暗号資産(仮想通貨)を売買する取引所・販売所は、どう選べばよいのだろうか。取引所・販売所を検討するなら、国内の主要業者であるCoincheckとbitFlyerを比較して選ぶのがおすすめだ。CoincheckとbitFlyerは充実したサービスで人気がある。
目次
1,Coincheckとは
取り扱い通貨数は17通貨で、ビットコイン、イーサリウム、リップル、モナコイン、ネムなどの取引に対応している。
Coincheckには取引所と販売所があり、どちらも取引手数料は無料だ。
販売所は、500円という少額からビットコインを買えるのが特徴です。
Coincheckは暗号資産の積み立てにも対応している。
毎月1万円から投資でき、「毎月」または「毎日」の積み立て頻度を設定できる。
またCoincheckは貸仮想通貨サービスを提供しており、保有している暗号資産をCoincheckへ貸すと最大で年率5%の利息をもらえる。
対応する暗号資産は、Coincheckの販売所で扱うすべてのコインだ。
審査期間は、本人確認書類の提出から最短1日だ。(出典=Coincheckのはじめ方)
以下の表は、Coincheckのサービス内容をまとめたものだ。
Coincheckサービス内容 | |||
---|---|---|---|
取扱通貨数 | 17 | ||
取引手数料 | 取引所 | 無料[YM2] | |
販売所 | 無料 | ||
最低注文数量(BTC) | 取引所 | 0.005 BTC以上かつ 500円相当額以上 | |
販売所 | 円建て:500円相当額 BTC建て:0.001 BTC相当額[YM3] | ||
レバレッジ取引 | 可否 | 不可[YM4] | |
倍率 | - | ||
つみたて投資[YM5] | 可否 | 可 | |
積立頻度 | 毎月[YM6] | ||
最低積立金額 | 1万円[YM7] | ||
手数料 | 手数料相当額 0.1~4.0%*1 | ||
入出金手数料 | 銀行振込(入金) | 無料 | |
コンビニ入金 | 770円~1018円 | ||
クイック入金 | 770円~入金金額×0.11%+495円 | ||
日本円出金 | 407円 | ||
送金手数料(BTC) | 0.0005 BTC[DH8] |
2,bitFlyerとは
取り扱い通貨数は14通貨で、ビットコイン、リップル、モナコイン、イーサリウムなどの取引に対応している。
bitFlyerの取引所の取引手数料は0.01~0.2%(暗号資産により異なる)ですが、販売所の取引手数料は無料(スプレッドの負担あり)です。
bitFlyerでは少額から暗号資産を取引でき、最低100円から始められる。
レバレッジ取引に対応しており、資金額の最大2倍まで取引できる。
bitFlyerのつみたて投資である「かんたん積立」は、1円からの少額積立が可能だ。
積立頻度は「毎日」「毎週」「毎月2回」「毎月1回」と、選択肢が多い。
出金手数料は、三井住友銀行の場合は220~440円、それ以外の銀行は550~770円である。
以下の表は、bitFlyerのサービス内容をまとめたものだ。
bitFlyerサービス内容 | |||
---|---|---|---|
取扱通貨数 | 14 | ||
取引手数料 | 取引所 | 約定数量×0.01~0.15%(単位: BTC) (アルトコインの取引手数料は異なる) | |
販売所 | 無料 | ||
最低注文数量(BTC) | 取引所 | 0.01 BTC | |
販売所 | 0.00000001 BTC | ||
レバレッジ取引 | 可否 | 可[YM2] | |
倍率 | 最大2倍[YM3] | ||
つみたて投資[YM4] | 可否 | 可[YM5] | |
積立頻度 | 毎日、毎週、毎月2回、毎月1回[YM6] | ||
最低積立金額 | 1円[YM7] | ||
手数料 | スプレッド込みの販売所のレートが適用される | ||
入出金手数料 | 銀行振込(入金) | 無料 | |
コンビニ入金 | - | ||
クイック入金 | 無料~330円 | ||
日本円出金 | 220円~770円 | ||
送金手数料(BTC) | 0.0004 BTC |
3,CoincheckとbitFlyer徹底比較
CoincheckとbitFlyerのサービス内容の違いは何だろうか。両社を比較してみよう。
