最速180km/h超え「オートザム(マツダ)AZ-1」

30年経っても超えられない?歴代最速軽自動車3選
(画像=『CarMe』より 引用)

サーキットでのラップタイムのようなトータルバランスが求められる速さではヴィヴィオのバランスが光ったが、最高速という点でいえば前述したABCトリオの面々は有利な属性を持っていた。それは背が低く、前面投影面積が小さいため、空気抵抗が少ないことによる。

とくに、その点で有利だったのはABCトリオでは最後発となる1992年に生まれたオートザム(マツダ)AZ-1である。ガルウィングボディのミッドシップにスズキ製3気筒ターボを搭載した、このマイクロスポーツカーは140km/hで作動する速度リミッターを解除すれば180km/hを軽く突破するポテンシャルを持っていた。これほどの最高速性能を持つ軽自動車は、現時点では後にも先にもAZ-1だけといえる。

ただし、フロント軸重が軽いという車体特性もあって、最高速領域になるとフロントタイヤが浮き気味となり、ステアリングから伝わる接地感が失われるという欠点もあった。速いけれど、決して安全とはいえないスリリングなクルマがAZ-1だったのである。

ちなみに、ABCトリオでもっとも軽量なのは後期型のカプチーノで690kg。ハイトワゴン全盛の軽自動車基準では軽量に思えるが、じつは現行型アルトワークスは、この当時の2シーターモデルよりも軽量な670kgとなっていたりする。

また、軽自動車というカテゴリーでいえば、ケータハム セブン160というスズキのエンジンを積んだスポーツカーは500kgを切る車重。軽さという点でいえば、現代でも軽自動車が最速を競っていた時代のフィーリングを味わえそうだ。

コーナリングが自慢「ホンダ S660」

30年経っても超えられない?歴代最速軽自動車3選
(画像=『CarMe』より 引用)

最後にコーナリング性能だけに特化して注目したときに最速といえる軽自動車は何かといえば、それは現在も新車で購入できるホンダS660で決まりだ。

ノーマルで、アドバン・ネオバというハイグリップタイヤを履くが、さらに後輪のタイヤサイズが『195/45R16』という登録車並みの太さ。そして運動性能を追求した専用のミッドシップ・プラットフォームというのだから条件としては軽自動車史上最強のコーナリングマシンと呼ぶにふさわしい。

実際、メーカーの試験では定常円旋回で1.0Gを超える性能を確認したという。あまりの遠心力のためにエンジン内のオイルが片寄るという現象が起き、その対策が求められたというエピソードを持つほどだ。

そのコーナリング性能は、軽自動車という枠を超え、現代のスポーツカーとしても高いレベルにある。惜しむらくはボディ剛性や安全性能のために車重が800kgを超えてしまっている点。同等のボディ剛性を維持したまま、100kg以上の軽量化ができれば、サーキットラップタイムにおいても史上最速の冠を戴くことができるだろう。

提供元・CarMe

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