黒坂岳央(くろさか たけを)です。
パナソニック、ファーストリテイリングや塩野義製薬といった日本を代表する企業の中から、選択的週休3日を掲げる会社が少しずつ出てきている。この制度の背景には「ミドル世代の学び直し」を奨励する意図があるとされる。
SNS上では、
「休日なら普通に休むべき」
「経費節約したいだけでしょ。休みが増えて給料が減ったら意味がない」
「資格取得にあてるべき」
といった反応が見られた。
今回はSNSに投稿されたものとは違った視点で個人的見解を述べたい。
週休3日に対する批判は正しいのか?
SNS上での投稿に見られた批判は少なくない。筆者は斜に構えたり、意図的に逆張る主張をするつもりはないのだが、視点を変えれば違った見方もできると感じた。下記に見解を述べたい。
まず、「休みは普通に休めばいい」という意見に対してだ。確かに週休3日を選んだ人物がどう過ごすかは本人の自由でその点は間違いない。だが、この休日の獲得には「給与の削減」という代償を払っていることを忘れてはならない。また、企業としては表向きには「休みたい人はご自由にどうぞ」という事になっているだろう。
しかしその実、仕事の現場では各々がキャリアを追求して競争している本質がある。休みを取ることで成果物が減れば、社内での評価や労働市場での競争に対して相対的にビハインドすることになる。そのため、この新たな祝日を享楽的に過ごすのか、もしくはさらなる労働生産性向上につながる収益エンジン(後述する)獲得のための時間にあてるかで、その後のキャリアに与える影響度は小さくないと感じてしまう。個人的には自分の付加価値を高めることに使う事を提案したい。
また、「休んで給与が減るのはおかしい」という指摘があるが、これは正しいのだろうか。我が国には「ノーワーク・ノーペイの原則」があり、これは要するに「働かなければ給与は出しません」ということだ。給与が減るのはおかしいと主張する人は、労働者側の論理でしか見えていない。彼らの主張はたとえるなら、飲食店に入って食べてもいない食事にまで課金されるようなものだからだ。
もしも「週休3日ほしいけど、給与は減らしたくない」という人は、ホワイトカラー・エグゼンプション職につけばいい。研究開発や、コンサルタント、有価証券の売買などの仕事がこれにあたる。その上で、週休2日の社員に負けないような労働生産性を出せばいいのだ。
そして学び直しについては、資格取得を想定する人が多い点も気になった。これは長くなるので次章で深堀りしたい。