転職の際には、気をつけなければならない書類や手続きがあります。転職先が決まってから慌てないためにも、必要な書類や手続きを事前に知っておくことが大切です。ここでは、前職の会社から入手する必要のある源泉徴収票について説明しています。「一体何のために必要な書類?」「転職の時に提出することが求められるのはなぜ?」など、一般的によくある質問の答えを確認しておきましょう。源泉徴収票を紛失した場合の対処法も併せてお伝えします。
目次
そもそも源泉徴収票とは?
転職先に源泉徴収票の提出が必要な理由とは?
そもそも源泉徴収票とは?
転職の際には、転職先の会社に様々な書類を提出する必要があります。最も重要な書類のひとつが「源泉徴収票」です。転職前に「毎年、会社から年末頃に受け取っていた」という方も多いと思いますが、実は転職先に提出する重要な書類なのです。
ここでは、源泉徴収票とは何か、なぜ提出する必要があるのか、いつ提出すればいいのかなど、社会人が押さえておくべき基礎知識をご紹介します。
源泉徴収票とは
源泉徴収票とは、会社から発行される書類で、その年に得た収入額、受けた控除額、支払った所得税の額が記載されています。
社員として勤めているにしろ、パートやアルバイトとして雇われているにしろ、給料が出ている限りは源泉徴収票を受け取るはずです。この、国に支払うべき税金の額を知らせる書類を発行する前には、まずは年末調整が行われ、その結果が源泉徴収票の形で発行されます。
例外的に、年間に支払われた給料が2000万円以上だった方は、会社による年末調整は行われません。その場合は、自分で確定申告を行って税金の支払いもしくは払い戻しを受けることになります。
源泉徴収票には2種類ある
源泉徴収票には2種類ありますが、1つ目は「給与所得の源泉徴収票」と呼ばれるもので、1月1日から12月31日の1年の期間に会社が従業員に払った給料と支払うべき所得税の額が記されています。したがって、新入社員であれば4月から12月まで、また10月に退職した社員であれば1月から10月までの情報が記載されることになります。
2つ目は、「退職所得の源泉徴収票」と呼ばれます。1つ目の給与所得とは計算方法や様式が異なります。支払いを受ける者に関する情報や、会社から支払われた退職金の金額、また受けた退職金に対する税金の額が記載されます。
1年間の収入が確定してから一気に所得税を払おうとすると、その時点で経済的な負担が大きくなってしまいます。そこで、所得税を源泉徴収で支払う「概算払い」という制度が導入されました。
毎月の給料から所得税を概算して前払い(天引き)し、12月に最終的な所得税と比較して差額を補う、このシステムを「年末調整」といいます。
転職先に源泉徴収票の提出が必要な理由とは?
では、なぜ転職すると必ず源泉徴収票を提出することが求められるのでしょうか?理由を把握しておくことで、重要度が理解できるはずです。
転職先に源泉徴収票が必要な理由
もし仕事を変える場合には、転職した先の会社側から年末調整のために前職の源泉徴収票が求められます。年の途中で転職した場合、推定所得税は引き続き毎月差し引かれることになります。よって、新しい会社では、前の会社の源泉徴収票の内容と、新しい会社が支払った給与の総額、差し引かれた所得税を合算して年末調整を行います。
確定申告は、税務署またはオンラインで行うことができます。手続き期間は毎年大体2月中旬から3月中旬の頃ですが、年によって異なる場合がありますので、詳細は税務署のホームページでご確認ください。前職の会社から受け取った源泉徴収票やその他の書類をもとに、確定申告書を作成します。
いつ源泉徴収票がもらえるの?
通常ですと、毎年12月の給料日に発行されるケースが多いですが、月の途中で退職した方の場合は、退職後1ヶ月以内に発行しなければいけない決まりになっています。また、退職時に退職金を受け取っている方の場合でも、退職後1ヶ月以内に発行されることになります。