目次
マシュマロ・テスト
「我慢ができる」現代っ子
「現代っ子」を過小評価する大人たち
現代っ子はなぜ「待てる」のか?
マシュマロ・テスト
マシュマロ・テストとは、スタンフォード大学のウォルター・ミシェル博士が提唱した実験であり、子どもの「自制心レベル」を測るためのものです。
内容は簡単で、子どもの目の前においしそうなマシュマロを1つ置き、「このマシュマロをあなたにあげます。でも、もし私が15分後に戻ってくるまで食べるのを我慢できたら、そのときに2つ目のマシュマロをあげます。1つ目を食べちゃった場合は2つ目はあげません」と告げて、部屋を出ます。
そして子どもが2つ目のマシュマロをゲットできるかどうかを観察します。子どもがどのくらいマシュマロ好きかにも影響しそうですが、この方法が子どもの「自制心レベル」を測定できるものとして定着しています。
「我慢ができる」現代っ子
「我慢ができない」「忍耐力がない」などと、テクノロジーの発展とともにその欠点を指摘されてきた「現代っ子」ですが、年代ごとのマシュマロ・テストの結果から、それが大きな間違いであることが分かりました。
Cohort Effects in Children’s Delay of Gratification
ミネソタ大学のステファニー・カールソン博士が率いる研究チームは、これまでに実施されてきたマシュマロ・テストの実験結果を集めて年代ごとに比較。
そして、待機時間が「10分間」のマシュマロ・テストの結果から、2000年代に実験に参加した子どもたちは、1960年代の子どもよりも平均で「2分間」長く我慢できており、1980年代の子どもよりも「1分間」長く我慢できていたことが分かりました。つまり、「現代っ子」の方が「昔の子ども」よりも長く我慢できるといった事実が数字で表れているのです。