ピーピーは「食べ物ちょうだい!」

ハト語を翻訳したら、どんな意味になるのか
(画像=ヒナが使うフードコール / Credit: Rosemary Mosco(popsci) – How to speak city pigeon(2021)、『ナゾロジー』より引用)

こちらはヒナが用いるフードコールの一種で、他の鳥でも共通して見られます。

音としては、口笛のようにハイピッチな「ピーピー」という高い音です。

モスコ氏によると、これは「僕は赤ちゃんで、お腹が空いているんだよ。エサをちょうだい!」と言っているとのこと。

ハトのヒナは、生後7〜8週間までは大人のような深い声で鳴くことができません。

4〜6週間後に巣立った後も、しばらくは口笛を吹いて食べ物を要求したり、近くのハトに「自分は脅威ではない」ことを伝えたりします。

この声が聞こえたら、近くに巣があることは間違いないでしょう。

翼のバタバタは「警戒せよ!」

こちらは鳴き声ではありませんが、「ウィング・クラップ」といって、翼を拍手のように叩き合わせて出す音です。

大抵は飛び立つときに出しており、周囲の仲間に「警戒せよ!」と知らせる意味合いがあります。

公園にいるハトの群れに向かって走ったら、いっせいにバッと飛び立つ様子を見たことがあるでしょう。

あれは脅威に気づいたハトが最初に飛んでウィング・クラップをし、それを聞いたハトが連鎖するように飛んで行くのです。

ハトは羽ばたきの上昇時に、翼端の筋肉と硬い羽毛を叩き合わせています。

イメージとしては、私たちが左右にまっすぐ広げた両手を頭上に上げて、手の甲を叩き合わせるようなものでしょう。

また、これと別に、ハトが飛び立つときに「ピピピ!」と鳴る甲高い音もあります。

これは「ウィング・ホイッスル」といって、羽の空洞に風が通ることで、笛のような音が鳴るのです。

下の動画で、その様子が見れます。

意味合いは、ウィング・クラップとほとんど同じで、仲間に危険を知らせる目的があります。

これらの音を近くで出されたら、ハトに恐がられている証拠でしょう。

他にもハトには、色んな意味合いを持つ鳴き声や振る舞いがあります。

今度、街中でハトを見かけたら鳴き声に注意して、何を欲しているか、どんな状態かを観察してみるといいかもしれません。


参考文献
How to speak city pigeon

提供元・ナゾロジー

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