「JCB CARD W」は、年会費無料クレジットカード部門で顧客満足度第1位に輝いた人気カードだ。高いポイント還元率とJCBの基本サービスを兼ね備えたコストパフォーマンスの高いこのカードは、どうお得なのか? 詳細を見ていこう。

目次
1,「JCB CARD W」で押さえておくべき3つの特徴
2,基本スペックと審査基準 年収は200万円が目安
3,ポイント還元率は1% 他のカードの2倍!
4,3つのメリット 還元率の高さ、充実の保険、海外優待
5,その他の特徴は? キャンペーンの頻度も
6,デメリットは年齢制限があること
7,「JCB CARD W」がおすすめな人

1,「JCB CARD W」で押さえておくべき3つの特徴

「JCB CARD W」は、調査会社「J.D.パワー」の年会費無料クレジットカード部門で顧客満足度第1位に輝いたカードだ。これがどういうカードなのかを理解する上で押さえておくべき特徴は、以下の3つだ。

  • 特徴1,ポイント付与は通常のJCBカードの2倍
  • 特徴2,海外旅行に便利でお得なサービスが充実
  • 特徴3,ただし、39歳以下の人しか申し込めない

39歳以下であれば申込みを検討したいカードだが、ここからは詳細を見ていこう。

2,「JCB CARD W」の基本スペックと審査基準 年収200万円以上が目安

まず、「JCB CARD W」の基本スペックと年収を含めた審査基準を紹介する。

「JCB CARD W」の基本スペック

国際ブランド JCB
年会費 無料
家族会員も無料
ポイントサービス Oki Dokiポイント
通常ポイント還元率 1.0%~5.5%
ポイント交換対象 nanacoポイント
楽天ポイント
ANAマイル など
空港ラウンジサービス なし
付帯保険 ・海外旅行傷害保険(利用付帯)
・ショッピング保険
追加カード ・家族カード
・ETCカード
電子マネー QUICPay

「JCB CARD W」の年会費、審査基準――39歳までに申し込めば、以降年会費が無料

このカードは年会費無料だが年齢制限があり、39歳までに申し込む必要がある。39歳までに申し込むと、40歳を過ぎても年会費は無料のままだ。

年会費無料ということもあって審査基準はそう高くはなく、年収200万円以上で審査に通る可能性があるようだ。20代であれば、100万円以上で審査に通ることもあるという。

ただし、過去にカード利用代金やカードローン、携帯電話端末の分割払いなどで支払いの延滞がないことが条件だ。延滞を繰り返してしまうと、その後3年ほど経過しないとクレジットカードの審査に通るのは難しいと言われている。

また、勤続年数が短い場合や(1年未満など)、短期間に複数のクレジットカードに申し込む「多重申し込み」をした場合も審査に通りにくくなるので覚えておきたい。勤続年数については、1年を経過してから申し込むといいだろう。

3,「JCB CARD W」のポイントサービス、還元率、交換対象など 通常1%の高還元率カード

「JCB CARD W」は、JCBが発行するクレジットカードの中でもポイント還元率が高い。ポイントサービスの仕組みを見てみよう。

貯まるポイントと還元率――通常還元率1%

貯まるポイントは「Oki Dokiポイント」。他のJCB自社発行カードでは、クレジット支払い1,000円ごとに1ポイント(最大5円相当)が貯まるが、このカードは常時ポイント2倍なので2ポイント(最大10円相当)が貯まる。ポイント還元率は、約1%と考えていいだろう。

ポイントの交換対象――ディズニーチケットも対象

ポイントは賞品のほか、各社ギフト券、アミューズメントチケット、ポイント、マイルなどに交換できる。またカード利用代金の支払いや、Amazonの支払いにも充当できる。交換対象にもよるが、おおよそ1ポイント→4~5円のレートが目安だ。

利用・交換・移行対象を以下に抜粋した。
 

移行対象 ポイント数
商品金額
必要ポイント
(Oki Dokiポイント)
Tポイント 2,000P 500P
nanacoポイント 1,000P 200P
ビックポイント
WAONポイント 800P
dポイント
楽天ポイント
au WALLETポイント
楽天Edy 600円分
スターバックス 800円分
カードチャージ
Pontaポイント 1,000円分 250P
Google Play
ギフトコード
App Store & iTunes
ギフトカード
nanacoギフト
JALマイル 1,500マイル 500P
ANAマイル
キャッシュバック
(カード利用代金充当)
3円 1P
Amazonのショッピング
代金に充当
3.5円
JCBギフトカード 5,000円分 1,050P
東京ディズニーリゾート
パークチケット
2枚 3,200P

