自然界には黄金比に従った対数螺旋など、共通の法則が存在すると言われてきました。
そして最近、科学者たちは新たな共通法則を発見しました。
オーストラリア・モナシュ大学生物科学部に所属するアリステア・エバンス氏ら研究チームが、生物の爪や角の成長にも共通して「べき乗則(英訳:power law)」が当てはまると報告したのです。
研究の詳細は、3月30日付けの科学誌『BMC Biology』に掲載されました。
「べき乗則」は世界中に見られる基礎的な法則
「べき乗」とは、「2³」や「5²」などのように、「x k」つまり「xのk乗」で表現できるものを指します。
そして「べき乗則」とは、簡単に言うと、数学の「 y = a x k」で示されるものであり、「観測値yは観測値xのべき乗に比例する」法則のことです。
言葉では少し難しく感じますが、ほとんどの人が学校で習ったことのある数式です。
そしてこのべき乗則は、自然界の法則にも関係しています。
例えば、重力やクーロン力などが当てはまる逆2乗の法則(物理量の大きさがその発生源からの距離の2乗に反比例する)も、べき乗則です。
またべき乗則は、地震の大きさ、都市の大きさ、株式市場の動きなどにも適用されると言われています。
生物学でもこのべき乗則のパターンが見いだされているのですが、新しい研究ではこのべき乗則が、多くの生物の角、牙、爪、クチバシなどの形状にも見られると分かりました。