「イオンゴールドカード」は、年会費が無料という珍しいゴールドカードだ。しかし、インビテーションがないと作れないため、その詳細を知らない人は多いだろう。ここでは審査基準のほか、空港ラウンジ利用やポイント還元率など「イオンゴールドカード」のメリット・デメリットについて確認していく。

目次
1,「イオンゴールドカード」で押さえておくべき3つのポイント
2,インビテーションはどうしたらもらえるのか?
3,「イオンゴールドカード」の基本スペックと審査基準
4,メリット1,年会費無料で空港ラウンジを利用できる
5,メリット2,豊富なイオングループでの特典
6,メリット3,年会費無料で充実した旅行保険
7,ポイントサービス、還元率など
8,その他の特徴
9,デメリットは還元率
10,「イオンゴールドカード」はどんな人がお得に使える?

1,「イオンゴールドカード」で押さえておくべき3つのポイント

年会費無料のゴールドカード「イオンゴールドカード」で最低限押さえておきたいポイントは、以下の3点だ。

  • 入会にはインビテーションが必要
  • 年会費無料で、空港ラウンジサービスも付帯
  • 通常のポイント還元率は0.5%と高いほうではない

    どうすればインビテーションがもらえるのか、「イオンゴールドカード」の基本スペックや所有するメリットなどを紹介していこう。

    2,インビテーション(招待)はどうしたらもらえるのか?

    「イオンゴールドカード」は、インビテーション(招待)制だ。イオン系カードなどで直近1年間に100万円以上のクレジット利用があるか、他の一定の基準を満たすことで招待されるという。カードの申し込みは、イオンカード公式サイトの個人アカウント「MyPage」から行うが、招待されても審査は行われるので、カードが発行されない可能性もゼロではない。

    イオン系のカードでも、ゴールドカードへ切り替えられるカードと、そうでないカードがある。
     

ゴールドカードへの切り替え対象となる
クレジットカード
ゴールドカードへの切り替え対象に
ならないクレジットカード
イオンカード
(WAONなし/WAON一体型/
ディズニー・デザイン)
イオンSuicaカード
イオンカードセレクト
(通常デザイン/ディズニー・デザイン)
ミニオンズ・デザインの
「イオンカード」

なお、ゴールドカードへの切り替えに際し、通常デザインからディズニーデザインへの変更、あるいはディズニーデザインから通常デザインへの変更はできない。ディズニーデザインには「ミッキーマウス」と「トイストーリー」があるが、これもゴールドカードへの切り替え時に「ミッキーマウス」から「トイストーリー」へ、あるいはその逆のデザイン変更はできない。

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3,「イオンゴールドカード」の基本スペックと審査基準 年収やインビテーションなど

インビテーションが届いたとしても、申し込む前に基本スペックと審査基準は確認しておこう。

「イオンゴールドカード」の基本スペック

国際ブランド Visa/Mastercard/JCB
(ディズニーデザインはJCBブランドのみ)
年会費 無料
ポイントサービス ときめきポイント
通常ポイント還元率 0.5%
ポイント交換対象 WAONポイント、dポイント、JALマイルなど
空港ラウンジサービス 国内主要6空港
付帯保険 海外旅行傷害保険(利用付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピング保険
追加カード 家族カード
ETCカード

「イオンゴールドカード」の審査基準――目安は年収200万円以上

前述のとおり、イオンカードやイオンカードセレクトの会員で、年間100万円以上のクレジット利用があれば招待される。基本的に、招待が届いた時点で審査に通る可能性は高いと考えていいだろう。

審査における年収条件は、一般的なゴールドカードで300万円以上だが、「イオンゴールドカード」では200万円以上で審査に通る可能性があると言われている。ただし、過去にカード利用代金の延滞などがあると、審査に通りにくくなる。

「イオンゴールドカード」のステータス性――イオングループの上顧客に

「イオンゴールドカード」は流通・小売系カードにカテゴライズされる。ステータスは、銀行系のゴールドカードや信販系のゴールドカードよりは少し下になるだろう。しかし、イオングループの店舗で使う上では、上顧客として扱われることになるはずだ。
 

イオンゴールドカード イオンカード
空港ラウンジサービス 国内主要6空港 なし
イオンラウンジ 利用可 利用不可
付帯保険 海外旅行傷害保険(利用付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピング保険
なし
VISA、Mastercardの特典 ゴールド特典 特になし

「イオンカード」(イオンカードセレクト含む)と「イオンゴールドカード」(イオンゴールドカードセレクト含む)を比較すると、以下の表のようになる。同じ年会費無料でも、後者のほうがぐっと特典が充実する。

具体的にどのようなメリットがあるか、見ていこう。

4,メリット1,年会費無料で空港ラウンジを利用できる

ゴールドカードは、国内の空港ラウンジを無料で利用できるサービスが付帯するものが多い。

年会費無料のゴールドカードの中には、空港ラウンジサービスが付帯しないものもある。年会費有料でも、空港ラウンジの年間利用回数が制限されているものも多い。しかし、この「イオンゴールドカード」では6空港の12のラウンジを利用でき、回数制限はない。同伴者は有料だが、家族であれば事前に家族カードを発行しておけば、一緒に無料で利用できる。

