より完璧なネアンデルタール人の培養脳を目指す

ネアンデルタール人の遺伝子を組み込み「人工培養したミニ脳」が作られる 現代人よりシワが多く早熟型だった
(画像=発見された61個全ての遺伝子を置き換えればより完璧なネアンデルタール人の培養脳ができる / Credit:Canva、『ナゾロジー』より 引用)

今回の研究により、絶滅した種族の脳を、部分的ながらも再現することに成功しました。

また、1つの遺伝子の違いが、脳の性質や成長速度を大きく変える要因になることも示されました。

これらの違いは、人類とネアンデルタール人の間で、心や精神、知能に思っていた以上の差があったことを示唆します。

また、現代に生きる人類のNova1がほぼ統一された形を持っているという結果は、Nova1に起きた変化が人類の生存にとって有利であったことを示します。

研究者たちは今後、同時に発見された他の60個の遺伝子も置き換えて、より完璧なネアンデルタール人の脳の作成を目指すとのこと。

参考文献
NEANDERTHAL BRAIN ORGANOIDS REVEAL WHAT MAKES US HUMAN
元論文
Reintroduction of the archaic variant of NOVA1 in cortical organoids alters neurodevelopment

提供元・ナゾロジー

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