銀行員の職種
銀行員として働くには、「総合職」と「一般職」の2つの方法があります。総合職とは、本人の希望に関係なく全国や別の部署に異動し、幅広い業務を経験して幹部や管理職を目指してキャリアアップしていくものです。
一般職は、特定の部署で特定の仕事に専念する社員のためのものです。転勤や部署異動は本人の希望に応じて行われ、転勤になったとしても自宅から通勤できる範囲内であることが多いです。総合職社員と一般職社員が行う主な業務は以下の通りです。
銀行員の職種①窓口
銀行に行ったら、まずは順番待ちのあとカウンターに呼ばれますが、この窓口で応対してくれるのが窓口担当者(テラー)です。銀行の顔として、お客さまのさまざまな要望に応え、テキパキと業務をこなしていきます。
日本語では、テラーは「窓口係、窓口係」と訳されています。ちなみに、ATMは「Automatic Teller Machine」の略です。
本来、営業マンは得意先を訪問して商談を行うものですが、店に来た得意先とカウンター越しに商談を行うスタイルも存在します。これをインサイドセールスやカウンターセールスと呼びます。その名の通り、カウンターに向き合って商談を進める仕事です。
先に述べたように、テラーは銀行の「顔」であり、実際にお客様と直接向き合うわけですから、銀行のイメージを決定するのは間違いなくテラーです。
明るい顔をしていて、清潔感があり、気配りができるという印象を与えることが大切です。もちろん、現金を直接扱うわけですから、信頼感も必須です。
銀行員の職種②バックオフィス
テラーから預かった案件をパソコンなどで処理するバックオフィスのスタッフは、縁の下の力持ちとして支店の運営を支えています。
お客さまのご意向に沿った手続きを行うために、お客さまからお預かりした書類に基づいて忠実に業務を行い、情報や書類の不足があった場合にはお客さまをフォローします。
具体的には、テラーが銀行独自の専用コンピューターを使って、通帳記入、口座変更、送金、口座振替などの手続きを行います。
銀行員の職種③渉外
渉外担当者は、支店に来店されたお客様や担当エリアのお客様を直接訪問し、定期預金、投資商品、保険、年金、住宅ローンなどの相談に応じます。ノルマも課せられますので、その目標に近づくための営業活動が必要になります。
また、個人営業担当としては、ファイナンシャルプランナーや宅建などの資格取得を求められることが多く、資格を取得すれば昇給する銀行もあります。
銀行員の職種④融資
主な仕事は、融資を受ける企業や個人に返済能力があるかどうかを審査し、融資の判断をすることです。企業の場合は財務状況を、個人の場合は収入や労働条件を確認し、融資額や期間が適切かどうかを確認します。
このほか、前節で紹介した外国為替業務、貸金庫の管理、国債や株式の売買、人事・広報などの庶務など、さまざまな業務があります。
銀行員の年収はどれくらい?
東京商工リサーチの調査によると、2020年3月期の国内銀行79行の銀行員の平均年収は608万8,000円でした。さらに細かく業態別に見てみると、主要都市銀行6行の平均年収は762.5万円、地方銀行47行の平均年収は621.4万円、第二地方銀行26行の平均年収は550.8万円となっています。
主要都市銀行との差は、地方銀行が141万円、第二地銀が211万7千円です。銀行は「年功序列型産業」と言われ、だいたい40代頃には給与が1,000万円を超えます。
とはいえ、40代、50代になると、徐々に関連会社への出向を命じられることも珍しくなく、出向すると収入が減るケースもあります。人にもよりますが、場合によっては年収が半分になることもあり得ますので、注意が必要です。