安定していると思われた企業の倒産が話題になることがある。立て直しの機会もあったであろうに、なぜ倒産に至ってしまうのだろうか。過去30年間の事例から、企業が倒産する理由や経緯をみてみよう。

平成の大型倒産ベスト10を発表!

2019年4月、帝国データバンクが「平成の大型倒産・上位30社」を発表している。上位10社は以下の通り。

商号 業種 負債額(百万円)
協栄生命保険 生命保険 4,529,700
リーマン・ブラザーズ証券 証券業 3,431,400
千代田生命保険 生命保険 2,936,600
日本リース 総合リース業 2,180,300
日本航空インターナショナル 航空事業 1,527,919
武富士 消費者金融 1,494,900
マイカル スーパーマーケット経営 1,388,164
クラウン・リーシング リース・貸金業 1,187,400
タカタ 自動車安全装置製造 1,082,384
日榮ファイナンス 信用保証業 1,000,000

衝撃的な倒産その1「金融機関の倒産」

上位10社には生命保険会社が2社、証券会社が1社入っている。安定しているというイメージが高かった金融関連企業の倒産が多かったことが分かる。

倒産の主な理由としては「金利低下や土地価格の下落」が挙げられる。今まで金融機関の利益を生み出していた仕組みが崩壊したため、収益が急激に下がったのだ。また、「公的資金投入の遅れ」「経営者の判断ミス」があった点も倒産に繋がったと見られている。

衝撃的な倒産その2「航空会社の倒産」

大学生の就職先人気ランキング常連であった「日本航空」も倒産を経験した。これは2008年のリーマンショック、そして2009年の新型インフルエンザ流行による利用客の急減が理由として挙げられる。また、当時の人件費の高騰なども原因と考えられる。

衝撃的な倒産その3「不祥事からの倒産」

不祥事から倒産に至ったパターンも見逃せない。大型倒産上位10社の中にも、エアバッグの異常破裂問題の対応のまずさから破綻した「タカタ」がある。その他にも、粉飾決済問題で破綻した「カネボウ」、多額の赤字を子会社に付け替える「飛ばし」を行った「山一證券」など、不祥事を発端として倒産にまで至った有名企業はいくつもある。

決算上は問題がないように見えても、モラル面で問題がある企業もあるかもしれない。就・転職先、投資先を探す場合は、どのような経営をしているかもよく確認すべきだろう。

文・田尻宏子

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