Coincheck | bitFlyer | ||
---|---|---|---|
取扱通貨数 | 17 | 14 | |
取引手数料 | 取引所 | 無料 | 約定数量×0.01~0.15%(単位: BTC) (アルトコインの取引手数料は異なる) |
販売所 | 無料 | 無料 | |
最低注文数量(BTC) | 取引所 | 0.005 BTC以上かつ 500円相当額以上 | 0.01 BTC |
販売所 | 円建て:500円相当額 BTC建て:0.001 BTC相当額 | 0.00000001 BTC | |
レバレッジ取引 | 可否 | 不可 | 可 |
倍率 | - | 最大2倍 | |
つみたて投資 | 可否 | 可 | 可 |
積立頻度 | 毎日、毎月 | 毎日、毎週、毎月2回、毎月1回 | |
最低積立金額 | 1万円/月 | 1円 | |
手数料 | 手数料相当額 0.1~4.0%*1 | スプレッド込みの販売所のレートが適用 | |
入出金手数料 | 銀行振込(入金) | 無料 | 無料 |
コンビニ入金 | 770円~1018円 | - | |
クイック入金 | 770円~入金金額×0.11%+495円 | 無料~330円 | |
日本円出金 | 407円 | 220円~770円 | |
送金手数料(BTC) | 0.0005 BTC | 0.0004 BTC |
暗号資産の取引では、知っておくべき基本的な用語がいくつかある。
ここでは「板取引」「レバレッジ」「アルトコイン」を解説しよう。
・板取引
板取引とは、取引所で行われる取引方法であり、板を使った取引のことである。
板は売り板と買い板から構成され、売り板は売り注文の一覧、買い板は買い注文の一覧である。
以下の画像はCoincheckのビットコイン(BTC)の板の例だ。
注文には「指値(さしね)注文」と「成行(なりゆき)注文」があり、板に表示されるのは売りと買いの指値注文である。
板取引では、売りたい人と買いたい人の注文によって取引が成立し、板を見ればリアルタイムで取引される価格を確認できる。
・レバレッジ
レバレッジとは、証拠金を口座に預けて、それを担保に証拠金を超える金額の取引を行うことだ。
レバレッジを利用した取引は、レバレッジ取引と言われる。
レバレッジ取引の倍率とは、証拠金に対して取引可能な金額の倍率を示したものである。
レバレッジ取引のメリットとしては、証拠金より大きな金額の取引ができることの他に、価格の下落でも利益を狙えることがある。
レバレッジ取引のデメリットは、損失が大きくなる可能性があることと、売り注文で価格が上昇すると損失になることだ。
レバレッジ取引で証拠金を超える取引をすると、利益も損失も大きくなるためリスクが高くなる。
売り注文では価格が下落すれば利益になるが、価格が上昇すると損失になることに気を付けたい。
・アルトコイン
アルトコインとは、Alternative Coinの略であり、ビットコインの代わりのコインのことだ。
アルトコインはビットコインの仕組みを元に発行されており、数多くのアルトコインが生まれています。
代表的なアルトコインには、イーサリアム(ETH)やビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、リップル(XRP)、ネム(NEM)、モナコイン(MONA)などがある。
4,Coincheckを利用する5つのメリット
ここでは、5つのメリットについて見ていこう。
Coincheckのメリット1……取り扱い通貨数が17と多い
取り扱い通貨は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、イーサリアム・クラシック(ETC)、リスク(LSK)、ファクトム(FCT)、リップル(XRP)、ネム(XEM)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、モナコイン(MONA)、ステラルーメン(XLM)、クアンタム(QTUM)、ベーシックアテンショントークン(BAT)、アイオーエスティー(IOST)、エンジンコイン(ENJ)、オーエムジー(OMG)、パレットトークン(PLT)である。(出典=Coincheck)
Coincheckのメリット2……最低注文数量が低い
