オミクロン株により第6波への懸念
~ 企業の55.4%が業績にマイナスを見込む ~

はじめに

新型コロナウイルスの新規感染数は落ち着きがみられています。しかしながら、新たな変異株「オミクロン株」の出現により、政府は2021年11月30日から水際対策を強化するなど、企業活動に影響を与えています。そこで、帝国データバンクは、オミクロン株に対する企業の見解についてアンケートを行いました。

■調査期間は2021年11月16日~30日、調査対象は全国2万3,679社で、有効回答企業数は1万1,504社(回答率48.6%)。なお、景気見通しに対する調査は2006年11月から毎年実施し、今回で16回目

調査結果

  1. オミクロン株により企業の55.4%は業績にマイナスを見込む
    オミクロン株による自社の今後の業績への影響、『マイナスの影響がある』と考える企業は55.4%となり、半数超の企業で今後の業績にマイナスと見込んでいました。内訳をみると、「ややマイナスの影響がある」は29.9%、「マイナスの影響がある」が25.5%でした。他方、『プラスの影響がある』(「ややプラスの影響がある」と「プラスの影響がある」の合計)は2.1%、「影響はない」は22.1%、合わせて24.2%となり、約4社に1社は悪影響がない結果となりました。また、「どれだけの影響があるか現時点不明」(ソフト受託開発、東京都)といった声にあるように約5社に1社は「分からない」(20.4%)と回答しました。
  2. 企業からは「不安」「懸念」といった声が並ぶ
    マイナスを見込む企業からは、「不安」や「懸念」といった警戒感を示す声が並んでいます。
    ・再び経済や人の流れが滞るのではないかと非常に不安になる(配管冷暖房装置等卸売、大阪府)
    ・再度、気分・ムードが自粛方向に向かうことを懸念する(広告代理、北海道)
    ・外国人技能実習生の入国ができなくなり、生産力低下が顕著に出ている(織物卸売、和歌山県)
    他方、一部のプラスの影響を見込む企業からは、「免疫力を高めることについて注目が集まっている。乳酸菌市場にはプラスに働いている」(飲食料品卸売、茨城県)や「感染の再拡大となれば、これまでと同様に再び巣ごもり需要も見込まれる」(調味料製造、東京都)といった声もあがりました。

12月14日現在、国内では17例のオミクロン株での感染が確認されています。感染力や重症化の程度などまだまだ不透明な部分が多いことなどから、企業活動を行う上で、慎重な見方になっていることも考えられます。必要以上に警戒せず、正しく恐れ経済活動を続けていくことも重要と言えそうです。

詳細はPDFをご確認ください


提供元・帝国データバンク

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