東京ディズニーリゾートのチケットに交換できるポイントなかなかないので、ディズニー好きにはうれしいはずだ。

ポイントアップの3つの方法――優遇店で10倍、ステージボーナスで50%など

前述のとおり、「JCB CARD W」では常時ポイント2倍のポイントアップが適用される。それに加えて、以下のポイントアップ手段を上手に活用すれば、さらなるポイントアップを狙える。

・方法1,ポイント優待店利用――スタバ、セブン、ビックカメラなどで最大10倍
ポイント優待店「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」での利用分は、ポイント付与率が上がる。ほとんどは2~3倍だが、スターバックスカードへのオンライン入金やオートチャージでは10倍になる。
 

店舗名 ポイントアップ率
スターバックスカードへの
オンライン入金
10倍
AOKI 5倍
洋服の青山
Amazon 3倍
セブン-イレブン
京王百貨店
小田急百貨店
高島屋
ワタミグループ
昭和シェル石油 2倍
ビックカメラ
コジマ
モスフードサービス
タイムズパーキング

・方法2,カードを多く使う――ステージボーナスで最大50%アップ
年間クレジット利用額に応じて翌年のランクが決定し、そのランク適用中にポイントアップする「JCBスターメンバーズ」という仕組みもある。ランク適用条件とポイントアップ内容は、以下のとおりだ。

期間中の利用
合計金額(税込)
メンバーランク名称 ランク適用中の
ポイントアップ内容
100万円以上 スターα(アルファ)PLUS 50%アップ
50万円以上 スターβ(ベータ)PLUS 20%アップ
30万円以上 スターe(イー)PLUS 10%アップ

・方法3,ポイントサイト経由の買い物――「Oki Dokiランド」でもっとお得に
ポイントサイト「Oki Dokiランド」を経由して、いつものネットショップで買い物すると2倍~最大20倍になる。登録ショップはAmazonや楽天市場、Yahoo!JAPANショッピングなど主要なものが揃っているので不便に感じることはなさそうだ。

4,「JCB CARD W」の3つのメリット――常時ポイント2倍、海外優待など

ここまで基本スペックやポイントシステムを解説してきたが、ここからはこのカードにはどんなメリットがあるのかを詳しく解説する。

メリット1,常時ポイント2倍の高還元率カード

このカードの最大のメリットは、そのポイントサービスにある。通常、JCBのポイントサービス「Oki Dokiポイント」では、1,000円につき1ポイントが付与されるが、このカードでは常時2倍の2ポイントが付与される。

ポイント交換対象にもよるが、1ポイント→5円相当のレートで交換した場合、ポイント還元率は1%になる。一般的なクレジットカードのポイント還元率は0.5%、やや高いものが0.75%前後であることを考えると、高いポイント還元率と言えるだろう。

一般的にポイント還元率1%は「高還元クレジットカード」に分類され、それを超えると「超高還元率カード」と呼ばれる。先ほど紹介したポイントアップ手段を上手に活用すれば、「超高還元率」に達することになる。

ポイント還元率の評価

通常ポイント還元率 ポイント還元率の評価 カード名
0.5%前後 普通 JCB CARD、三井住友カードなど
0.75%前後 やや高い セゾンゴールド・アメックス、
JCB CARD EXTAGEなど
1% 高い dカード、楽天カードなど
1%超 非常に高い リクルートカード、REX CARDなど

ゼロコンマ数パーセントの違いは小さいと思うかもしれないが、クレジット決済できるものをすべてカードで支払うと年間100~200万円ほどの利用額には簡単に達するはずだ。すると、ポイント還元率の小さな違いも大きな差になって表れる。

参考までに、年間クレジット利用額に応じて還元される相当額を還元率別に整理してみた。
 

年間利用額 還元率0.5% 還元率1% 還元率1.2%
60万円
(月5万円)
3,000円相当 6,000円相当 7,200円相当
120万円
(月10万円)
6,000円相当 1万2,000円相当 1万4,400円相当
240万円
(月20万円)
1万2,000円相当 2万4,000円相当 2万8,800円相当
360万円
(月30万円)
1万8,000円相当 3万6,000円相当 4万3,200円相当

