江戸時代から川や水路が張り巡らされ繁栄してきた東京。都内に今も残る水辺は2020年に向けて進化を遂げてきました。そんな「水の都」東京の江戸時代から現在へつながる足跡や今年続々と開業する水辺の新規スポットには江戸から続く人々の遊び心が感じられます。

徳川家康の江戸開発により丸の内が誕生

1590(天正18)年、徳川家康は関東に入り、江戸城を拠点とした国づくりを始めます。家康が整備を始めた当時、現在の東京・大手町付近は「日比谷入江」と呼ばれる入り江でした。神田山の切り崩しにより日比谷入江を埋め立てて出来た場所が現在の丸の内なのです。丸の内に内堀と外堀が作られ、さらに河川の整備も進めました。千住大橋は家康が江戸に入って、初めて隅田川にかけた橋として知られています。千住は松尾芭蕉が「奥の細道」に旅立った地としても知られていますね。

日本橋、そして両国橋の誕生

家康は1603(慶長8)年に江戸幕府を開くと、日本橋川に日本橋をかけ、五街道の拠点と定めました。家康は日本橋を中心に堀や道を整備し、江戸城を中心に武家や町人らの居住区を割り振る「町割り」を行いました。

1657年に起きた明暦の大火を受けて、江戸幕府は隅田川に橋をかけます。1659(万治2)年に完成したこの橋は大橋などと呼ばれていましたが、新大橋の完成後、武蔵と下総を結んだことから「両国橋」と呼ばれるようになりました。

両国橋といえば現在でも続いている隅田川の花火大会でも有名です。隅田川花火大会と呼ばれるようになったのは比較的最近のことで、それまでは「両国の川開き」と呼ばれていました。1732(享保17)年に発生した飢饉で多くの死者が出るなどしたため、8代将軍の吉宗は1733(享保18)年に慰霊と悪病の退散を祈願して隅田川で水神祭を行いました。この祭りにあわせて両国橋周辺の料理店が花火を打ち上げたことが「両国の川開き」の由来となったとされています。吉宗は東京・王子の飛鳥山を整備したことでも知られていますね。吉宗のおかげで飛鳥山は今、桜の名所として有名です。

潮の満ち引きで表情を変える浜離宮恩寵庭園

江戸時代から続く名所といえば、浜離宮恩寵庭園や旧芝離宮恩寵庭園、清住庭園なども有名です。中でも、17世紀に造られた浜離宮は潮入の池と鴨場を持つ庭園であり、現在でも実際に海水が出入りして潮の満ち引きによって変化する景観が楽しめます。

新しい海の玄関「東京国際クルーズターミナル」が今夏オープン

夏に行われる東京五輪・パラリンピックの直前には、臨海副都心で「東京国際クルーズターミナル」が開業します。岸壁の延長は430メートル、水深が11.5メートルと、世界最大級の大型客船にも対応が可能です。開業の第1船として、米ロイヤル・カリビアン・インターナショナルの大型客船「スペクトラム・オブ・ザ・シーズ」が入港する予定となっています。クルーズ船への需要が高まるなか、大型客船が着岸できる同ターミナルは新たな東京の顔となるかもしれません。

江戸時代から続く観光名所も数多く残る東京の水辺ですが、2020年には新たな東京の顔も誕生します。例えば、浜離宮や旧芝離宮にも近い竹芝エリアでは「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」が春にオープンします。JR東日本が再開発を担う同エリアでは、「つぎの豊かさを生み出すまち」を掲げ、文化や芸術の発信拠点としての機能を核に、水辺などの環境を生かした街づくりを進めるとのこと。ホテルやオフィスが入る高層ビルのほか、劇団四季の専用劇場「春」と「秋」がオープンします。水辺には広場やテラスも設けられるといいます。

東京スカイツリータウン周辺では、東武鉄道が墨田区と連携して水辺の整備を進めています。鉄道高架下の商業施設を「東京ミズマチ」、隅田川に新設する歩道橋を「すみだリバーウォーク」と名付け、今年春のオープンを目指しています。東京ミズマチには公園や川の環境と一体化した新業態のレストランをはじめ、スポーツとカフェを一緒に楽しめる施設など、水辺や公園の環境を活かした店舗などが登場するそうです。

江戸時代から開発が進み、いまでもなおその表情が変化し続ける東京。過去と未来が交錯する東京を水辺から楽しむのはいかがでしょうか。

文・J PRIME編集部/提供元・J PRIME

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