2022年度から、高校の家庭科で金融教育が始まる。日本は欧米に比べて投資をする人が少ないが、日本人の中には「学校で金融教育をしてほしかった」と考えている人も少なくないようだ。金融教育のスタートによって、日本でも資産運用が活発になるのだろうか。

どうして高校で金融教育がスタートするの?

高校で金融教育が始まるのは、新高等学校学習指導要領にその旨が盛り込まれているからだ。

家庭科において「持続可能な消費生活・環境」について扱うことが求められ、その中には 「生活における経済の計画」が含まれる。「生活における経済の計画」においては、以下の方向性でカリキュラムを編成することが求められているのだ。

・家計の構造や生活における経済と社会との関わり、家計管理について理解すること
・生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について、ライフステージや社会保障制度などと関連付けて考察すること

上記の「家計管理」において金融教育が行われることになっており、文部科学省の公式サイトで公表されている「新高等学校学習指導要領の解説」では、以下のように説明されている。

「家計管理については、収支バランスの重要性とともに、リスク管理も踏まえた家計管理の基本について理解できるようにする。その際、生涯を見通した経済計画を立てるには、教育資金、住宅取得、老後の備えの他にも、事故や病気、失業などリスクへの対応が必要であることを取り上げ、預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット、デメリット)、資産形成の視点にも触れるようにする」

「投資はギャンブル」は死語に?

上記の説明の中で、「株式」「債券」「投資信託」といった言葉が出てきた。一般的に資産運用を行う際には、これらの金融商品に投資することになる。そのため、いよいよ日本でも高校生が資産運用の基礎を学ぶことになったわけだ。

ちなみに松井証券が20〜50代の男女600人を対象に実施したアンケート調査では、「学校で学びたかったこと」という質問に対して71%が「お金関係」と回答しており、「人間関係」の39%をはるかに上回っている。

日本人の中には「投資はギャンブル」と思っている人もいるようだが、高校で金融教育が始まったら、その考え方は完全に時代遅れになるだろう。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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