住信SBIネット銀行が発行する「ミライノ カード GOLD」は、キャッシュバックや現金化できるポイントの高還元率、銀行での優待が魅力のゴールドカードだ。このカードの空港ラウンジサービスや付帯保険、年会費を無料にする方法、メリット・デメリットなどを説明する。
目次
1,「ミライノ カード GOLD」で押さえておくべき3つのポイント
2,「ミライノ カード GOLD」の基本スペックと審査基準
3,メリット1,空港ラウンジを回数無制限・無料で利用できる
4,メリット2,充実した旅行保険
5,メリット3,銀行での優遇サービス
6,「ミライノ カード GOLD」のポイントサービスと還元率
7,「ミライノ カード GOLD」のその他の特徴 JCBのサービスを利用できる
8,3つのデメリット
9,どんな人におすすめなのか?
1,「ミライノ カード GOLD」で押さえておくべき3つのポイント
年会費が3,300円の格安ゴールドカードという位置づけの「ミライノ カード GOLD」は、どういうカードなのか? 申込みを検討する前に、簡単にポイントを押さえておこう。
- ポイント還元率は1%、現金化もできる
- 最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が自動付帯
住信SBIネット銀行の優遇サービスを受けられる
次からは、「ミライノ カード GOLD」の基本スペックや審査基準、還元率を含めたメリット・デメリットを見ていこう。
2,「ミライノ カード GOLD」の基本スペックと審査基準
「ミライノ カード GOLD」の基本スペックと審査基準は、以下のとおりだ。
「ミライノ カード GOLD」の基本スペック――自動付帯の旅行保険に注目
国際ブランド | JCB |
年会費 | 3,300円(税込) *年間100万円以上の利用で次年度無料 |
ポイントサービス | ミライノ ポイント |
通常ポイント還元率 | 1% |
ポイント交換対象 | スマプロポイント経由で現金かJALマイルに交換 カード利用代金に充当 |
空港ラウンジサービス | 国内主要32空港+ハワイ・ホノルル |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険(自動付帯) 国内旅行傷害保険(自動付帯) ショッピング保険 |
追加カード | ETCカード |
電子マネー | QUICPay (クレジットカード自体にもQUICPay機能搭載) |
「ミライノ カード GOLD」の審査基準――降格発行など他に比べて独特
一般的なゴールドカードの審査を考えると、300万円程度の年収があれば「ミライノ カード GOLD」の審査に通る可能性がある。ところが、「ミライノ カード GOLD」の審査について口コミを調べてみると、これまでゴールドカードやプラチナカードの審査に落ちたことのない人でも落とされてしまうことがあり、「謎審査」との声もある。
年収などの条件が十分であるにもかかわらず落とされてしまった人には、すでに所持しているクレジットカードの枚数が多い傾向が見られ、それが審査で落ちる一因となっているようだ。使っていないカードがある場合は、「ミライノ カード GOLD」に申し込む前に退会しておいたほうがいいだろう。
このカードでは、ゴールドを申し込んだのに一般カード(ミライノ カード)が送られてくる「降格発行」が行われるケースが少なくない。その場合でも、カードのランクアップを申請すると、すぐに「ミライノ カード GOLD」が発行されることがあるという。これも「謎審査」と言われる理由の1つなのだろう。
「ミライノ カード GOLD」の年会費を下げる方法――年間100万円の利用で次年度無料に
「ミライノ カード GOLD」の年会費は3,300円(税込)と、ゴールドカードとしては非常に安い。しかも、年間100万円のクレジット利用があると次年度の年会費が無料になる。
年間100万円に達するには、月に8万4,000円を使えば十分だ。スーパーやコンビニなどでの日常的な支払いのほか、交通費や公共料金などカードで支払えるものをすべて支払うようにすれば、簡単に達する金額だろう。
「ミライノ カード GOLD」のステータス性
銀行系クレジットカードに分類されるとはいえ、メガバンクやそのグループ会社発行のものと比べるとステータス性は若干落ちる。ゴールドグレードとしては年会費が安いので、注目されるようなステータス性はない。
とはいえ、一般カードの「ミライノ カード」よりはハイスペックだ。
ミライノ カード GOLD | ミライノ カード | |
年会費 | 3,300円(税込) | 990円(税込) |
