スーツのボタンの留め方にはルールがあります。普段スーツを着ている方は感覚的にはわかっているかもしれませんが、スーツの種類やボタンの数ごとのより細かいルールを再確認しましょう!このページを読んでいただければ、今後どのようなスーツにも対応可能です!
スーツの種類によるボタンの正しい留め方
スーツの種類ごとにボタンの正しい留め方を紹介していきます。シングルスーツとダブルスーツに分け、ボタンの数ごとの正しい留め方を紹介するので、これで基本的なマナーはばっちりです。
シングルスーツ
まずはシングルスーツのボタンの留め方を解説します。シングルスーツは2つボタンか3つボタンのどちらかが主流です。シングルスーツを着ている人は多いので、すでにご存じの方も多いかと思いますが、紹介しておきます!
2つボタンの留め方
シングルスーツの2つボタンは現在もっとも流通しているタイプです。就活生からサラリーマン、経営者まで幅広く着られていますね。シングルスーツの2つボタンは、上のボタンだけ留めて、下のボタンは外して着るのがマナーです。
全部外している方も多いですが、面接や商談以外のシーンでは全部外していてもマナー違反というわけではありません。逆に2つともボタンを留めてしまうのはマナー違反になります。単純にスーツの着こなしに慣れていない人に見えますね。
3つボタンの留め方
3つボタンの場合、一番上と真ん中のボタンを留め、一番下は外して着るのが一般的です。段返りの場合真ん中だけ留めますが、一番上を留めるとマナー違反というわけではありません。3つボタンの場合、とにかく一番上と真ん中のボタンを留めておけば間違いないでしょう!
ちなみに、よくある勘違いが一番上のボタンだけ留めるやり方です。3つボタンの場合一番上だけ留めているとバランスが悪く、またマナー違反になります。3つとも全部留めているよりは印象としてマシかもしれませんが、3つボタンの場合真ん中のボタンは留めるようにしましょう。
なぜ一番下のボタンを留めないのか?
2つボタンでも3つボタンでも一番下のボタンを留めないということでしたが、なぜ留めないのでしょう。それには、以下の理由があります。
スーツのジャケットはもともとフロックコート(19世紀中頃から20世紀初頭にかけて使用された昼間の男性用礼服)というコートで、その際ボタンは飾りでした。それがモーニングコートになり、さらに裾が短くなって現在のスーツのジャケットになっています。その名残で一番下のボタンは飾りとして残っているのです。現在のスーツは一番下のボタンは留めないよう設計されているので、留めてしまうとシルエットが崩れてしまいます。
もともとスーツのボタンというのは留めないものだったのですが、ビジネスマナーが変わり、上のボタンだけ留めるようになりました。そして、現在のスーツは上のボタンを留めて、下のボタンは飾りという前提で設計されていますね。一番下のボタンを留めなくなったのではなく、むしろ上のボタンを留めるようになったと考える方が歴史的背景を考えると自然です。
ちなみに、スーツを仕立てるのが基本だった時代には、飾りボタンは服地と隙間なく付けるものでした。その後機械化されて大量生産されるようになりましたが、その際飾りボタン用にミシンの設定を変えるのは面倒だということで、現在のように留められる飾りボタンとなっています。
ダブルスーツ
ダブルスーツの場合、日本では一般的に一番下のボタンも留めます。画像の人は留めていませんが、海外では基本的にスーツの着こなしの自由度が高く、どのボタンを留めるかも日本に比べるとルールが少なめと言えるでしょう。
少なくとも、日本でダブルスーツを着る場合ボタンを留めるなら一番下まで留めるのがマナーです。
こんなケースの正しいマナー
一般的なスーツのボタンの扱いを紹介しましたが、例外も存在します。シチュエーションや動作によってマナーが変わってくるので、紹介します!
ベストを着用したスリーピースの場合はどうなるの?
スリーピースとはジャケット、スラックス、ベストの3点セットを指しますが、ベストを着用する場合ジャケットのボタンの扱いは事情が変わってきます。ベストを着用する場合は、ジャケットのボタンはすべて外しておいてもフォーマル感が出ます。
むしろベストを中に来てジャケットのボタンを留めてしまうと、着ぶくれしたりシルエットが崩れたりします。ベストを着る場合ジャケットのボタンはすべて外しておくのが基本ですね。ちなみに、ベストのボタンも一番下は留めません。スーツと同じ考え方になります。
座った時は?
どのようなスーツであっても、座った時は前ボタンをすべて外すのが基本的な着こなしです。ボタンを留めたまま座るとスーツにシワが寄ってしまい、見た目としてもスーツのためにも良くありません。立ったり座ったりするたびにボタンを留めたり外したりするのは面倒なので、座る機会が多いときはすべてボタンは外しておいて問題ないでしょう。