南伊豆の秘境的ダイビングポイント「妻良」へ
南伊豆ダイビングの2日目は、高い透明度が人気のシュノーケリングスポット「ヒリゾ浜」に近いダイビングポイントの「中木(なかぎ)」を潜る予定でいたが、今回はダイビングサービスとの都合が合わず断念。また、他の候補地である「波勝崎(はがちざき)」はしばらく休業中のようだ。

宿を出発して車を30分走らせ、南伊豆町の中でもっとも西伊豆に近い「妻良(めら)」を潜ることにした。陸地から離れて沖合に出る神子元島と違い、妻良は南伊豆の島沿いにある岩礁を潜るので、風や波の影響が少ない。岩礁は人気の釣り場になっており、体の縞が特徴的なイサキやブルーのラインが美しいタカベが、カメラの画面を埋め尽くすほど混泳している。

ダイビングポイントは新しく潜りはじめたという「一ツ根」と、西伊豆の雲見のように水中洞窟を楽しめる地形の「平島」を潜った。どちらも神子元同様ドリフトダイビングで根を廻る。
岩礁は全体がドロップオフになっており、流れてくるプランクトンで少し緑かかったグラデーションの青い海に、キンギョハナダイとソフトコーラルの暖色が写真映えする。

「伊豆を潜る」となるとビーチでマクロ撮影に出かけることが多いが、妻良のダイビングポイントはワイド撮影が楽しい。崖の先端や尾根のような地形を泳ぐダイバーをGoProで動画撮影するのもよいだろう。この日はアオウミガメも現れ、東京から車で来たとは思えない水中景観を楽しむことができた。

一ツ根は最大水深が25m、平島は最大水深が33mとやや深めなので、ドロップオフ沿いでの撮影時には夢中になって沈んでいかないよう注意しよう。また、流れの方向や強さを潜る前に確認し、潮の流れに乗るポイントや逆らうポイントをしっかり計画し、空気の残圧がなくなる前に目的の場所を見られるようにしたい。

「平島」は点在する根も含めると範囲がかなり広いので、前半のキンギョハナダイを夢中で撮影していると、後半の水中地形が美しく撮れる場所にたどり着けないこともあり得る。流れの向きによっては洞窟を前半に潜ることもあるので地形撮影に時間をかけるのもよいだろう。

2ダイブを終えて港に戻る途中で、妻良のもう1つのダイビングポイントである「ぐいし」をシュノーケリングで見させてもらった。最大水深が12m程度で潮の流れも弱いので、久しぶりのダイビングであれば1本目にちょうどよさそうだ。時間に余裕があるなら3本目に潜るのもいいだろう。「ぐいし」は砂紋が美しい砂地に複雑な形の根があり、ダイバーがくぐり抜けられそうなアーチなどの地形を楽しめそうだ。最近はスキンダイビングを楽しみに来るダイバーも増えてきたらしい。

海外からのダイバーも唸らせる上級者向けダイビングポイントの神子元島と、ボートダイビングやディープダイビングに慣れてきた中級者向けダイビングポイントの妻良。南伊豆のダイビングはすべてガイド付きツアーでしか潜ることができないが、ぜひスキルを上げて腕試しをしてほしい。
神子元島は下田・南伊豆町の現地ダイビングショップで、妻良はお住まいのエリアやスクールに通ったことのある都市型ダイビングショップにツアーをリクエストして潜ることができるだろう。

南伊豆は、水平線に沈み空を黄金に染めるサンセットや、海のミネラルをたっぷり含んだ温泉や湯けむりの立つ温泉街がある。白砂のビーチでサーフィン体験に参加することも、自然豊かな静かな場所でキャンプを楽しむこともできる。
東京から1泊2日のドライブで、ダイビング+αの旅を満喫してほしい。
提供元・oceanα
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