目次
特定の細胞にウイルスと遺伝子を送り付けられる利点

特定の細胞にウイルスと遺伝子を送り付けられる利点

「赤い光」で照らした細胞の遺伝子だけを書き換えるウイルスが開発される!
(画像=狙った細胞にだけウイルスを感染して遺伝子を書き換える技術の応用範囲は広い / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

今回の研究により、狙った細胞だけ遺伝子を書き換える技術が開発されました。

この技術を用いれば、同じ種類の細胞が並ぶ中で、1つだけ遺伝子を書き換えたときに何が起こるか? といった変化を調べることが可能になります。

また生物に対して行った場合、体を傷つけることなく、狙った表面にQRコードやバーコードの蛍光遺伝子を埋め込むことが可能になります。

また医学においては、がん細胞などの病巣だけに、毒性の高い遺伝子をウイルスに乗せて届けられるでしょう。

研究者たちは今後、赤色以外のさまざまな光に反応する仕組みを開発することで、任意の細胞に複数の遺伝子組み込みを同時に行えると考えています。

改造ウイルスを用いた遺伝子組み換えは、今後の医学と生物工学の、けん引役となるでしょう。


参考文献

A remote control for gene transfer

元論文

Spatiotemporally confined red light-controlled gene delivery at single-cell resolution using adeno-associated viral vectors


提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功