前回の記事(うるさい以上の被害あり!? コロナ禍のオフィスで目立つ「イヤホンボイス公害」)に引き続き、テレワーク時代の新たな問題について解説していく。本記事で紹介するのは、コロナ禍のオフィスで発生している「会議室難民」問題だ。

会議直前に「空き部屋ナシ」!? コロナ禍あるある「会議室難民」
(画像=『BCN+R』より引用)

会議室難民とは

 「会議室難民」とは、空いている会議室を求めて彷徨うワーカーたちのことだ。オフィスから商談や打ち合わせなどのオンライン会議に入ることが増えた今、会議室の競争率が上がっている。プラザクリエイトの調査では、51%が「直近半年で会議室が足りない、不足していると月に一度以上感じる」と回答。緊急事態宣言が明け、徐々にオフィスへ人が戻りつつある今、オフィスでは「会議室難民」が増えているのではないだろうか。

会議直前に「空き部屋ナシ」!? コロナ禍あるある「会議室難民」
(画像=『BCN+R』より引用)

出社するようになると「会議室難民」問題が発生する

会議室の需要は高まる一方で、オフィスの会議室数には限りが

 会議室は従来、2人以上が集まってミーティングをするための場所だ。個人のデスクとは違って区切られた空間なので、機密性の高い情報を扱う会議や、個人情報に配慮すべき採用面接ができる。また、新商品開発に向けてブレインストーミングをする、サンプルを見ながら改良案を考えるなど、顔を突き合わせる仕事にも適した場所だ。

 しかし、コロナ禍の今、会議室は新たな使われ方をするようになった。従来のように2人以上が対面で話す場所としてだけではなく、「オンライン会議に参加するための静かなスペース」として利用されているのだ。

 コロナ前では考えづらいが、10人用の広い会議室を社員たった1人が使っているということも今ではめずらしくない。また、会議が続く場合には、1人が何時間も同じ会議室にこもる状況も見受けられる。そうすると、会議室を使いたいのに場所を見つけられない「会議室難民」が発生してしまう。

 こうした背景から、いざオフィスからオンライン会議に入ろうと場所を探しても、どこにもスペースを見つけられずアタフタしたという経験は、コロナ禍オフィスの“あるある”なのではないか。新たな利用用途によって高まった会議室需要に対し、コロナ前と変わらない会議室数しかないオフィスでは、需要と供給のバランスが崩れているのだ。

 会議室が常に埋まっていると、仕事にも支障が出てしまう。急な来客に対応できなければ、ビジネスチャンスを逃すかもしれない。会議室が埋まっているゆえに、本来はオフラインで顔を突き合わせてやりたい仕事を仕方なく自宅でやることになれば、生産性も下がりかねない。そこで、高まる会議室需要と実際の供給の間にあるギャップを埋める策が必要だ。