ストレスを感じたときは両手で自分を抱きしめるべき

研究チームは、タッチがストレスを軽減させる理由を2点挙げています。

1つは、触覚によって迷走神経や副交感神経系の活動が刺激され、ストレス反応が調整されるというもの。

もう1つは、触ることが社会とのつながりや安心感などを強く感じさせ、精神的な安定をもたらすというものです。

「愛のない抱擁」より「セルフタッチ」の方がストレスを低下させると判明
(画像=ストレスを感じたときの抱擁やセルフタッチは効果的 / Credit:Depositphotos、『ナゾロジー』より引用)

研究の結論として、ドライソーナー氏は次のように述べました。

「まず、人を抱きしめたり触ったりすることは、ストレスに対処するのに役立つと言えます。

例えば、試験や面接、病院での診察の際に、ハグしたりタッチしたりするのは効果的です。

またセルフタッチでも同様の効果が得られます。

例えば、右手を心臓に、左手をお腹の上に置いて、その温かさや圧迫感に意識を集中させるなら、ストレスに対処できるでしょう」

そして今回の実験でセルフタッチの方が抱擁よりも効果が高かった理由は、「抱擁の相手が愛する人ではなく見知らぬ人だったから」だと推測しています。

ベストは愛する人からの抱擁ですが、自分ひとりでストレスと戦わなければいけない場合も多いでしょう。

そんな時は少しの間だけでも、自分を両手で抱きしめてあげてくださいね。

参考文献
Receiving a hug or engaging in self-soothing touch reduces cortisol levels following a stressful experience

元論文
Self-soothing touch and being hugged reduce cortisol responses to stress: A randomized controlled trial on stress, physical touch, and social identity

提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功