思わず「本当に?」と聞き返してしまいそうな、ビットコインや仮想通貨にまつわる少し変わった話を紹介しよう。
最近ではRippleが発行するXRPの価格が高騰したことで 、同社の設立者兼執行会長クリス・ラーセン氏が一時的にGoogle創業者のラリー・ページ氏やセルゲイ・ブリン氏より資産家になったほか、家を担保に入れてまでビットコインを購入する消費者や、安値で買ったビットコインのおかげで高級住宅地にマンションを買うことができた男性の話など、「仮想通貨が人生を変えた」4つの例だ。
1.「Ripple設立者がGoogle創業者より資産家になった」?
2017年12月下旬~2018年1月上旬にかけてXRPの価格が高騰したことで 、Rippleの設立者兼執行会長クリス・ラーセン氏が一時的に世界で4位の資産家になるという事態が起こった。
CNBCの報道によると、XRPが3.84ドルに達した2018年1月2日、Ripple株の17%を保有するラーセン氏の純資産は599億ドルに膨張。オラクル・コーポレーション設立者でフォーブス誌の世界長者番付5位のラリー・エリソン氏 の資産(同日584億ドル)や、Google創業者者のページ氏(同日8位)、ブリン(同日10位)を上回った。
しかし米国最大の仮想通貨取引所コインベースが取扱い開始を否定した直後、一気に2.65ドルまで下落。1月7日現在は3.14ドルまで回復している(コインマーケットキャップ・データ )。XRPは昨年、ビットコインやイーサリアムをはるかに追い越す勢いで値をあげた。
時価総額1218億ドル、世界第2の仮想通貨に成長したRippleは今後ますます跳躍すると期待されており、さらなる高騰とともにラーセン氏の資産も膨らんでいくと予想される。Rippleは発行されている1000億枚のうち613億枚を自社保有している。
2.住宅担保ローンを借りてまでビットコインを購入?
ビットコインの購入にクレジットカードを利用するのは勿論、「家を担保に入れる消費者もいる」ことが、CNBCの取材に応じたアラバマ州証券委員会の証券監督官ジョゼフ・ボルグ氏の発言 から明らかになった。
この話は「家を担保に入れて32.5万ドルを借り、ビットコイン191枚を購入した」という、米国のソーシャルニュースサイト「Reddit」の投稿とかぶる。
ボルグ氏はビットコインの価格高騰に異常な熱中のリスクが潜んでいると警告。年収10万ドル、家のローンが残っていて子どもふたりを大学に通わせているような「社会人」の投資対象ではない―と懸念を示した。
同氏の発言後(2017年12月中旬)、ビットコインはさらに価格を上げ1900ドル台を突破するものの、下旬には1300ドル台まで急落。現在は1600ドルまで回復している(コインデスクデータ )。
3.ビットコインで宇宙旅行や大学にいける? 整形手術もビットコインで
世界各地でビットコインの普及が加速する近年、小売店などでの決済だけではなく、GMOインターネットグループのように給与の一部をビットコインで支給する会社もでてきた。
大手ではリチャード・ブランソン氏が新たに立ち上げた宇宙旅行サービス、ヴァージン・ギャラクティックがビットコインによる支払いにゴーサインをだしたほか、マイアミの整形外科ヴァニティー・プラスティック・サージェリーでは、ビットコインで豊胸手術や脂肪吸引が受けられる。
ケンタッキー州のビクコという人口300人にも満たない小さな町では、警察署長がビットコインによる給与支払いを申請し、市が承認している。またキプロスのニコシア大学ではデジタル通貨の修士号コース開設にちなみ、ビットコインによる学費支払い法を設けた(コインデスクより )。
仮想通貨が社会の仕組みを変え始めているという意味では、間接的に人生を変える一例といえるだろう。
4.「存在を忘れていたビットコインで高級マンションを購入」は本当の話?
軽い気持ちで買ったビットコインが知らぬ間にびっくりするほど値上がりしていた―という羨ましい話の主人公の名はノルウェーのクリストファー・コッホ氏。2009年に150クローネ(約2105円)でビットコイン5000枚を購入するが、2013年にビットコインに関する報道を見かけるまで、買ったことすら忘れていたという。
同年4月、ビットコインは266ドルまで値を上げたのをピークに、大きな変動を繰り返しながら「仮想通貨時代」に突入していく。チャンスを見いだしたコッホ氏は所有していたビットコインの5分の1を売却し、ノルウェーの高級住宅地オスロにマンションを購入した(ガーディアン紙より )。
この話の信憑性を問う声もあるが、コッホ氏がビットコインを購入した当時、ビットコインは0.008ドルという今では想像できない安値で取引されていた。この計算でいくと購入したのは5000万ドルではなく3375枚ということになるが、2013年11月、一時的に1000ドル近くまで高騰した際に売り払っていれば、300万ドル以上を手にしているはずだ(コインデスクデータ )。
スウェーデンの不動産情報サイト「ローカル」 のデータによると、2012年のオスロの平均的なマンション(84平方メートル)の価格は63.2万ドル。オスロの住宅価格は2011~2015年にかけて245%値上がりしたそうなので、 コッホ氏が購入した頃にはもう少し価格が上がっていたと仮定しても、十分お釣りがきただろう。
文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)
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