ポイント 有効期限 |
3年間 | 2年間 |
空港 ラウンジサービス |
国内主要32空港+ ハワイ・ホノルル |
なし |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険 (自動付帯)、 国内旅行傷害保険 (自動付帯)、 ショッピング保険 |
海外旅行傷害保険 (利用付帯)、 国内旅行傷害保険 (利用付帯)、 ショッピング保険 |
JCBのサービス | 利用可 | 利用可 |
スマートプログラム | 2ランクアップ | ランクアップ条件に適用 |
「ミライノ カード」の付帯保険は「ミライノ カード GOKD」よりも補償金額がより低く、海外旅行傷害保険の疾病治療保険金や携行品損害保険金が付帯しない。また「ミライノ カード」は、年間クレジット利用金額が10万円以上で次年度の年会費が無料になる。
どちらのカードも、年会費を無料にすることができるということだ。年間のクレジットカード利用金額が100万円を超えるような使い方をする人は、「ミライノ カード GOLD」のほうが圧倒的にお得だ。
そんな「ミライノ カード GOLD」だが、所有者にはどのようなメリットがあるのだろうか。
3,メリット1,住信SBIネット銀行の振込やATM手数料が無料に
「ミライノ カード GOLD」は住信SBIネット銀行が発行しているため、カード利用代金の引落口座を同行に設定するとさまざまな優遇サービスを受けられる。優遇内容は、以下のとおりだ。
・カードローン金利の引き下げ
住信SBIネット銀行のカードローンの金利が0.1%引き下げられる。ただしオリックス・クレジット、あるいはジャックスが保証するカードローンに契約している人は対象外だ。
・スマートプログラムが2ランクアップ
住信SBIネット銀行の優遇プログラム「スマートプログラム」のランクが、2ランクアップする。それに応じて、ATM利用手数料と振込手数料が無料になる優遇を受けられる。
「スマートプログラム」のランクは4段階あり、それぞれのATM利用手数料・振込手数料が無料になる回数は以下のとおりだ。
振込手数料無料回数 (他行あて) |
ATM利用手数料 無料回数(引き出し) |
|
ランク4 | 月15回 | 月15回 |
ランク3 | 月7回 | 月7回 |
ランク2 | 月5回 | 月3回 |
ランク1 | 月2回 | 月1回 |
住信SBIネット銀行に口座を持っていれば無条件でランク1となるので、「ミライノ カード GOLD」会員がカード利用代金の引落口座を住信SBIネット銀行に設定すると、それだけで2ランクアップしランク3となる。
また、預金の月末残高が30万円以上でランク2となるので、その上で「ミライノ カード GOLD」の2ランクアップが適用されると最高のランク4となる。
住信SBIネット銀行の他行あて振込手数料は1回157円(税込)、ATM利用手数料(引き出し)は110円(税込)なので、ランク4になると最大で月に4,005円(税込)もお得になる。
4,メリット2,年会費が安いのに空港ラウンジを回数無制限、無料で利用できる
国内主要空港のラウンジを無料で使える「空港ラウンジサービス」は、ゴールドカードに付帯することの多いサービスだ。このカードにも、国内主要32空港とハワイ・ホノルルの空港ラウンジを無料で利用できるサービスが付帯する。
年会費の安いゴールドカードの空港ラウンジサービスは、利用できる空港の数が少ないか、年間利用回数が制限されていることが多い。しかし、「ミライノ カード GOLD」は回数無制限で、利用できる空港ラウンジの数も国内32空港+国内1空港と、年会費の高いゴールドカードと変わらない内容だ。
このカードで利用できる空港ラウンジがある国内空港は、以下のとおりだ。
新千歳空港 | 函館空港 | 旭川空港 | 青森空港 |
秋田空港 | 仙台国際空港 | 新潟空港 | 富山空港 |
小松空港 | 成田空港 | 羽田空港 | 富士山静岡空港 |
中部国際空港 | 関西国際空港 | 神戸空港 | 大阪国際空港(伊丹) |
岡山桃太郎空港 | 米子空港 | 広島空港 | 出雲空港 |
山口宇部空港 | 高松空港 | 徳島空港 | 松山空港 |
北九州空港 | 福岡空港 | 大分空港 | 長崎空港 |
熊本空港 | 宮崎空港 | 鹿児島空港 | 那覇空港 |
5,メリット3,最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が自動付帯で家族特約も
カード付帯の旅行傷害保険は海外・国内とも最高5,000万円の補償。旅行代金のカード支払いの有無に関係なく適用される「自動付帯」だ。さらに、海外・国内とも家族にも保険が適用される「家族特約」がつく。