取引所の最低注文数量は、通貨によって異なる。
取引所でも、モナコインやイーサリアム・クラシックなどの最低注文数量は500円相当額以上であり、通貨によっては取引所でも少額取引が可能です。
Coincheckの最低注文数量は以下のとおり。
最低注文数量 | ||
---|---|---|
取引所 | ビットコイン(BTC/JPY) | 0.005 BTC以上 かつ 500円相当額以上 |
ファクトム(FCT/JPY) | 500円相当額以上 | |
イーサリアム・クラシック(ETC/JPY) | ||
モナコイン(MONA/JPY) | ||
パレットトークン(PLT/JPY) | 100 PLT以上 かつ 500円相当額以上 | |
販売所 | 円建て | 500円相当額 |
BTC建て | 0.001 BTC相当額 |
暗号資産の種類と取引金額によって取引所と販売所を使い分けることで、投資金額の範囲が広がる。
Coincheckのメリット3……取引所の取引手数料が無料
そのため、取引所の中では最低レベルの手数料負担で暗号資産の取引が可能だ。
Coincheckのメリット4……Coincheckでんき・ガスのインフラ関連サービスが充実
Coincheckでんきでは、「ビットコイン付与プラン」を選ぶと支払った電気料金の1~7%分のビットコインが貯まる。
「ビットコイン決済プラン」を選んでビットコインで電気料金を支払うと、1~7%の割引が適用される。(出典=Coincheck)
Coincheckでんきの付与率・決済割引率は、地域と電気の契約内容によって異なり、Coincheckでんきのウェブページにて確認できる。
Coincheckガスでは、「ビットコイン付与プラン」を選ぶと支払額の3%分のビットコインが貯まる。
「ビットコイン決済プラン」を選んでガス料金をビットコインで支払うと、3%の割引が適用される。(出典=Coincheck)
Coincheckの利用者は電気・ガスの料金支払いがお得になる可能性があるため、サービス内容をぜひチェックしておきましょう。
Coincheckのメリット5……チャート分析がしやすいアプリ
暗号資産取引の判断には、チャートを使うのが一般的だ。
そのため、暗号通貨の取引にはチャート分析がしやすいツールを提供している業者を選びたい。
線チャートは、価格の推移を線で表したチャートである。
ローソク足チャートは、株式市場などでよく利用される人気のチャートだ。
チャートの表示期間は、チャート分析する期間などに合わせて変更できる。
チャートを表示できる暗号資産は15種類以上あり、Coincheckが取り扱う通貨の多くでチャート分析を利用できます。
5,Coincheckはこんな人におすすめ
また最低注文数量が低いため、少額取引をしたい人にもおすすめである。
最低注文数量は、販売所で円建ての場合は500円相当額だ。
取引所は販売所に比べてビットコインの最低注文数量が高いものの、暗号資産の種類によっては500円相当額から取引が可能だ。
Coincheckは取引所の取引手数料が無料なので、主に取引所で取引する人は手数料面のメリットが大きい。
CoincheckでんきやCoincheckガスの対象地域にお住まいなら、支払いに応じてビットコインをもらえるといったメリットがあるためお得です。
また、スマホアプリでのチャート分析を重視する人もCoincheckを選ぶとよいだろう。
コインチェックアプリは充実したチャート機能を備えており、パソコンがなくてもチャート分析が可能だ。
6,bitFlyerを利用する5つのメリット
次はbitFlyerのサービス内容から、bitFlyerを利用するメリットを確認したい。
ここでは、5つのメリットについて見ていこう。
bitFlyerのメリット1……レバレッジ取引が可能
bitFlyer LightningのLightning FXとLightning Futuresにて、レバレッジ取引ができる。(出典=bitFlyer)
bitFlyer Lightningとは、暗号資産の現物・FX・先物の取引に対応する取引所だ。
bitFlyer Lightningのうち、Lightning FX(ビットコインFX)はFX取引ができるサービスであり、Lightning Futures(ビットコイン先物)は先物取引ができるサービスだ。
