「本記事は、高橋輝行氏の著書『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。」

3つ
(画像=kaipong/stock.adobe.com)

会議に必要な3つの頭「理想」「現実」「推進」

「3つの頭」を使い分ける

ある建築会社の社長から新規事業の相談を受けた時のことです。事業のイメージをまとめた資料を見せてもらいましたが、他社で既に行われているようなもので、アクションプランも曖昧でした。彼は、これからどうしていけばいいのか途方に暮れていました。

私たちは日々考えて生きているものの、「考える=思考する」という行為そのものについて深く考えをめぐらすことは少ないです。

ただ、顧客創造を考える時は、「理想」「現実」、そして「推進」という3つの「考える頭」を使い分ける必要があります。

理想とは、「このような状況にある人に、このような価値を提供し、より幸せな、より感動する世界を想像する」ことであり、そこでの「考える」は現実解を無視して、より面白く振り切ってイメージを膨らませることです。ドラえもんの歌にある「こんなこといいな、できたらいいな」の世界で、子ども心とも言い換えられるかもしれません。

現実とは、「その理想を実現するための具体的な方法や手段をイメージする」ことで、そこでの「考える」は理想に近づくための新たな技術ややり方を発想することです。私たちはそれができるように、日々訓練や新しい知識のインプットをします。

この理想と現実を「考える」ことは、常にぶつかり合い、結論が出ずに停滞する、もしくは現実を考えるほうに引っ張られます。会議で「そんなことできるわけがない」「そんなことをする時間とお金がない」と言われ、初めは面白かったことがどんどんありきたりなものに変わっていく現場を、私は数多く見てきました。そこで、必要なのが推進という視点です。

推進とは、「理想へ近づきたいけれど、現実的に最大限できることを踏まえて段階的に、もしくは多少理想を変更しベストな方向を見つけ出す」ことで、そこでの「考える」は次に考えるべきことを具体的に示すことです。

理想と現実の狭間に立ちながら、理想がより面白くなるように思をストレッチし、今ある現実的な答えに引っ張られず、顧客がワクワクする世界を実現することを目指していきます。

会議では頭を動かす

理想と現実、そして推進。これらの役割を一人でやろうとしてもうまくはいきません。

自動車、衣料品、食品、エンタメ、IT等、様々な顧客創造のジャンルがあります。

大事なことは、その業界業種ごとに適した頭脳を担える人が集つどい、考えることを分担しながら顧客を創造していくことです。

適当に人を集めても答えは出せません。

会議で「進行役」「書記役」など、作業の役割分担をしている会社を見かけますが、顧客を創造する会議では、考えること(頭)の役割を下図のように「理想」「現実」「推進」の3つに分け、アウトプットを作り出すことに重きを置いて進めていきます。

では、次からはどう役割分担していくのか、その具体的な方法を見ていくことにしましょう。

『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の教科書』より引用
(画像=『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の教科書』より引用)

メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』より
著者:高橋輝行さん/あさ出版
定価:1650円(税込)
ISBN:9784866673042

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