IPO投資の2つのリスクとは?公募割れリスク、株価変動リスクを抑える方法

2019.7.26
INVESTMENT
(写真=Eviart/Shutterstock.com)
(写真=Eviart/Shutterstock.com)
IPO(新規公開株)への投資は投資初心者でも始めやすいが、リスクを把握せずに予想外の損失を出してしまうこともある。IPO投資のリスクは投資するタイミングに2つに分けられる。これらのリスクをきちんと把握することが重要だといえよう。

IPO投資をするうえで把握しておきたい2つのリスクとは

一般投資家がIPO株を購入するには大きく分けて2つの方法がある。ひとつは株式上場時にIPOの抽選に当選するなどして「公募価格」で購入すること。もうひとつは株式上場後に売買する市場(セカンダリー・マーケット)で購入することだ。

公募価格とは新規に公開されるIPO株を投資家が購入する価格だ。初値とは市場で初めてつくIPO株の価格のことを指す。一般的に初値は公募価格を上回ることが多く、IPO株を公募価格で購入できれば利益を得られる。これがIPO投資の大きなメリットといえよう。

IPO投資は人気だが、2つのリスクがある。公募価格で購入した場合、初値が公募価格を下回る「公募割れリスク」と、上場後に購入した場合の「価格変動リスク」だ。これら2つのリスクを抑える方法を具体的に考えていこう。

IPO投資のリスク1……公募価格を下回る「公募割れリスク」

IPOの抽選で当選した場合、公募価格でIPO株を購入でき初値の上昇が期待できる。しかしIPO株のなかには人気がなく、初値が公募価格を下回る「公募割れ」の銘柄もある。公募割れしたIPO株を初値で売ると、公募価格と売却価格との差額、および売却手数料が損失になってしまう。

例えば2018年に上場した90社のうち、初値が公募価格を下回ったのは9社あった。公募割れした銘柄は全体の10%程度という低い確率だが、公募割れリスクはゼロではないことが分かる。初値を決める要因はさまざまだが、公募割れ銘柄の判断材料として「公募価格」と「上場規模」の2つに注目したい。これらの情報に個人投資家の評価などを加味して、投資判断を行うのがよいだろう。

公募価格が仮条件の上限で決まらないIPO銘柄の投資は控える

公募価格は仮条件という金額の範囲内から決まる。投資家は需要申告(ブックビルディング)にて、仮条件の範囲から購入を希望する価格を申告する。その結果、公募価格が決定される。人気のIPO銘柄は仮条件の上限が公募価格になる傾向がある。

たとえばフリマアプリなどを提供するメルカリは2018年6月に上場したが、その際の仮条件は、2,700円から3,000円で、公募価格は仮条件の上限である3,000円に決まった。

公募価格が仮条件の上限で決まらない銘柄は人気が高いとは言えない。特に公募価格が仮条件の下限で決まった場合には、人気が低いために公募割れの可能性が高くなる。

2018年に上場した90社のうち、公募価格が仮条件の上限を下回ったのは3社、仮条件の下限で決まったのはそのうちの2社であった。その3社の初値はすべて公募割れという結果だった。

2018年のIPOで公募割れしたのはほかに6社あったが、その公募価格は仮条件の上限で決まっていた。結局のところ公募価格が仮条件の上限で決まっても公募割れの可能性はあるのだ。

上場規模が大きく発行や売り出しの株数が多いIPO銘柄への投資を避ける

IPOでは新規資金調達のための株式の発行や、既存の株主が保有している株式の売り出しが行われる。発行や売り出しの株数が多く時価総額が数千億円を超えるような上場規模が大きいIPOは大型上場と呼ばれる。大型上場では発行や売り出しの株数が多いために株を入手しやすくなる。これが株価上昇の阻害要因になるのだ。

近年、特に注目された大型上場では2015年11月に上場した日本郵政と2018年12月に上場したソフトバンクがあった。日本郵政の初値1,631円は公募価格1,400円に対し16.5%上回った。一方でソフトバンクの初値1,463円は公募価格1,500円に対し2%下回った。

このように大型上場銘柄には公募割れの可能性があることも心に留めておきたい。

IPO投資のリスク2……上場後の「株価変動リスク」

IPO株を公募価格で購入後、初値で売らずに保有し続けたり、上場して初値が付いた後にセカンダリー・マーケットで取引したりすることがある。その場合は株価の変動リスクに注意だ。株価変動リスクには「上場直後の価格変動」と「ロックアップの解除」の2つがある。

IPO株が上場直後に起こる価格変動(ボラティリティ)リスクを抑えるには

IPO株の上場直後は投資家の注目度が高く、出来高(売買が成立した数量)が多くなる傾向がある。特に流通株式が少ない小型のIPOは少しの注文の約定でも値動きが大きくなることがあり、値動きが非常に激しくなる。

状況によって短時間でストップ高やストップ安になることもあり、大きな利益を得られればよいが、大きな損失も出る。上場直後の取引に不慣れな場合には、株価の急騰や急落のリスクを心得て取引金額を少額に抑えたほうがいいだろう。

ロックアップ解除で株価が急落するリスクを避けるためには目論見書を確認

ベンチャーキャピタルなどが、IPO株が上場してすぐに大量の売り注文を出すと株価が急落する。それを防ぐために「ロックアップ」という制度が設けられている。

ロックアップとは、創業者や大株主などが一定期間にわたり原則として株式の売却を市場で行わないことを合意するものだ。期間は90日や180日に決められることが多い。

ただし、その期間内であっても株価が基準価格以上になるなどの条件を満たした場合には、株式の売却が可能になるよう定められていることがある。条件として用いられる基準価格は公募価格の1.5倍などに定められていることが多い。

ロックアップの期間中でも株価が基準価格以上の条件を満たせば、大量の売り注文が行われ株価が急落するリスクがある。ロックアップの内容は各証券会社の目論見書に記載されている。上場後間もない株式を取引する際には必ず内容を確認したい。

文・松本雄一(ビジネス・金融アドバイザー)
 

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