鴻之舞鉱山跡探訪

かつて北海道にはいくつもの炭鉱があり、炭鉱の企業城下町が各地に栄えました。
炭鉱だけではなく金や銀を産出する鉱山も各地に有りました。
1989年に廃線となった名寄本線の中継地点である紋別駅からは、鴻之舞鉱山との間を結ぶ鴻紋軌道が敷かれ、人や物資を運んでいました。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

紋別市の幸町にある紋別駅跡に建つ「オホーツク氷紋の駅」から、鴻紋軌道の跡を辿りつつ、半世紀近く前まで鉱山の街としてで賑わった鴻之舞を訪ねてみました。

目次
現存する上藻別駅逓
眼前に次々と現れる遺構と記念碑

現存する上藻別駅逓

道道305号線を、鴻之舞地区に向かって車で20分程走ると「上藻別駅逓」が現れます。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

駅逓と言うのは、馬車で物資を運搬する際の中継所で、人馬の継立、宿泊、郵便などの業務を請け負う所で、これは北海道独自のシステムでした。
保存会の方々の尽力で、1936年に建てられた建物が国の登録有形文化財として残されています。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

いや～、素晴らしいですね。現役時代そのままと言った佇まい。
2008年には、ここで韓国映画のロケも行われたそうですよ。

眼前に次々と現れる遺構と記念碑

さぁ、先に進みましょう。
上藻別駅逓からしばらく走ると、橋のようなものが見えてきます。
これは、鴻紋軌道の橋梁で、「五号杭橋」と言うのだそうです。
現在は、鉱山の沈殿池に中和剤を送るパイプラインとして使われているとの事。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

更に進むと左側に開けた場所がありました。そこにはいくつかの記念碑が建てられていました。
これは「鴻之舞鉱山慰霊碑」。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

碑文を読むと、この鉱山でも沢山の人が作業中の事故で犠牲になっている事が分かります。
その中には、強制連行で日本に連れて来られた朝鮮、中国の人達がいた事を忘れてはいけませんね。
そしてこちらは、「鴻紋軌道記念碑」です。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

開山100周年を記念して建てられた碑もありました。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

これらの石碑のある場所のすぐ脇の林の中には、橋脚の様な遺構がありました。
鴻紋軌道の橋脚だったのでしょうか。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）

これは、当時鴻之舞集落の中心地であった元町地区に建てられていた鴻之舞中学校の碑。
1960年頃には、この地域に7000人ほどが住んでいたという事です。

（画像＝『北海道そらマガジン』より引用）