高還元率カードは他にもあるが、「JCB CARD W」で貯まる「Oki Dokiポイント」はさまざまな使い道がある。「高還元率×交換先の多さ」で、ポイントの恩恵をより感じられるだろう。

メリット2,年会費無料としては充実した保険――旅行保険に加えてショッピング保険も

カードで旅行代金を支払った場合に適用される最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯する。また海外でカードで購入した商品について、偶然の事故による損害を年間100万円まで補償するショッピング保険も付帯(自己負担額:1回の事故につき1万円)する。

いずれも、年会費無料のクレジットカードとしては十分な補償内容と言えるだろう。

海外旅行傷害保険(利用付帯)

補償内容 本会員・家族会員
傷害死亡・後遺障害 最高2,000円
傷害治療費用 100万円限度
疾病治療費用 100万円限度
賠償責任 2,000円限度
携行品の損害 1旅行中40万円限度
(保険期間中100万円限度)
(自己負担額1事故3,000円)
救援者費用等 100万円限度

メリット3,JCBのさまざまな海外優待を利用できる――ラウンジやレンタカーなど

年会費無料であってもJCBカードの基本的な特典・サービスは利用できる。特に便利でお得感を味わえるのが、海外旅行などで利用できる数々の優待だ。

・JCBプラザ/プラザ ラウンジを利用可できる
JCBの海外窓口「JCBプラザ」では、日本語を話せるスタッフから観光情報の案内、レストラン・ホテル・オプショナルツアーの予約、カードの紛失・盗難時の対応を受けられるほか、当日中の荷物一時預かりサービス、無料Wi-Fiなども提供される。

「JCBプラザ ラウンジ」では、上記に加えてドリンクサービス、マッサージ機、インターネット閲覧・プリントアウト、レンタル傘、日本語の新聞・雑誌の閲覧、現地ガイドブック・情報誌の閲覧などを利用できる。旅の合間に一息つく場所としても活用できるはずだ。

「JCBプラザ/プラザ ラウンジ」は、日本人の渡航の多い世界各地の主要都市に設置されている。

・JCBプラザコールセンター(日本)
海外渡航前に、現地JCB加盟店のレストランやエステなどを電話で予約・手配できる無料サービスも用意されている。

・たびらば(旅LOVER)/JCB LINE公式アカウント/JCBハワイガイド
ウェブサイトやスマホアプリで、海外JCB加盟店での優待情報を発信する「たびらば」。人気レストランの予約機能などもある。そのほか、LINEで優待情報をチェックできる「JCB LINE公式アカウント」や、ハワイに特化したスマホアプリ「JCBハワイガイド」など、ウェブ上のフォローも充実している。

・「ワイキキ・トロリー」乗車賃無料
ワイキキとアラモアナを結ぶ「ワイキキ・トロリー ピンクライン」の乗車賃が無料になる。対象はカード会員本人と、その家族の大人1名・子ども2名(11歳以下)までだ。

・JCB GLOBAL WiFi
海外で利用できるWiFiルーターレンタルサービスを優待価格で利用できる。

・海外レンタカーサービス
海外の代表的なレンタカーサービスが、5~25%オフになる。

・JCB海外おみやげサービス
出発前に注文すると、帰国日に合わせて指定した場所へ届けてくれる。旅行中のおみやげ選びの時間と持ち帰りの手間が省けるだけでなく、買い忘れも防ぐことができる。

・高品質スーツケース格安レンタル
人気ブランドスーツケース(RIMOWA・Samsonite・Protecaなど)7,000台以上から、旅のニーズに合ったスーツケースを格安でレンタルできる。

5,「JCB CARD W」のその他の特徴――女性向けカードやキャンペーンなど

そのほか、以下の2点にも触れておこう。

特徴1,女性向けカード「JCB CARD W plus L」も選択できる

「JCB CARD W」には、カードの基本的な機能に加えて、女性にとってうれしい特典や保険がプラスされた「JCB CARD W plus L」というカードもある。特典は、プレゼント企画への応募などだ。プレゼント内容は随時変わるが、過去のプレゼントにはコスメや旅行クーポン、航空券、映画鑑賞券があった。