Lightning FXとLightning Futuresでは、証拠金の2倍までの取引が可能である。
レバレッジ取引をうまく利用すれば利益を効率的に増やすことができますが、レバレッジの倍率と共にリスクも高くなるため、注意して利用しましょう。
bitFlyerのメリット2……ビットコインがもらえるサービスがある
「ビットコインをもらう」は、ネットショッピングや旅行予約といった他社サービスの利用でビットコインが貯まるサービスだ。
貯まったビットコインは、好きなときに売ることはもちろん、日本円にして出金することも可能である。
提携するサービスには、楽天や楽天トラベル、Yahoo!ショッピング、ヤマダモール、Hotels.com、じゃらんなど、人気サイトが数多くある。
ポイントサイトを利用するのと同様に、普段利用しているサービスをbitFlyerの「ビットコインをもらう」経由にすることでビットコインが貯まる、嬉しいサービスです。
bitFlyerのメリット3……ビットコインの流通が安定している
ビットコインの取引量の安定は、取引所での売買しやすさと、販売所でのスプレッドの安定につながるメリットです。p>
bitFlyerのメリット4……低額引き出し時の出金手数料が安い
bitFlyerの出金手数料は、出金する銀行と出金金額により異なる。
bitFlyerの出金手数料は以下のとおり。
出金する銀行 | 出金手数料(税込) | |
---|---|---|
3万円未満の出金 | 3万円以上の出金 | |
三井住友銀行 | 220円 | 440円 |
三井住友銀行以外 | 550円 | 770円 |
出金する銀行を三井住友銀行にして出金額を3万円未満にすれば、出金手数料を220円(税込)に抑えられます。
bitFlyerのメリット5……ビットコインの売買がしやすいアプリ
通貨の一覧では販売所と取引所を簡単に切り替えられ、すぐに情報を確認できる。
通貨別の画面ではチャートが表示され、「売る」「買う」ボタンから簡単に注文が可能だ。
アプリにはプロ向け取引ツールも搭載し、多くの情報と抜群の操作性を誇るインターフェイスを利用できる。
アプリからは「かんたん積立」や「ビットコインをもらう」も利用できるなど、機能も豊富だ。
bitFlyerのスマホアプリは、二段階認証などによる安心のセキュリティも備えているので、安心して取引できます。
7,bitFlyerはこんな人におすすめ
bitFlyerはビットコインの取引量が多く流通が安定しているため、主にビットコインを取引する人におすすめだ。
また「ビットコインをもらう」サービスを使えば、bitFlyer経由で他社サービスを利用した場合にビットコインが貯まる。
ポイ活などが好きで、コツコツとビットコインを貯めたい人に向いている。
3万円未満の出金が多いなら、三井住友銀行へ出金することでCoincheckよりも出金手数料を節約できる点も見逃せません。
スマホアプリでの取引の操作性を重視するなら、簡単に取引できるbitFlyerのアプリを使ってみて操作性を確認してほしい。
8,CoincheckとbitFlyerに関してよくあるQ&A
CoincheckとbitFlyerについて、よくある質問(FAQ)から5つをピックアップしよう。
現在はマネックス証券などを傘下にもつマネックスグループに属し、安心して暗号資産を取引できる取引所・販売所として人気だ。
最低注文数量が低く少額取引ができるため、暗号資産の初心者でも利用しやすい。取引所の取引手数料は無料であり、低い手数料で取引できるのも魅力だ。
bitFlyerはレバレッジ取引に対応しており、ビットコインFXなどで最大2倍のレバレッジ取引が可能である。
bitFlyer経由で他社サービスを利用するとビットコインがもらえる「ビットコインをもらう」など、魅力的なサービスを提供している。
取引所の取引手数料はCoincheckが無料、bitFlyerが約定数量×0.01~0.2%(通貨によって異なる)である。
レバレッジ取引はCoincheckでは利用できず、bitFlyerは最大2倍の取引が可能だ。
スマホアプリでチャート分析から取引まで行いたい人は、充実したチャート分析をもつCoincheckのアプリが向いている。
文・松本雄一(セキュリティ・金融アドバイザー)
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