目次
ディスパッチャーになるには?
ディスパッチャーに必要な資格やスキル
ディスパッチャーになるには?

では、この仕事に就くためにはどうしたらよいのでしょうか。学歴や求められる資格など、ディスパッチャーを目指す方が知っておくべきいくつかのポイントをご紹介します。
大学卒業後に航空会社に就職する

まずは、航空会社や運航管理を専門に行う企業に就職することが第一歩です。適性があると判断されれば、飛行業務室に配属され、2年以上の経験を積んだ後、最も一般的なコースである「運航管理者技能検定」を受けることができるようになります。
応募資格は21歳以上で、飛行機の操縦、運行管理補助等の業務のいずれかに2年以上従事した経験を有する方のみとなっています。また、国家試験に合格した後、数年間の実務経験が必要とされます。
とはいえ、資格が手に入ればすぐにディスパッチャーになれる訳ではありません。通常、国家試験に合格した後数年間は運航業務等を担当して経験をつみながら、社内試験に合格して初めて正式なディスパッチャーとなることができます。
高校や専門学校からでもなれる?

航空会社の運航部門や、航空会社の関連会社で運航を専門に行うディスパッチャーですが、この仕事に就くためには大学を卒業後、そのような業務を扱う会社に入社するのが一般的です。
学生時代に職業訓練を修了する必要はありませんが、ほとんどの大手航空会社が大卒以上の学歴を要求しているため、大学に進学するのが有利です。
一般に航空会社では「事務職」として採用されることが多く、必ずしもディスパッチャーが働く運航部門に所属するわけではありません。
しかし、自分がディスパッチャーになることを目指していることや熱意を伝えておくと、要望を汲み取ってもらえる可能性がありますので、採用担当者に伝えておくとよいでしょう。
ディスパッチャーに必要な資格やスキル

ディスパッチャーになるためには、「運航管理者」と「航空無線通信士」と呼ばれる、2つの資格が必要です。ここでは、こうしたディスパッチャーに求められる資格について詳しく解説します。
資格やスキル①運航管理者

運航管理者の資格は国家資格であり、国土交通省が運航管理者の運用を管理しています。運航管理者になるには、「運航管理者技能検定」に合格する必要があります。
運行管理者になるには、受験資格があるため、簡単ではありません。まず、21歳以上であること、さらに操縦、航空航法、気象業務、機上無線設備操作、航空交通管制、運航管理者の補助の経験があることが条件となります。
これらのうち1項目で2年以上、2項目以上で1年以上、または運航管理者補佐の経験が1年以上ある方が受験資格を得ます。試験は、筆記試験と実技試験に分かれています。

合格点は各科目100点満点中70点で、実技試験に合格しなければ実技試験を受けることはできません。合格者は、受験者の希望日を考慮した上で、合格後2年以内に実技試験を受験することができます。
合格率は非公表ですが、科目数が多いことや実務経験が必要なことを考えると、試験内容の難易度もさることながら、資格自体の難易度も高いようです。
資格やスキル②航空無線通信士

ディスパッチャーは、飛行中に機長と無線で交信し、飛行計画通りに安全に飛行できるようにするのが仕事なので、「航空無線通信士」の資格も必要です。
航空無線通信士は、総務省が所管する国家資格です。主にパイロットや航空管制官が取得する資格ですが、ディスパッチャーになるためにも取得が必須になります。
試験は、無線工学の基礎、法規、英語、電気通信術の4科目で構成されています。試験は年2回行われ、受験に際して学歴や年齢などの制限は設けられていません。
資格やスキル③英会話力

航空関連の仕事、特に運航や運行安全管理に関わる仕事では、パイロットや管制官などと航空英語という特殊な英語を使ってコミュニケーションを取ることになります。また、ディスパッチャーは必ずしも国内の空港に配属されるわけではなく、海外の空港に派遣される場合もあります。
ディスパッチャーの扱う仕事は主に運航中の安全管理を担っており、他職種とのコミュニケーションを効率的かつ迅速に行わなければ、致命的な事故につながる可能性があります。特に航空英語では、コミュニケーションを取りやすくするために、明確な発音が不可欠です。
そのため、英語は読めるけど話せないなど、英会話が苦手な方がディスパッチャーになるのは無理です。最低でもTOEIC800点以上、英検2級以上の英語力が必要と言われています。