NISAといえば「非課税」というメリットに目が行きがちだが、実は注意したいデメリットもある。制度のメリットだけではなくデメリットや注意点も理解してこそ、効果を最大限に発揮させることができ、賢い投資を選択できるようになる。

NISAのデメリット1……NISA口座の開設に手間と時間がかかる

NISA口座の開設には少し手間と時間がかかってしまう。まずは金融機関に必要書類を依頼する。書類に必要事項を記入したら、本人確認書類やマイナンバーカードの写しとともに提出する。

さらに、NISA口座は1人1口座(1金融機関)しか開設することができない決まりとなっているため、金融機関は税務署へ2重登録になっていないかなどの確認を行う。この確認だけでも1~2週間程度はかかる。そのため、通常の口座開設と比べて時間がかかってしまう。このようにすぐに取引を行うことができないのが難点だ。

また、NISA口座は1年単位でしか金融機関の変更ができない点にも注意が必要だ。1度NISA口座を使って投資をした場合はそれから1年間は金融機関を変更することができない。ほかの金融機関に変更を検討している場合は、利用状況の確認や事前計画を立てておく必要がある。
出典:金融庁『NISAの概要』

NISAのデメリット2……投資上限額は年間120万円までで繰越しは不可

NISAの非課税投資枠は年間で120万円が上限となっている。取引回数などに制限はないものの、購入商品・銘柄が限られてしまう可能性がある。

例えば、60万円のA株式と70万円のB株式を買おうと思っても上限額を超えてしまうため、どちらか一方しか購入できない。そのため、非課税投資枠が少なくなると、利用した枠と上限額を意識して投資する必要がでてくる。

また、その年の非課税枠が余ったとしても、翌年以降に繰り越すことはできない。あくまでも毎年、年間120万円が上限となる。これについては、どの商品、銘柄をどれだけ買うのかを年間で計画しておくとよいだろう。

NISAのデメリット3……非課税枠の再利用はできない

NISAの非課税投資枠は1度使うと、仮に商品をその年に売却しても非課税投資枠は再利用できない。

例えば、20万円の金融商品を1月に購入して2月に売却したとしても、残りの非課税投資枠は100万円のままという計算になる。

そのため、仮に30万円の株式の売買を4回繰り返すだけで、その年のNISA口座の非課税投資枠をすべて使いきってしまうことになる。デイトレードなどの短期売買にはあまり向いていないといえる。

NISAのデメリット4……NISAは損益通算の対象外

NISA口座は売却益や配当金に係る税金が非課税となるため、損失が出た場合はその恩恵を受けることはできない。また、NISA口座で出た損失は、課税口座(一般口座・特定口座)で保有している金融商品の売却益や配当金などの利益と相殺(損益通算)することはできない。

取引の内容によっては、NISA口座を利用したために、かえって税負担が増えてしまうという可能性もあり得るのだ。

NISAのデメリット5……非課税期間は最長でも5年間

NISAの非課税期間は最長5年間で、投資可能期間は2023年までとなっていた。この場合、2019年1月に商品を購入したら2023年12月末までの約5年間、恩恵を受けることができるが、2019年12月に商品を購入した場合には2023年12月末までの約4年間しか非課税期間にならないことになっていたのだ。しかし2020年の税制改正で、2024年から5年間期間が延長されたのでしばらくは安心だが、今後も延長されるという保証はない。

非課税期間が終了したときは、以下の3つ選択肢の中から対応を迫られることになる。

翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバー)する

非課税期間が終了した際に、残っている投資額は翌年の非課税投資枠に移管することができる。これをロールオーバーという。例えば、2015年に購入した金融商品は2019年12月末で非課税期間が終わってしまうが、翌年の2020年の非課税投資枠へ移管することにより、5年間延長して金融商品を保有することができる。

ここで注意したいのが、翌年の非課税投資枠にロールオーバーすると、その金額分だけ非課税投資枠を使用したことになるため、新たにNISA口座で投資できる金額が少なくなってしまう点だ。

仮にロールオーバーした金額が120万円以上の場合(非課税期間終了時に値上がりしていて120万円以上になったとしても、そのままの金額でロールオーバーは可能)、非課税投資枠を使い切ってしまうため、その年の新規投資はできなくなってしまう。

課税口座に移す

NISA口座を保有する金融機関に特定口座が開設されている場合は、特段の手続を経ずに特定口座に移管することができる(一般口座に移管する場合は別途の届け出が必要)。

課税口座に移管した場合は、非課税期間終了時点の価格が税計算の基準となる。例えば、NISA口座で株式を100万円購入し、非課税期間終了時点で150万円に値上がりしていたとすると、この150万円が今後の税計算の基準額(取得価額)になる。その後、170万円に値上がりした場合は、利益の20万円に対して税金が課税される計算になる。130万円に値下がりした場合は、150万円が基準となるため、税金がかからない計算となる。

ここで注意が必要なのは、非課税期間終了時に金融商品が購入した時より値下がりしていた場合だ。先程と同様、NISA口座で株式を100万円購入し、非課税期間終了時点で50万円に値下がりしていたとすると、50万円が今後の税計算の基準額(取得価額)となる。その後、80万円に値上がりした場合、差額の30万円に対して税金が課税される計算になる。

しかし、当初は100万円で購入しているため、実際は20万円の損失となっている。損失が出ているにも関わらず、税計算上では利益が出ていることになるため、納税をしなくてはならないのだ。NISA口座での取引が大きなデメリットになってしまうケースといえるだろう。

売却する

これが1番シンプルな方法になるが、非課税期間が終了するまでの間、自分の好きなタイミングで売却する方法だ。売却時に商品が値上がりしていれば、利益に対して非課税メリットが享受できる。反対に、商品が値下がりしてしまった場合は、NISAのメリットはあまり実感できなくなってしまう。

NISAはデメリットも理解したうえで賢く利用すること

これまでNISAのデメリットを見てきたが、利益に対する非課税メリットは資産形成において大きなプラスになることは間違いない。

メリットとデメリットをともに把握しながら、NISA口座と課税口座(一般口座・特定口座)を使い分け、有利になりそうな口座を判断できるようになることが重要だ。

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文・春美 悠(ファイナンシャル・プランナー)
 

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