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山林の売買|山林を売るときの方法は5つある
山林売買で山を売るときの注意点は3つある

山林の売買|山林を売るときの方法は5つある

山林は売買できる!マイ山の買い方・売り方・注意点を初心者にもわかりやすく紹介
(画像=引用:Pixabay、『マウンテンシティ』より引用)

今度は反対に、山林を売る側の方法や注意点を見ていきましょう。

山林を売る方法は5つあります。売買の際の基本的な流れはどの方法も大体同じです。

  • 何らかの手段で山林を買ってくれる人(会社)を見つける
  • 買ってくれる人を見つけたら売買に向けての相談や現地調査、交渉など
  • 山林売買の話がまとまったら売買契約を結ぶ
  • 山林を買主に引き渡し、売主は売買代金を受け取る

山林を売るときに問題となるのは、「どこで買主を探すか」です。山林は住宅と同じ不動産ですが、住居よりも販路が狭く欲しがる人がある程度限られるという特徴があります。買主探しの場もある程度限られてくるのです。

山林を売るときの方法の違いは主に「買主を探す場所の違い」あるいは「買主の違い」になります。

方法①不動産会社(専門業者)に相談して売買

山林も不動産ですから、売りたいときは不動産会社に相談して売却するという方法が利用可能です。不動産会社で不動産を売却する方法には仲介や買取があり、不動産会社によって扱っている方法に違いがあります。

仲介とは不動産会社と仲介契約を結び買主を探す方法です。不動産会社はあくまで買主と山林所有者である売主の中間に立ち、売買契約の成立をサポートする立場になります。

買取とは不動産会社が山林や戸建住宅といった不動産を買う方法です。不動産会社が買主になるため、山林を売る際に買主を探すことはありません。

不動産会社によって山林を扱っているかどうかも変わってきます。山林自体を扱っている会社もあれば、山林は扱わないという不動産会社もあるのです。また山林を扱う不動産会社の中でも仲介のみという会社もあります。

山林は不動産買取を実施している会社でも、難色を示すことの多い不動産です。ただ山林の立地や不動産会社の業務内容によっては、買取の可能性もあります。

山林を扱っている不動産会社を探し、仲介や買取などについて相談したうえで売却を進めましょう。

方法②山林を買取っている会社に売却

山林に関わる業務内容の会社の中には、山林の買取をしているところもあります。

たとえば山林の伐採などを事業にしている会社の場合、山林はあって困るものではありません。むしろ事業拡大や事業継続のためには所有する山林を増やすことも必要です。

このような会社の場合は、ホームページで山林の買取を実施している旨を記載していることがあります。山林を売りたいなら山林の買取をしている会社に売ることも可能です。

よく山林の買取をしている会社としては、木材伐採系の会社、造林系の会社、木材の製造や販売会社、木材製品系の会社、山林管理会社があります。

方法③森林組合に売買について相談

森林組合とは、森林所有者たちの組合です。活動内容は森林の保全や生産力の増進になっています。

もちろん森林組合は日本の山林のためにある組織ですから、山林に関する知識や情報を有しているのです。維持管理や譲渡など山林で困ったことがあれば相談できます。

山林売却へのアドバイスや斡旋なども受けられる可能性があります。

方法④近隣住民や山林のオーナーへ売買

山林を欲しがっている人を自分で探して売買する方法になります。

うっかり思い込みがちですが、山林の買主は必ず不動産会社などを通じて探さなければならないというルールはありません。山林所有者仲間に引き取ってくれる人はいないか、周囲の人で山林を欲しがっている人がいないか。または山林オーナーで買主になってくれる人はいないかなど、個人的に買主を探すことも可能です。

ただ個人間売買はあまりおすすめしません。なぜならトラブルの元になりやすいからです。

山林の場合は土地と土地の境界線が分かり難く、個人間でやり取りを進めることが難しいところもあります。

また山林売買をする際は個人で買主を見つけても差し支えありませんが、売買時は税理士や弁護士、専門業者などに間に入ってもらうことをおすすめします。あらかじめアドバイスも受けておきましょう。

方法⑤マッチングサイトを通じて売買

山林を売却する際に、インターネット上のマッチングサイトを活用して買主を探す方法もあります。

マッチングサイトとは買主と売主をつなぐサイトで、買主は売却したい山林情報を閲覧でき、売主は情報を登録することでサイトを通じて買主を探せるサイトです。

このマッチングサイトを使う方法は、まずマッチングサイトを運営している会社に相談します。その上で山林の権利書類といった書類調査や、山林そのものの現地調査を行って情報登録を行うという流れです。しかる後に買主が見つかれば売買の交渉・成立となります。

マッチングサイトによっては山林の情報を登録しつつ、売却先を別に探すことも可能です。他の山を売る方法と併用してもいいでしょう。

山林売買で山を売るときの注意点は3つある

山林は売買できる!マイ山の買い方・売り方・注意点を初心者にもわかりやすく紹介
(画像=引用:Pixabay、『マウンテンシティ』より引用)

山を売りたいと考えているなら、「売れるように」しておくことも重要ではないでしょうか。せっかく買主が見つかっても、売るための準備ができていないとタイミングを逃しかねません。

山林をスムーズに売るための3つのポイントに注意してください。

山林を売るときは早めに売買に着手する

山林は買主や販売ルートがある程度限定されてしまいます。そのため山を扱っている不動産会社やマッチングサイト、森林組合の力を借りてもすぐに買主が見つからないかもしれません。

「売ろうと思えばすぐに売れるだろう」と売却を後回しにするのではなく、売りたいときは「いつまで売りたいか」を自分なりに決めて早めに動き出すことが重要です。

たとえば毎年の固定資産税や、山林の管理費用をなくしたいと考えていたとします。この場合、売却への着手が遅くなるとその分だけ買主が見つかるのが遅くなってしまうはずです。

また着手が遅かったばかりに、買主候補を逃すかもしれません。タイミングが悪いと、山林を探していた買主に見られない可能性があります。加えて売却への着手が遅かったばかりに、次の年の税金や管理費用が発生するかもしれないのです。

チャンスを逃さないためにも、そして不要な負担を負わないためにもスムーズかつ迅速な対応は必要でしょう。

山林がどのような状態になっているか確認しておく

山林を売るときに「山林がどうなっているかわからない」「荒れ放題になっていた」だと、売却がスムーズに進まない可能性があります。山林の場合は立木も価値を持ちますから、常日頃から山を管理しておくことは重要です。

最低限でも山林売買のときに、山の状況は把握しておくようにしましょう。可能であれば自分や親族、あるいは管理会社に依頼して売却する山林の手入れをしておくこともポイントです。

山林売買の前提として相続時は名義変更をしておく

相続した山林を売るときは、亡くなった人(被相続人)から相続人(現所有者)へと名義変更しておかないと売却を進めることができません。

せっかく買主が見つかっても「名義変更(相続登記)していなかった」では、せっかくの買主を逃してしまいます。買主が現れたタイミングで迅速に売却できるように、相続山林の名義変更は早めに済ませておきましょう。

名義変更の手続きは法務局に申請します。法律知識を要する手続きなので、ミスを防ぐためにも専門家である司法書士に相談するのがおすすめです。