2021年8月26日、JR東海とJR西日本は新幹線にリモートワーク車両を導入することを発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で利用者数が激減したJRにとって生き残りをかけた策ともいえるだろう。JR東海にスポットをあて見ていこう。

2020年度の利用者数は前年度比▲67%

JR東海の2020年利用者数は、前年度比▲67%と大きく下落した。売上高が前期比55.4%減の8235億円、営業損失は1,847億円、純損益も2015億円という過去最大の赤字となった。

新型コロナウイルス感染症の影響で県をまたぐ移動に対する自粛要請が出されたことにより、ビジネスパーソンの出張及び旅行を控える動きが影響したといえる。2021年になってからも緊急事態宣言が続いている影響もあり大幅回復は難しく、2021年度の業績予測についても下方修正している。

リモートワーク車両の特徴

JR東海の大きな収益源となる新幹線の利用者減対策として打ち出されたリモートワーク車両。2021年10月より試験的に導入される予定だ。通常より通信容量を2倍に増やしたWi-Fiの無料使用や打ち合わせスペースの設置を行う。

コロナ禍でリモートワークやテレビ会議が普及したことにより、働く時間や場所を選ばずに仕事ができるようになった。新幹線利用時も切れ目なく働ける環境を提供することで、ビジネスパーソンのニーズを満たし需要を喚起する目的だ。

コロナ収束後も利用者が戻るかは未知数

働く場所を選ばなくなったことで、どこでも仕事ができるようになったというものの、家族連れが隣の席では集中して仕事ができないケースもあるだろう。

しかし、ビジネスパーソンだけの環境であれば仕事に集中して取り組めるのではないだろうか。車両外でも一部の待合室を作業スペース向けの半個室タイプに改修するなど、ビジネスパーソン向けの取り組みが行われている。

ただし、リモートワークやテレビ会議の浸透により、アフターコロナでも出張自体が以前のように増えない可能性もある。コロナ禍による利用減だけではなく、リニアの工事費が増えるなど、厳しい状況になっているJR東海だが、今後どのように復活していくか注視したい。

文・勝目麻希

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