6空港12ラウンジ

空港名 ラウンジ名
羽田空港(国内線) 第1旅客ターミナル
・POWER LOUNGE SOUTH
・POWER LOUNGE NORTH
・POWER LOUNGE CENTRAL
第2旅客ターミナル
・POWER LOUNGE SOUTH
・POWER LOUNGE CENTRAL
・エアポートラウンジ(南)
成田空港
(第2旅客ターミナル)
IASS Exective Lounge 2
新千歳空港(国内線) スーパーラウンジ
伊丹空港
(大阪国際空港・国内線)
ラウンジオーサカ
福岡空港 国内線旅客ターミナル
・くつろぎのラウンジTIME
国際線旅客ターミナル
ラウンジTIMEインターナショナル
那覇空港(国内線) ラウンジ華~hana~

6空港というのは、他社ゴールドカードの空港ラウンジサービスと比べるとかなり少ない印象だが、いずれも発着本数の多い空港なので、活用できる機会は多いだろう。

クレジットカードの空港ラウンジサービスで利用できるラウンジは、通称「カードラウンジ」と呼ばれる。航空会社提供のラウンジよりも質が落ちると言われている、羽田空港の「POWER LOUNGE」はスタイリッシュなインテリアで評価が高い。羽田空港内5ヵ所の「POWER LOUNGE」を利用できる点は、「イオンゴールドカード」の大きなメリットと言えるだろう。

5,メリット2,イオンラウンジなどイオングループでさまざまな特典が受けられる

「イオンゴールドカード」では、イオン店内に設置されたイオンラウンジを利用できる。ラウンジではイオンのプライベートブランドの試供品ドリンクサービスのほか、新聞・雑誌の閲覧などもできる。利用は1日1回30分という制限はあるものの、買い物の合間に少し休憩したいときに便利だ。原則3名までの同伴者と入室できるので、同伴者のカードの有無を気にする必要はない。

そのほか、一般のイオンカードで提供される、以下のイオングループ特典がゴールドカードでも提供される。

・イオングループ店舗で月2回の5%オフ
毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」は、全国のイオン、マックスバリュ、イオンスーパーセンター、サンデー、ビブレ、ザ・ビッグなどの店舗で支払い金額が5%オフになる。

・55歳以上ならさらに月1回の5%オフも
55歳以上の会員ならば、毎月15日の「G.G感謝デー」は全国のイオン、マックスバリュ、イオンスーパーセンター、サンデー、ザ・ビッグなどの店舗で5%オフになる。

・イオンシネマ映画鑑賞割引
一般通常料金は、常時300円引き。毎月20・30日は1,100円で映画鑑賞ができる。

・パッケージツアー最大6%オフ
「イオントラベルモール」でのクレジット決済で、大手旅行代理店のパッケージツアーが6%オフ。さらにポイントが2倍になる。

6,メリット3,海外最高5,000万円、国内最高3,000万円の旅行傷害保険

本会員と家族カード会員に適用される、海外最高5,000万円、国内最高3,000万円の旅行傷害保険もメリットと言えるだろう。これは、旅行代金をカードで支払った場合のみ付帯する。また、家族会員以外の家族にも保険が付帯する「家族特約」は付帯しない。しかし、年会費無料ということを考えると、十分以上の補償内容であることは確かだ。

海外旅行傷害保険の補償期間は1回の旅行につき最長30日と他社カードの保険と比べて短いが、ほとんどの人は事足りると思われる。

海外旅行傷害保険(利用付帯)

補償内容 支払限度額
傷害による死亡・後遺障害 5,000万円
傷害による治療費用 300万円
疾病による治療費用 300万円
携行品損害 30万円(1事故につき免責金額3,000円)
個人賠償責任 3,000万円
救援者費用など 200万円

国内旅行傷害保険(利用付帯)

補償内容 支払限度額
傷害による死亡・後遺障害 3,000万円
傷害による入院(8日目以降最高180日分) 日額5,000円
傷害による通院(8日目以降最高90日分) 日額3,000円
傷害による手術 入院保険金日額×5(または×10)

この他、このカードで購入した商品(1品5,000円~300万円)が偶然の事故で損害を被った場合、購入日から180日間、年間300万円まで補償されるショッピング保険も用意されている。

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7,「イオンゴールドカード」のポイントサービス、還元率は? ポイントアップの方法も

クレジットカード選びで重要なのが、ポイントの交換先や還元率だ。「イオンゴールドカード」ポイントサービスの概要を説明しよう。

貯まるポイントと還元率――通常還元率は0.5%

貯まるポイントは「ときめきポイント」。クレジット支払い200円(税込)ごとに1ポイント(約1円相当)が貯まる。ポイント還元率は0.5%と考えていいだろう。

ポイントの交換対象――旅行利用券が最もお得

ポイントは賞品に交換できるほか、各社ギフト券、ポイント、マイル、アミューズメントチケットなどに交換することもできる。また、イオングループのショッピングサイトで1ポイント→1円として支払いに充当できる。交換対象を抜粋して紹介する。
 