年会費3,300円(税込)のカードに付帯する保険であることを考えると、かなり好条件と言える。補償内容は以下のとおり。
海外旅行傷害保険(自動付帯)
補償内容 | 保険金 | 家族特約対象者保険金 |
死亡・後遺障害保険金 | 最高5,000万円 | 最高1,000万円 |
傷害治療保険金 | 最高500万円 | 最高250万円 |
疾病治療保険金 | 最高500万円 | 最高250万円 |
賠償責任保険金 | 最高5,000万円 | 最高2,500万円 |
携行品損害保険金 (1旅行・1年間、自己負担3,000円) |
最高50万円 | 最高25万円 |
救援者費用保険金 (保険期間中) |
最高300万円 | 最高150万円 |
国内旅行傷害保険(自動付帯)
補償内容 | 保険金 | 家族特約対象者保険金 |
死亡・後遺障害保険金 | 最高5,000万円 | 最高1,000万円 |
入院保険金 | 日額4,000円 | 日額2,000円 |
通院保険金 | 日額4,000円 | 日額2,000円 |
このカードには、ショッピング保険も付帯している。海外で購入した品物を偶然の事故などで破損したり、盗難に遭ったりした場合の損害を、購入日から90日間、年間最高50万円まで補償するというものだ(自己負担額1万円)。
なお、自動リボ払いサービス「スマリボ」に登録すると、国内で購入した品物についても、購入日から90日間、年間最高100万円まで補償する保険が付帯する(自己負担額3,000円)。ただし、リボ払いでは手数料が発生するので、その支払いを回避するにはまとめ払いなどの工夫が必要だ。
6,「ミライノ カード GOLD」のポイントサービス、還元率
銀行での優遇、空港ラウンジ、付帯保険などの面でお得感のある「ミライノ カード GOLD」だが、このカードには独特なポイントサービスがある。ここからは、そのポイントシステムについて説明しよう。
貯まるポイントと還元率――還元率は1%でミライノ ポイントが貯まる
貯まるポイントは「ミライノ ポイント」で、毎月のクレジット利用金額の合計に対して1,000円ごとに5ポイント(10円相当)が貯まる。換算するとポイント還元率は1%で、ポイントの有効期限は3年間だ。
ポイントの交換対象――カード利用代金への充当や現金化が主な使い道
「ミライノ ポイント」の主な使い道は、カード利用代金への充当や現金への交換だ。
・クレジットカード利用代金の支払いに充当
ポイントは1,000ポイント以上100ポイント単位、1ポイント→2円のレートでカード利用代金の支払いに充当できる。1,000ポイントなら2,000円分の支払いに充当でき、1,000ポイント貯めるには20万円のクレジットカード利用が必要。20万円クレジット利用で2,000円相当なので、還元率は1%だ。
・ポイントを現金化
貯めたポイントを現金で受け取るには、ミライノ ポイントをスマプロポイントに交換する必要がある。住信SBIネット銀行の「スマプロポイント」へは、1,000ポイント以上100ポイント単位、1ポイント(ミライノ ポイント)→2ポイント(スマプロポイント)のレートで交換できる。「スマプロポイント」からは、以下のように現金またはJALマイルに交換できる。
- 500ポイント以上100ポイント単位で、1ポイント→1円のレートで現金化
500ポイント以上100ポイント単位で、100ポイント→40マイルのレートでJALマイルに交換
1,000ミライノポイント(2,000スマプロポイント)を貯めるには、20万円のクレジット利用が必要。2,000スマプロポイントは2,000円に現金化できるので、こちらも還元率は1%となる。
なお、スマプロポイントは住信SBIネット銀行のポイントプログラムなので、同行に口座を所有していないと交換できないことに注意したい。
ポイントアップの仕組み――カード利用額や銀行サービス利用など
ミライノ ポイントには、ポイントアップの仕組みは用意されていない。一方「スマプロポイント」では、以下の優待が用意されている。
- カード利用代金の引落額が5万円以上の場合、月に100ポイントが付与される
- 住信SBIネット銀行の商品・サービスの利用により、所定のポイントが月ごとに付与される(外貨預金で月100ポイントなど)
7,「ミライノ カード GOLD」のその他の特徴――JCBのサービスを利用できる
「ミライノ カード GOLD」では、JCBが提供するさまざまなサービスを利用できる。ただし、これはゴールドランク向けのサービスではなく、JCBの基本的なサービスである。以下に、サービス内容を抜粋する。
・JCBプラザ/プラザラウンジ
