「中古ワンルームマンション投資」は、不動産投資の中でも比較的始めやすいといわれています。そのため、不動産投資初心者の方の中で検討されている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、中古ワンルームマンション投資を検討している人に向けて、投資を始める前に知っておくべき4つのポイントを解説します。
メリット・デメリット以外に、投資するべきワンルームマンションの選び方なども解説しているので、参考にしてみてください。
目次
中古ワンルームマンション投資に向いている人とは?
中古ワンルームマンション投資のデメリットとリスク
中古ワンルームマンション投資に向いている人とは?
中古ワンルームマンション投資は、「手持ち資金を減らしたくない人に向いている投資」だといえるでしょう。
中古ワンルームマンションは新築マンションと比べると物件価格がリーズナブルです。
そのため、それほど自己資金を準備しなくても、購入のためのローンを組みやすいので、手持ち資金を減らさずに済みます。
ただし、中古とはいえ投資用ワンルームマンションはそれなりの価格になります。
不動産投資ローンを利用して投資を始める場合は、ある程度の収入がないと厳しいかもしれません。
中古ワンルームマンション投資のデメリットとリスク
中古ワンルームマンション投資を始める前に必ず確認しておきたいのは、中古ワンルームマンション投資のリスクです。
以下のようなデメリットやリスクがあることを知っておくことで、あらかじめリスク回避のための手段を取ることができます。
- 設備の故障などによる支出が発生する
- 安さだけに注目するのはリスクが高い
設備の故障などによる支出が発生する
経年劣化や入居者の通常の使用により、室内の設備が故障することはどうしても避けられません。
そして、これらの故障を放置しておくと、入居率が下がり空室リスクが上がる可能性があるため、速やかに修繕する必要があります。
そして、入居者の重大な過失が認められない室内設備故障の修理代は、基本的に物件所有者が負担します。これは、新築マンションにおいても同様です。
なぜかというと賃貸借契約は、「入居者に建物(部屋)を使用収益させる約束を交わし、使用収益の対価として賃料を払う」というものなのです。
そのため、入居者の部屋にもともと備え付けられている設備はすべて物件所有者の持ち物であるので、通常使用や経年劣化による室内設備は物件所有者が修繕義務を負わなければなりません。
修繕義務を負う具体的な項目
ワンルームマンション投資(区分所有)の場合、マンションの所有者で組織される管理組合に修繕積立金を支払い、外観や共用部などの修繕には、このお金が充てられ修繕が行われます。
しかし、専有部(室内)の以下の設備に関しては、物件所有者が別途修繕金を用意して、適当なタイミングで修繕を行う必要があります。
- フローリングの張り替えや補修
- クロスの張り替え
- 建具などの破損
- 給湯器や水まわり危機の破損
なお、破損や故障の原因が賃借人にある場合は、賃借人に修繕費を請求できるケースもあります。
修繕金をどのくらい準備しておけば良いか
修繕用の資金は多ければ多いほど安心です。とはいえ、具体的な修理金額がわからなければ、最低限どのくらい準備しておけばいいのか見当がつかないという方もいらっしゃるでしょう。
ワンルームマンションにおける故障率の高い「エアコン」「温水便座」「給湯器」の1台あたりの平均的修理金額は以下のようになっています。
- エアコン:約5,000円~10万円
- 温水便座(ウォシュレット部分単体交換):約2~3万円
- 給湯器(故障内容による):約5,000円~5万円
なお、複数の部屋を所有しており、複数台まとめて修理を依頼する場合は、修理業者との交渉次第で値引きが可能かもしれません。また、温水便座など、修理するより新品交換の方が安いケースもあります。
上記を参考にしていただき、所有するワンルームマンションの部屋数に応じて修繕費用を準備しておくと安心です。
なお、修繕費は物件購入当初はあまり必要にならず、数年後に突然高額な修理が発生する傾向が見られます。前年度の修繕費のみを参考に準備しておくと、不足するケースも多いので注意しましょう。
安さだけに注目するのはリスクが高い
中古のワンルームマンションは面積が小さいこともあり、非常に格安な物件もあります。
しかし、相場よりも著しく格安な場合は以下に注意しましょう。
- 老朽化が激しい
- 心理的瑕疵物件(事故物件)の可能性
- 競売物件に注意
老朽化が激しい
建物の老朽化が激しい物件は空室・家賃下落リスクが極端に上がりますし、将来的に修繕費用が高額になる可能性が高くなります。
場合によっては、購入直後にリフォームなど購入物件の修繕をしないと収益が見込めないかもしれません。
心理的瑕疵物件(事故物件)の可能性
物件価格が周辺相場より低い場合、過去に何らかの事故や事件が起きた物件の可能性があります。
事故物件の場合、基本的に「告知義務」があるので、物件情報などに「告知事項あり」と記載されています。
見落とさないよう注意して、このような記載があった場合は、どのような事故・事件が起こったのか確認するようにしましょう。
競売物件に注意
さらに、格安物件の代表格に「競売物件」があります。競売物件とは、ローンの支払いなどが滞った人の所有物件が売りに出され、その売却金額で返済を行うために差し押さえられた物件のことです。
確かに、競売物件は格安で取得できるケースが多く、相場より2~3割程度安い傾向があります。
しかし、最初の投資用物件としては避けた方が良いかもしれません。というのも、競売物件には以下のリスクがあるからです。
- 過去の住居者に家賃滞納が多いなどの問題物件の場合がある
- 競売期間が短く、収益性などの情報が少ない
- 売主に瑕疵担保責任がない(欠陥物件であったとしても売主の責任がない)
このようなリスクはプロでも判別が難しいのが現状です。
リスクのない競売物件もゼロではありませんが、いくら格安で取得できるチャンスがあったとしても、特に最初の投資用として競売物件は避ける方が無難かもしれません。