交換対象 交換ポイント数 必要ポイント数
電子マネーWAON 1,000P 1,000P
WAON POINT
dポイント
Suicaチャージ 1,000円分
JRキューポ
JCBギフト券
イオン商品券 1,000P+交換手数料250P
JALマイル 500マイル 1,000P
E-NEXCOポイント 1,200ポイント
イオンシネマ ペア映画観賞券
「ACチケット」
1枚 3,000P
イオンコンパス
海外パッケージ旅行利用券
3,000円分 2,000P
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
スタジオパス
1枚分 7,000P

この中で最もお得なのは、イオンコンパスの海外パッケージ旅行利用券だ。実質的なポイント還元率は0.75%。ただし用途が限られるため、基本的には1ポイント→1円相当、ポイント還元率は0.5%と考えたほうがいいだろう。

ポイントアップの方法――イオングループや優待加盟店で2倍以上に

決して高いとは言えないポイント還元率だが、ポイントアップできる方法がいくつかある。意識して活用すれば、高還元率カードに近いリターンを得られるだろう。

・イオングループ対象店舗で常時2倍
全国のイオン、イオンモール、ダイエー、マックスバリュなどイオングループの対象店舗では常時ポイント2倍。200円(税込)ごとに2ポイントが付与される。

・毎月10日はどこで使ってもポイント2倍
毎月10日の「ときめきWポイントデー」は、どこでカードを使ってもポイント2倍となり、200円(税込)ごとに2ポイントが付与される(その他のポイント倍付けサービスなどとは併用できない)。

・優待加盟店の利用でポイント倍付け
「ときめきポイントクラブ」の優待加盟店では、規定の倍率でポイントが付与される。たとえばJAL、コスモ石油、ワタミグループ、アート引越センターなどでは、ポイントが2倍になる。

・ポイントサイト利用で最大21倍
ポイントサイト「ときめきポイントTOWN」経由で、いつものネットショップ・モールで買い物すると最大21倍のポイントが付与される。

8,「イオンゴールドカード」のその他の特徴 国際ブランドやイオンカード共有優待など

その他、以下のような特徴も上手く利用すれば、お得感が増すだろう。

特徴1,VISA/Mastercard提供のゴールド会員向け優待を利用できる

「イオンゴールドカード」では、国際ブランドにVISAかMastercardを選ぶと、各ブランドが提供するゴールド会員向けの優待を利用できる。たとえば、VISAでは空港宅配や海外WiFiレンタル、国際線クローク、ハワイのホテルやアトラクション、海外レンタカーなどの優待が受けられる。

特徴2,イオンカード共通の優待を利用できる

イオンカード共通のサービスとして、以下の優待を対象店舗で受けられる(一部抜粋)。
 

対象店舗 優待内容
HIS 国内・海外ツアーが3,000円オフ
エクスペディア ホテル8%オフ、航空券+ホテル2,500円オフ
Relux 初回5,000円オフ、2回目以降7%オフ
タイムズカーレンタル 利用料金最大35%オフ
ニッポンレンタカー 基本料金最大15%オフ
トヨタレンタカー 基本料金5%オフ
グローバルWiFi レンタル料金20%割引など
ビックエコー 一般室料30%割引など
カラオケ館 室料30%割引
ドミノピザ M・Lサイズピザ30%割引

特徴3,海外のサービス拠点「イオンワールドデスク」を利用できる

世界16ヵ国24ヵ所に「イオンワールドデスク」が設置されている。これは現地のサービス拠点で、観光情報案内のほか、航空券・レンタカー・交通機関・ホテルの予約、緊急時のサポートなどを受けられる。旅行の際には役に立つだろう。

9,「イオンゴールドカード」のデメリットはポイント還元率の低さ

ここまでメリットを見てきたが、他のクレジットカードに比べて見劣りする点は、「ポイント還元率の低さ」だ。

0.5%というのは、特別低いポイント還元率ではない。しかし年会費無料で1%還元のクレジットカードも珍しくない現在では、「イオンゴールドカード」はやや見劣りしてしまう。ただし、イオングループの利用が多い人なら多くのシーンで1%還元になるため、このデメリットはあまり気にならないだろう

10,「イオンゴールドカード」はどんな人におすすめか

「イオンゴールドカード」は、他社のゴールドカードと比較するとサービス内容に見劣りするところもある。またデメリットのところで述べたように、使う人によって便利でお得に活用できるかどうかが変わるカードでもある。

しかし、イオンカードの基本機能に加えて、ゴールドカードの特典が年会費無料で付帯することを考えれば、十分以上の内容だ。イオングループの利用が多い人ならなおのことであり、インビテーションが届いたなら、申し込んで損はないカードと言えるだろう。

「イオンゴールドカード」は、一般カードとゴールドカードの中間ととらえればいいだろう。ハイスペックではないが、日常的な利用においては便利でお得に使えるカードであることは確かだ。

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モリソウイチロウ
著者・モリソウイチロウ
証「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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