世界各地の主要都市にあるJCBの海外サービス窓口「JCBプラザ」「JCBプラザラウンジ」を利用できる。
ホテルやレストランの現地予約に加えて、「JCBプラザラウンジ」ではドリンクサービスや荷物の一時預かりサービスもある。
・JCBプラザコールセンター(日本/海外)
日本のコールセンターでは、海外渡航前に現地JCB加盟店のレストランやエステなどを予約・手配してくれる。海外のコールセンターには、事故や緊急トラブル時に電話で相談できる。
・たびらば(ウェブ/アプリ)
海外旅行先におけるJCB加盟店の優待情報や、現地スタッフ発のおすすめ情報などを紹介するネットサービス。人気レストランの無料予約機能なども利用できる。
・JCB GLOBAL WiFi
海外で利用できるWiFiルーターのレンタルサービスを優待価格で利用できる。
・海外レンタカーサービス
ハーツレンタカー、バジェットレンタカー、ニッポンレンタカーなど複数社の海外レンタカーが5~25%オフになる。
・空港宅配優待サービス
空港と指定場所の間の宅配が15%オフになる。また、ゴールドカード向けのキャンペーン料金が適用されることもある。
・JCB優待ガイド利用
国内主要国際空港内や沖縄県内のJCB加盟店、成田空港や関西空港の免税店「ANA DUTY FREE SHOP」で優待を受けられる店舗を紹介したクーポンブックを利用できる。JCB公式サイトで配布されているデータをプリントアウトして使う。
8,「ミライノ カード GOLD」の3つのデメリット
年会費を比較的簡単に無料にできる「ミライノ カード」には大きなデメリットはないが、あえてデメリットを挙げるとすれば、以下の3点だろう。
デメリット1,海外の加盟店が比較的少ない
JCBは国内では加盟店が多いが、海外ではVISAやMastercardと比べて加盟店が少なく、いざ使おうとして使えないことがある。
昨今は他の国際ブランドとの提携が進み、オーストラリア、ニュージーランド、カナダではアメックス(アメリカン・エキスプレス)の加盟店でもJCBブランドのカードを利用できる。また、米国のDiscover加盟店でも利用できるようになったが、それを合わせても加盟店数は十分ではない。
海外渡航時は、VISAブランドかMastercardブランドのカードも併用すべきだろう。
デメリット2,ゴールドの特典と言えるのは空港ラウンジサービスだけ
このカードで提供されるJCBのサービスは一般カードでも提供されるものであり、ゴールドグレードの特典と言えるのは空港ラウンジサービスだけだ。
旅行やレジャー、グルメシーンなどで、ゴールドカードならではのサービスを期待する人には、このカードのサービス内容は物足りないだろう。
デメリット3,ポイントの使い道が限られる
ポイントの最終的な使い道は、カード利用代金への充当か、現金化か、JALマイルへの交換だ。したがって、普段貯めている他社ポイントにまとめたい人や、ANAマイルに交換したい人には向いていない。
JALマイルへの交換でも、一般的なクレジットカードのポイントサービスと比較すると交換レートが劣る。実際は、カード利用代金への充当か現金化に使い道が限られると考えたほうがいい。
9,「ミライノ カード GOLD」はどんな人におすすめ?
このカードを検討すべき人は、住信SBIネット銀行によく使う口座があり、貯まったポイントをカード利用代金の支払いに充当したり、現金化したりすることが多い人だ。他のクレジットカードではポイントをキャッシュバックで利用すると還元率が0.3%ほどになるが、このクレジットカードなら1%と高還元率だ。
年会費が3,300円(税込み)で、旅行傷害保険が海外・国内とも最高5,000万円の補償が自動付帯、しかも家族特約までついているというのは非常に魅力的だ。さらに、年間100万円のカード利用で年会費が無料になった場合は、破格の保険となる。旅行の機会の多い人にとっても、非常にお得なカードと言えるだろう。
補償金額が足りないと感じる場合は、このカードの保険は自動付帯なので、他のカードで旅行代金を支払えば、そのカードの補償額にこのカードの補償額が上乗せされる(死亡・後遺障害保険金以外)。
ポイントの使い道がキャッシュバックという人、旅行の機会が多い人は「ミライノ カード GOLD」への申し込みを考えるといいだろう。
文・モリソウイチロウ(ライター)
【関連記事】
・プラチナカード比較 代表的クレジットカードを紹介
・ポイントがよく貯まるクレジットカード5選 効率的な貯め方も紹介
・旅好きがチェックしたい「SPGアメックスカード」の特徴
・ANAゴールドカード5種を比較
・アメックス・ゴールドカードの特典や年会費などを紹介