保険は、女性特有の疾病やストーカー被害に対応するものなどが付帯する。保険料はかかるが、毎月の掛金は安価なので負担なく加入できるだろう。

女性向け保険

保険項目 補償金額 月払掛金
女性疾病保険・
入院保険金(疾病)
日額3,000円
(女性特定疾病御+3,000円)
290~710円
(年齢による)
女性疾病保険・
手術保険金(疾病)
入院中3万円
(女性特定疾病御+1万円)
女性特定がん
(乳がん・子宮がん・
卵巣がん)・
手術保険金
50万円 30~190円
(年齢による)
天災限定傷害・
入院保険金
日額5,000円 60円
天災限定傷害・
手術保険金
5万円・10万円・20万円
(手術による)
犯罪被害補償・
ひったくり損害保険金
50万円限度 100円
鍵取り替え費用保険金
(犯罪再発防止費用保険金)
3万円限度
ストーカー行為等
対策費用保険金
50万円限度

特徴2,キャッシュバックなどの入会キャンペーンが充実

充実した内容の入会キャンペーンも特徴の1つだ。2020年4月現在は

  • Apple Pay、Google Pay利用で20%還元
  • 家族カード同時申し込みで最大2,000円分プレゼント
  • 知人などにカードを紹介して最大4,000円

    などのキャンペーンを実施しており、JCBギフトカードやキャッシュバックなどでトータル1万6,500円分ものリターンを得られる。また新規で入会してカードを利用すると、入会後3ヵ月間はポイントが4倍になる。

    このようなキャンペーンは期間が限られているが、新たなキャンペーンが続々と実施されるので、キャンペーンで多くのリターンを得られることに変わりはないだろう。

    6,「JCB CARD W」のデメリット――海外で利用しにくい、年齢制限など

    年会費無料であることを考えれば、たとえば空港ラウンジサービスが付帯しないといったことは特にデメリットとは言えないだろう。申し込む前に注意したいデメリットは、以下の2点だ。

デメリット1, 特に海外で加盟店数が少ない

国際ブランドとしてのJCBのシェアは大きくなく、全世界での決済数シェアは1.04%、カード数シェアは0.96%(2018年度・THE NILSON REPORT調べ)。当然VISAやMastercardなどと比べて加盟店数はずっと少ない。日本国内ではそこまで不便を感じないだろうが、海外ではハワイや台湾など日本人の渡航の多い地域を除くと、使えないケースも少なくない。

しかし、オーストラリアやニュージーランド、カナダではアメックス(アメリカン・エキスプレス)の加盟店でJCBブランドのカードを利用でき、アメリカではDiscover加盟店でも利用できる。

ただし、アメックスもDiscoverも加盟店が比較的少ないので、海外渡航時はVISAブランドかMastercardブランドのカードも併せて携帯したほうがいいだろう。

デメリット2,39歳までの年齢制限がある

「JCB CARD W」の申し込み対象は、「18歳以上39歳以下で、ご本人または配偶者に安定継続収入のある方。または高校生を除く18歳以上39歳以下で学生の方」となっている。つまり、39歳までしか申し込めない。これは、40歳以上でこのカードに申し込みたい人にとってはデメリットと言えるだろう。

40歳以上の人が「JCB CARD W」に近い内容のカードに申し込むとすれば、「JCB一般カード」になるだろう。「JCB一般カード」は国内旅行傷害保険も付帯するなど、「JCB CARD W」にないメリットもあるが、ポイント還元率は通常0.5%で、年会費も無料ではなく通常1,375円(税込)だ。

年会費は比較的クリアしやすい条件を満たすことで無料となるが、ポイント還元率を優先するなら「JCB CARD W」に軍配が上がるのは間違いない。
 

JCB一般 JCB CARD W
本会員年会費(税込) 1,375円
(条件を満たすと無料)
無料
家族会員年会費(税込) 440円
(本会員が無料の場合無料)
無料
ポイント還元率 0.5%(海外1%) 1%
JCBプラザ 利用可 利用可
旅行傷害保険 ・海外最高3,000万円
・国内3,000万円
海外最高3,000万円
ショッピング保険 年間100万円限度 年間100万円限度

7,「JCB CARD W」はどんな人におすすめか?

年会費無料で高いポイント還元を受けつつ、JCBの海外サービスを利用したい人なら、このカードを有益かつお得に使えるはずだ。39歳までに作れば、ずっと年会費無料で使えるというのもうれしい。

他のカードも作りたくなったら、年会費無料のこのカードはキープしておき、もう1枚は海外での利便性を考えて、VISAブランドかMastercardブランドのカードを選ぶといいだろう。

文・モリソウイチロウ(ライター)
 

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