
 
夏にはこの広い夜空いっぱいに花火が咲きます。
圧巻なのは、全長3kmを超えてギネス記録を持つスカイナイアガラ。
会場が近いこともあって、本当に空から降ってくるような迫力です。
※残念なことに、あまりの混雑で安全性の確保が難しくなり、2019年から中止となりました。解決策を見つけてぜひ復活してほしいものです。
 
50万本のひまわりが一斉に花開くひまわり園。
青空をバックに華を競う姿は見ごたえがありますよ。
映画「ひまわり畑にて」の舞台にもなった場所です。

 
干拓平野の向こう側は有明海が広がります。
最大干満差6mを誇り「月の引力が見える」とも。
独特の生態系を有しているのが大きな特徴です。
有名なムツゴロウの他に、海のエイリアン「ワラスボ」登場!!
見た目はグロテスクですが、淡白な味わいで美味しいですよ。
 
そして極め付きが夕日の美しさ。言葉を失うとはまさにこのことです。
干潟一面を朱に染めながら雲仙と多良岳の間に日が落ちていく。
時間を忘れてただただ見とれてください。
口説きたい女性がいる方はこのチャンスを活かさない手はありませんよ!(笑)

暮らしと寄り添う掘割

柳川の街中は縦横無尽に水路が走っています。
総延長は470km。柳川からだと岡山のちょっと先までにあたります。
これだけの水路が南北12km、東西11kmの中に収まっているなんてすごい!
水面の面積が広いので多少の大雨ならしっかりと受け止めてくれるから心配ありません。
 
家のすぐ脇を掘割が巡る典型的な柳川の眺めです。
ところが一時はこの眺めが失われる危機もありました。
昭和40年代から50年代にかけて汚水が流れ込むなどして水路が荒廃し、埋め立てて下水とすることが決定しました。これに異を唱えた市役所の広松伝さんが市長を説得し、市民ぐるみの活動の末、見事に美しい掘割を取り戻すことができたのです。

今でも市民の皆さんがボランティアで掘割の清掃活動を行なっています。
美しい眺めは柳川の市民の思いによって支えられているのです。

広松さんの活動に感銘を受けた高畑勲監督が制作した「柳川掘割物語」には、柳川の暮らしが掘割とともに歩んできた姿が描かれています。
飲料水としても利用していたり、子どもたちの遊び場となっていたり。
柳川の暮らしは掘割と常に寄り添っていました。
 
その中で紹介されているのが「もたせ」の技術です。
柳川はほぼ平坦な土地で山が一つもなく、標高は最高でも5、6m止まり。
ここを縦横に流れる水路の隅々まで水を送るためにどうすればよいのか。

柳川の掘割にかかる橋をご覧ください。水の通る部分が台形になっているのがお分かりでしょうか。
流れてくる水をわざと橋脚に当てることで圧力を発生させて、それを利用して脇の細い水路に水を送り込んでいるのです。
そして、大雨などで水量が増えた時には水路の幅が広くなるのでいつもより多くの水を無事に流すことができます。

水に親しみ、水に悩まされた柳川の人たちが自然から学んだ素晴らしい知恵の結晶ですね。

川下りの舟の上から柳川のまちを眺めるタイムラプス動画をご紹介します。
30秒の舟の旅をどうぞお楽しみください。(多少目が回るかもしれませんのでご注意)

たくさんの愛があふれている!!

柳川で生まれ育った北原白秋は水郷(すいきょう)と呼んでこのまちを愛しました。
掘割の再生に情熱を燃やした広松さんも柳川愛ゆえの活動でした。

時代が移り変わってもこの愛は途絶えることなく続いています。
柳川のまちは愛によって築かれているのです。
 
大好きなこのまちで自分らしく生きていきたい。
大好きなこのまちをもっと素敵なまちにしたい。
大好きなこのまちが誰にとっても居心地の良いまちであってほしい。
 
こんな愛にあふれた人たちが自然と集まってくる場所があります。
看板は「釣具のあかし屋」になっていますが実はスナック。
暖かい灯に誘われるようにして今日もお客さんが訪れます。
笑い声が絶えないのはママの愛情がみんなを包んでいるからでしょう。
 
柳川のことが大好きなのは間違いありません。
柳川のまちが好きなのか、それとも柳川で出会う人が好きなのか。
なんだか自分ではよくわからなくなってしまいます。

きっとオリオンビールは沖縄で飲むのがいちばん美味しいのと同じなのでしょう。
柳川の風、掘割の眺めの中で出会う人たちだから最高なのですね。
ぜひこれを読んでいるあなたにも、柳川に来て、柳川を肌で感じてほしいなあ。
きっと好きになってしまいますよ!!

提供元・Fledge

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