生まれた時から自然に使っている日本語ですが、実は間違った使い方もあるので注意が必要です。例えば、お礼の気持ちを表すときには、「お気遣いいただきありがとうございます。」「お心遣いに感謝いたします。」など、シーンに合った表現を使い分けるのが一般的です。当記事ではそれぞれの表現について解説しますので、意味を覚えてビジネスで正しい日本語を使えるようにしておきましょう。

目次
「お心遣い」の意味とは?
「お心遣い」と「お気遣い」「心配り」の違い

「お心遣い」の意味とは?

「お心遣い」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

自分では普通に日本語を話しているつもりだったのに、上司に言葉遣いを注意された、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。たとえば、時候の挨拶やビジネスシーンで耳にする言葉のひとつに「お心遣い」があります。まずは、基本的な意味を押さえておきましょう。

お心遣いの意味①気持ちの配慮

この言葉は「気配り」「思いやり」と同義語とされています。相手が自分や自分の会社、お店、家族のために何かをしてくれたことを感謝するときに、用いることができます。

もちろん、相手が自分にしてくれたことを具体的に伝えてお礼の気持ちを伝えることもできますが、「お心遣い」というと具体的な内容だけではなく、相手の気遣う気持ちに対してのお礼を述べたい場面でよく使われます。

お心遣いの意味②お金

「お心遣い」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

日本では古くから冠婚葬祭でお金を渡す習慣がありますが、「お金」という言葉をそのまま使うのは適切ではないので、代わりに「お心付け」という言葉が使われます。また、「心ばかりですが」といって金品を贈る場合もあります。

直接的に「お金」というよりも、遠回しな表現ですが、「心」という言葉を使うことで、お金を包む側の気持ちも含んだ適切な表現とされています。

「お心遣い」と「お気遣い」「心配り」の違い

「お心遣い」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

「お気遣い」が一般的な表現・動作で広い対象に向けたものだとすれば、「お心遣い」はより対象を絞った行為に対するお礼の気持ちを表す表現だと言えます。この2つの言葉の意味の違いを例を挙げて見てみましょう。

「お心遣い」と「お気遣い」の違い

例えば、雨の日にデパートで買い物をして帰ろうとしたとき、店員が「足元に気をつけてお帰りください」と言ったとしたら、それは一般的な「気遣い」といえます。

しかし、子連れで荷物をたくさん抱えたお母さんが雨の中車まで移動するのに手間取っているのをみた店員さんが、「一緒に車までお送りします」といって助けを差し伸べたなら、それは「心遣い」といえるでしょう。

「お心遣い」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

また、取引先を訪問した際、お茶菓子を出され、「このお茶菓子、とてもおいしいですね」と言うのも、その一例です。すると、話をしている間に、そのお茶菓子を買ってきて、お土産に渡してくれたとします。

この場合、お茶菓子を差し出されたことは「気遣い」ですが、お土産を用意したことは「心遣い」が正解となります。

このように、「お気遣い」は一定のマナーやマニュアルの範囲内の言動であるのに対し、「お心遣い」とは、単なる気遣いを越えた親切な行いを受けた時に使えるということが分かっていただけるのではないでしょうか。

「お心遣い」と「心配り」の違い

「お心遣い」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

互換性のある言葉として使用されることの多い「心配り」ですが、実際には「心配り」は、相手への配慮が行き届いていることを表現するために使われることが多いようです。たとえば、「あの人は心配りのできる(思いやりのある)人だ」というように、相手への配慮を表現するために使われます。

また、「お心配りをありがとうございます」という表現は、受けた配慮に対して、感謝や労いの気持ちを表すために使われます。会話でもメールでも使える丁寧なフレーズです。

このように、「心配り」という表現を用いるときは、相手がいろいろな状況に気を配って忙しく応対してくれている動作によりフォーカスしてお礼を述べるときに使うのがふさわしいでしょう。