ビジネスのプロジェクトマネジメントや、物事の状況を示すのによく使われる「フェーズ」という言葉。しかし、複数の意味を持つ外国語から来たこのカタカナ語を、曖昧なまま使ってはいないでしょうか。今回は、「フェーズ」という言葉の意味と英語の「phase」の意味を明確にし、ビジネスでの使い方や例文を紹介します。また、日本語での言い換えの仕方や類語も解説していきます。

目次
「フェーズ」の意味や語源とは?
「フェーズ」の正しい使い方と例文

「フェーズ」の意味や語源とは?

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

例えば、誰かとお付き合いすることになった場合、まずは「出会い」の段階があり、その後に「交際」の段階へと進みます。そして最後に「結婚」の段階が来るはずです。出会ってから何の段階も踏まずに結婚とはならないでしょう。

この段階という言葉が、英語でいうところのフェーズです。このように、「フェーズ」という言葉は、本来の英語が指している言葉の意味とほぼ同じ使い方がされますが、業界によって「フェーズ」の使い方に違いがあります。ここでは、「フェーズ」が業界でどのような意味で用いられているかを解説します。

「フェーズ」の意味

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

「フェーズ」は、主にビジネス用語として「段階・区切り」「段階・時期」という意味で使われています。プロジェクトの進捗状況や事業の成長過程などを指す場合と、企業の状況が変化したときの物事の段階や段階を指す場合とがあります。

また、物理学でも「相・位相」を指して使われ、物事の見方や、様々な相が変化していく様相という意味を持っています。つまり、「フェーズ」とはこの場合単位で明確に区切られたものではなく、一連の変化として現れるものの段階や様相のことを指しています。

英語の「phase」が語源

「フェーズ」の語源は英語の「phase」です。間違えて発音通り「faze」、「phaze」と綴らないように注意しましょう。英語の「phase」の意味は「段階」「位相」であり、カタカナの「フェーズ」は英語の発音を引き継いでいます。

英語の「phase」には多くの意味がある

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

さきほども少し触れましたが、英語の「phase」には、さまざまな意味があります。ビジネス以外にも、天文学で月の満ち欠けを表現したり、専門用語として、化学組成や物理状態が全体的に均一なものを表現するのに使われることもります。

つまり、ビジネスを含む日常生活で使われる意味と、学術領域で使われる意味の2つに大別されると言えるのです。

「フェーズ」の正しい使い方と例文

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

ここでは、みなさんが使う機会の多い、ビジネスの場における正しい使い方について解説します。どのようなシーンで「フェーズ」と使われるかを理解して、お互いが正しい認識を共有することで、説明や情報共有が容易になり、仕事を進めやすくなります。

使い方・例文①局面を表す場合

「フェーズ」は、「曲面・時期」を指す言葉として使うことができます。そのため、現在の状況から別の新しい時期への移行を表現するために、例えば、「人工知能の発達により、我が社で扱っている商品開発はフェーズが切り替わろうとしている」、「取引先が上場することになったから、これからはフェーズが変わることになる」などの言い方ができます。

使い方・例文②段階を表す場合

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

ビジネスでは、プロジェクトのプロセスをいくつかの段階に分けるときに「フェーズ」が使われます。プロジェクトマネジメントでは、「フェーズ1」「フェーズ2」のように、目標に至るまでの複数の工程に番号を振るのが一般的です。

「フェーズ」は、段階的な規制や臨床試験などでも使われることがあります。例えば、「〇〇規制は現在フェーズ1だが、次はフェーズ2が予定されている。」「フェーズ2の臨床試験のためのシンポジウムが開催されました。」のような使い方です。

また、「〇〇プロジェクトのフェーズ3では、A社との提携が予定されている」「フェーズ2に移行する前に、全てのフェーズ1のタスクが完了する必要があります。」といった使い方ができます。

使い方・例文③他の単語と組み合わせて使う場合

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=『工具男子』より引用)

ここでは、一般的にもよく使われるフェーズの使い方2つを紹介します。「フェーズフリー」「フェイズフリー」とは、平時と災害時の両方で有効に活用できる製品やサービス、およびその提供価値を指す言葉です。

よく耳にする「バリアフリー」は、高齢者や障害者など、介助が必要な人への空間的な自由を提案するものです。一方、「フェイズフリー」は、すべての人に時間的な自由を提案するものです。「フェーズフリー社会」「フェーズフリーデザイン」「フェーズフリー住宅」などの形で使われます。

「フェーズ」とはどういう意味?正しい使い方の解説と例文をご紹介!
(画像=引用:Honda、『工具男子』より引用)

また、「フェーズゲート」とは、フェーズとフェーズの間のバリアのようなものを指しています。建設や仕事のプロジェクトでフェーズの切れ目をはっきりさせておくことで、その基準(条件)を満たした場合にのみ、次のフェーズに進むことができます。そのため、問題やリスクを早期に発見し、対策を講じることが可能となるのです。