次に日本で不足するもの飲食店?

ここまで問題を俯瞰した上で、個人的に考える次に日本で不足するものは「飲食店」だと思っている。

東京商工リサーチの発表によると、コロナ倒産の約6割は飲食店で、これは過去30年で2番目の多さだ。筆者の知る多くの飲食店も潰れて消えていった。そんな中、テイクアウトや冷凍食品は大きなヒットとなっている。この状況が続くと仮定すれば、同じ食でも店内提供はますます下火になってもおかしくないのではないだろうか。

筆者は熊本県に住んでいるが、個人的肌感覚では飲食店の跡地に出来た新店舗の多くはタピオカドリンクや、ケーキ、パン屋などテイクアウト店ばかりだと感じる。ゆったり時を過ごしてくつろげるお店の絶対数は確実に減少している。

飲食店はオンデマンドで、客のオーダーに答えて食の提供が必須となる。今回のようにフライドポテト不足になれば、メニューから売上につながる商品が1つ消えることになる。国産へのスイッチも出来なくはないだろうが、そうなれば今度はコストの問題が生じるだろう。それだけではない、日々変化するコロナ感染状況で利用客が遠のけば売上に影響する。物不足とコロナ禍に対して、飲食店の立場はあまりにも脆弱だ。

日本で次に不足するものは飲食店…ぜひ外れてほしい予想ではあるが、現実問題、依然として多くの飲食店は苦しい状況に追いやられている。

文・黒坂岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?