大工の平均年収をご存知でしょうか。一概に大工といっても経験年数やスキル、細かく分類される職種によって収入に大きな差があります。この記事ではその気になる年収について深く掘り下げてご紹介していきます。これから大工を目指す方、すでに大工で年収アップを狙っている方は要チェックです!

目次
大工の平均年収は?
大工にもいろいろな種類がある

大工の平均年収は?

大工の年収は?お
給料に関する気になる情報を徹底解説!
(画像=『工具男子』より引用)

厚生労働省の調べによると、大工の年収は平均で356万円です。経験年数や独立の有無、専門職であるかどうかなどで金額は大きく変わりますが、日本の所得の平均値が422万円なので決して高い年収であるとはいえないでしょう。

ただ、技術を磨けば磨くほど収入アップが見込める職業でもあるので、体力があって向上心が高い方には向いている職業といえます。

大工の給料は基本的に日当でもらえる

大工のお給料は基本的に日給で換算されます。
その理由として天候が悪い場合は仕事が休みになること、繁忙期と閑散期の差が激しいことが挙げられます。

そして全国の平均日給は約1万6,000円。人口の多い関東は1万8,000円、九州などの人口が少ない県は1万4,000円と、県によっても収入にバラつきがみえます。

ただ注意したいのが、この数字は見習いの大工から棟梁などの一流大工までの平均日給を表しているということです。見習いの場合、日給は約8,000円、一流になると2万円以上にもなるので、かなりの差があることがわかります。

また、このような日給制だと安定した収入を得にくく、人手不足が叫ばれているこの業界で、さらに人が集まりにくい状況が生まれているのが現状です。そのため最近では月給制を取り入れている会社も多くなってきています。

大工という職業のメリットとデメリット

大工の年収は?お給料に関する気になる情報を徹底解説!
(画像=『工具男子』より引用)

大工になるメリット、デメリットにはどのようなものがあるのか、それぞれご紹介していきます。

【メリット】
まず最初に、大工は手に職をつけられる専門職なので、技術を学んで磨いていけば仕事がなくて困ることはないといえます。
「将来なくなる職業」が話題になりましたが、建築においてAIやパソコンではできない細かい作業は、やはり大工の腕が必要になるため、その点では心配ないといえるでしょう。

また、独立して成功すればサラリーマンの平均年収よりも稼げます。狭き門ではありますが、大工としての技術や知識、コミュニケーション能力を磨いて顧客を獲得できれば工務店で働いていたときよりも高収入を得られるでしょう。
そして、勤務時間や勤務日も自分で調整できるようになるため自由度の高い働き方ができることもメリットといえます。

【デメリット】
デメリットとしてまず思いつくのが見習いの頃の大変さです。体力面はもちろんのこと、最初はそれに見合っていない安い給料なので、肉体的にも精神的にもキツく感じる方が多いようです。

また、最初の頃は仕事で使う道具を揃えなければなりません。この道具も決して安いものではないため、低い給料で高い道具の出費が痛いと感じる大工は多いようです。もちろん会社によっては貸し出しがあったり、先輩から譲り受けたりすることもありますが、ほとんど自費で払うことになるでしょう。

そして次に勤務形態です。朝が早かったり、現場が遠かったり、繁忙期には週に一回しか休みがないことも。逆に閑散期には仕事がないこともあるので、安定した生活とは遠いかもしれません。

最後に、身体を壊してしまったり、ある程度の年齢になったら働けなくなる可能性もあるということです。高い所や危険な場所での作業が多い大工は、怪我をしたり無理して身体を壊してしまったら仕事になりません。

また、独立せずに長く大工として働いていた場合でも、50代60代になると体力的にキツく感じることがあるでしょう。

大工の給料は見習いとベテランで差がある

大工は経験を積めば積むほど、技術を磨けば磨くほど給料がアップする仕事です。そのため、経験のない見習いとベテランとでは収入にかなりの差があります。

見習いで大工になった場合、月収は15万円前後です。一方で、ベテランにもなると月収30万円以上にもなります。中には年収1000万円以上稼ぐ方もいるほど。

このように大工の仕事は努力を重ねれば一般的なサラリーマンより稼げるチャンスも十分にある職業です。自分の力次第で収入を大幅に増やせるのは、この仕事の魅力のひとつといえます。

大工にもいろいろな種類がある

大工の年収は?お給料に関する気になる情報を徹底解説!
(画像=『工具男子』より引用)

大工といって皆さんが思い浮かべるのは釘や木材を使って家を建てている大工の姿ではないでしょうか。

このような大工を町大工といいますが、このほかにも専門的な技術をもった大工が複数います。ここでは主な4つの職種をご紹介します。

種類①町大工

冒頭にもご説明したとおり、みなさんが大工といってまず最初に思い浮かべるのが町大工でしょう。

町大工は主に木造の建物の建設や修理を行います。といっても仕事内容は幅広く、現場では床や天井、壁などの下地作り、建物の骨組みを組み立てる建て込み、壁のボード貼り。会社の作業場では木材の加工や作業内容の打ち合わせ、道具の手入れなどさまざまです。

種類②宮大工

宮大工とは神社やお寺などの伝統的な建築物を特殊な技術を用いて建てたり修理する大工のことです。

3年ほどで一通りの仕事ができるようになるといわれている町大工の一方で、一人前になるまでに最低10年はかかるといわれているのが、この宮大工です。

使う木材はすべて手作業で加工され、木材自体に数ミリ単位での切り込みをいれて木をはめ合わせていくことで頑丈な建物をつくっていきます。

このように繊細で高度な技術が必要とされるので、宮大工として活躍している方は全国で100人前後とかなり少ないです。

種類③型枠大工

型枠大工とは鉄筋コンクリート造の建築現場で、コンクリートを流す型をつくる大工のことです。もちろん型をつくるだけでなく、設計から現場での流し込み、解体作業までさまざまな作業を行います。

また、型枠といっても柱や内壁、外壁用など、それぞれ種類があり、建物の規模によってもつくる型枠が異なります。さらにコンクリートは湿度や気温、水分量によって強度に差が出るため、それを見極める熟練の技術が必要です。

種類④造作大工

造作大工とは床や棚、クローゼットなど建物の内装を木材でつくりあげる大工のことです。室内装飾を手掛けるので、よりセンスや細かい技術が必要とされます。

また、肉体的な負担は比較的少ない方なので、年齢を重ねた町大工が造作大工になることもあるようです。