目次
「落としどころ」の類語表現
「落としどころ」の英語表現
「落としどころ」の類語表現

「落としどころ」という言葉は、同じ意味の類語があるので、場合によっては使い分けるのがおすすめです。それでは、「落としどころ」という言葉の類語と使い分けの必要なシチュエーションを見ていきましょう。
類語①妥協点
1つ目は、「妥協点」です。「妥協」とは、「対立する2者の間で合意点を見出し、平和的に解決すること」を意味する言葉です。争いごとを避けてより平和的に解決するために相手に譲るという意味合いが含まれています。そのため、相手によっては「ネガティブに考えている」「弱気になっている」という印象を与えてしまうこともあります。
類語②折衷案

2つ目は「折衷案」ですが、この言葉は「2つ以上の異なるものを組み合わせて、より良いものを作る」という意味です。
基本的に悪い意味はないのですが、本当は自分が押したい案があるのに、そうするのが難しく感じるとき、「折衷案」という表現で落としどころとする場合があります。とはいえ、元々の「落としどころ」の目的とするところからは離れていると言えるでしょう。
「折衷案」という言葉は、日常生活で頻繁に使われる言葉ではありません。むしろ、会社や組織で襟を正すような、よりフォーマルな場面で使われることが多い言葉です。

例えば、賃金や労働時間などの雇用条件について、従業員と会社が話し合う場合、会社は従業員の意見を踏まえて雇用条件を変更する「折衷案」を出すことになります。
例としては、「憲法改正では、与野党が折衷案を出した。」「職員の労働条件について、大学側が折衷案を出すことにした。」のような言い回しが適切です。
類語③すり合わせる
「すり合わせ」とは、「交渉において情報を共有し、調整することで妥協点を見いだすこと」を意味する言葉です。
例えば、AとBという2つの案があった場合、「すり合わせ」とは、AかBのどちらにするかを議論するだけでなく、2つの案を調整して妥協点を導き出すことを意味します。

仕事をする上で、自分の意見ばかり通すのは良くないし、相手の意見を丸ごと通すのも問題です。お互いに利害関係のある二人が合意したときに、どちらか一方だけが得をするような形で決着をつけると、仕事はうまくいきません。
そこで登場するのが「すり合わせ」です。お互いにメリットのある妥協点を見つけ、新しい意見を生み出す作業こそが「擦り合わせ」と言えます。
ビジネスの場では、意見が食い違ったり、違う考えが出てきたりしたときには、「すり合わせをしよう」と言って、どちらかが損をしないような妥協点を見つけることが大切なのです。
「落としどころ」の英語表現

最後に、「落としどころ」を表す英語のフレーズと例文を見てみましょう。国際会議や外資系企業との取引などの場面で、ぜひこれらのフレーズを使ってみてください。
英語表現①compromise
「落としどころ」を表す英語は、「compromise」が最も一般的です。自己主張の強い英語圏では、話し合いも一方通行になりがちです。そこで「compromise」して、中間で合意に至ることはよくあることです。
新しい条件を設定したり、新しい取り組みについて議論したりする際に、相反する考えを限られた時間の中で有効に活用するための手法でもあります。英語を用いたビジネスの場で「compromise」を巧みに取り入れられる人こそ、腕のあるビジネスマンとして認められるのです。
英語表現②Common ground
「落としどころ」は「common ground」と訳すこともできます。直訳すると「共通の基盤」となり、相互に合意できるものを意味します。例として、「相違点についての議論で時間を無駄にしないためにも、落としどころ(common ground)を見つける必要があります。」というような文で使用できます。